大人になった里香は、嗜虐指定公園の管理課に勤めていた。 短大を出て今年で2年目、里香は初めて遊具の整備を任された。 (ポニープレイの遊具は、下腹と、膝から尻たぶにかけてを叩く…) 研修で覚えた事を思い出しながら、「ガチャッ」とドアノブを開ける。 第26-5調教室に入った途端、里香の双眸に懐かしい後ろ姿が飛び込んできた。 「あっ、おまえ亮太でしょう!?」 「う”あ”あ”ッ、里香御嬢様お懐かしいですっ!」 「すぐわかったわ、あー亮太まだ人間に戻れてないんだ」 里香は子どものとき、同い年の亮太を臨海学校で誘惑して転落させた。 それからよく亮太に、ひたすら立たせておくという過酷な折檻を課したものだ。 立たせるのが4時間を超えると、だんだんと亮太の両足の間は開いていく。 この二脚で体を支え、両腕がもげるような吊り地獄から逃れているのだ。 だから、全頭マスクとペニス・カバーで体の隠れた牡奴隷YM417号が亮太だと、里香には一目でわかった。 「去年、会社の女どもの罠でまた転落したんです、里香御嬢様」 「ふぅん、全然歳月奪えてなかったんだつまんない」 里香がポロッとこぼした本心。YM417号が歯をカチ鳴らして黙り込むには、充分な何かを秘めていた。 自身の残酷な性根にYM417号が怯えてるなんてつゆ知らず、里香は左右兼用のエナメル・グローブ越しにペニス・ケースや陰嚢を触る。 里香は一通り感触を楽しむと、よくしなる短鞭を持ち直して勢いよくバシバシバシバシバシとYM417号の尻を叩き始めた。 YM417号のギャーーッという叫びやグッオオオォォという呻き声が、第26-5調教室に木霊する。 これはもう、牡の獣の吠え声だ。その嘶きは両隣の調教室にも少し漏れるほどだ。 (ああいう声って、こうやって出てるんだなぁ…) 里香は大人の男を鞭でぶつのは初めてだった。 30発もしないうちに、里香は短鞭を小脇に挟んでエナメル・グローブを左手に着け替える。 (次は鞭痕がクッキリつくように、1回ずつ、よく食い込むように叩かなくちゃ) グォォォォァァァと微かに呻き、荒い息遣いで全身をピンッと張るYM417号。 その後ろ姿に里香はしばし見惚れてしまい、そして(ハッ、)と気が付く。 里香はYM417号の尻のあたりを見つめ、そしてドチッ!と短鞭を食い込ませるのだった。 |