頭  痛

作者 namelessさん

バシン、バシンと、平手打ちの派手な音が室内に響いた。
「ああっ、京香様、お赦し下さいませ…」
 全裸に首輪だけを着けて、床に正座している浩志は、泣きそうな声で赦しを請うた。しかし、黒色パンティに、ヒールの高いブーツを履いただけの京香は、豊かな乳房を揺らして、なおも浩志の両頬に激しい平手打ちを加えた。
「股の醜いものを、恥知らずに硬くおっ立てて、寝言を言うんじゃないわよ!私の体を見て勃起するのは、私をいやらしい目で見ているからでしょう。私とやりたい、私をレイプしたいと思っているから、その見苦しいものを硬くするのよ。男奴隷のくせに、女主人に対する畏敬の念が、全く無いのね。赦せないわ!」
 浩志を酷く罵った京香は、ブーツで彼の顔を蹴り、床に転がした。しかし、仮に浩志が勃起していなかったとしたら、
「この美しい私の体を拝ませてあげているのに、勃たないとは何事よ!お前は、私に女の魅力が全く無い、女の内に入らないと言いたいのね。絶対に赦さないわ!」
と罵られ、酷い虐待を受けるので、結果は同じ事だった。
 京香は床から黒光りする本革の一本鞭を手に取り、頭上に振り上げた。それを見た浩志は、慌てて京香の足元に土下座して、慈悲を請うた。
「きょ、京香様、鞭だけはお赦し下さい。決して京香様に、不埒な考えは抱いておりません。京香様に、絶対の忠誠をお誓い致します。ですから、鞭だけはご容赦下さいませ…」


 しかし、京香は口元を歪めて、邪悪な笑みを浮かべ、
「口先だけで、この私をごまかせると思ってるの?お前が男奴隷の身分を自覚して、私に畏敬の念を抱けるよう、体に思い知らせてやるわ!」
と怒鳴り、土下座している浩志の背中に、一本鞭を力強く振り下ろした。


 一本鞭が唸りを上げて空気を切り裂き、派手な音を立てて背中に炸裂した。浩志は背を仰け反らせ、獣じみた絶叫を上げた。浩志の背中に、見る見る赤い筋が浮かび上がった。京香は情け容赦無く、一本鞭を振り続け、悲鳴を上げながら両手で頭を抱えて床を転げまわる浩志の体に、次々と赤い筋を刻み込んでいった。京香が鞭打ちを終えた時には、浩志の体中を赤い条痕がびっしりと覆っていた。

 京香は、床にうつ伏せになって、息も絶え絶えになっている浩志を、足蹴にして仰向けに転がした。それから、浩志の顔を跨いで仁王立ちになり、彼を見下して問い掛けた。
「男奴隷、これで少しは、自分の立場が分かったかい?」
 浩志は涙を流し、喘ぎ声で途切れ途切れに答えた。
「は、はい…奴隷の身分が、よく分かりました…身に沁みて、京香様の偉大さを思い知りました…」
 京香は勝ち誇ったように笑い、


「ふんっ、口は重宝なものね…そんな調子のいい口は、私の股間で塞いでやるわよ!」
と言って、浩志の顔にしゃがみ込んだ。京香は、浩志を鞭打って興奮したのか、臭いのきつい淫液でパンティのクロッチ部分を湿らせていた。その湿ったクロッチ部分で包まれた柔らかな秘丘で鼻と口を塞がれた浩志は、京香の饐えたような強烈な臭いを嗅がされ、頭がクラクラした。
 しかし、その喜びも束の間で、呼吸が満足に出来ない浩志は、窒息の苦しみと恐怖で呻き声を漏らし、もがき始めた。だが、大柄で結構体重のある京香を押し除ける事が出来ず、酸素不足で気が遠くなった。そして、体を震わせて射精しながら、失神してしまった。


 意識を取り戻した浩志は、上半身を起こし、責め道具が散乱した室内を見回した。彼は自分一人が部屋に取り残されているのに、気がついた。
「京香さんは、もう出勤したのか…」
 独り言を呟いた浩志は、のろのろと立ち上がり、頭痛を堪えながら、責め道具や京香の下着を片付け始めた。


 薬剤師の浩志と看護師の京香が結婚して、1年と2ヶ月になる。大学病院の懇親会で隣り合った29歳の浩志と27歳の京香は、互いに一目惚れし、二人でこっそりと二次会を抜け出して、静かなラウンジで語り合った。大柄なグラマーで美人なのだが、どことなく険のある顔立ちで、口では説明出来ない独特のオーラを纏っている京香に、浩志は何か感じるところがあり、家族にすら話した事の無い自分の秘密を打ち明けた。自分が女性を崇拝し、女性に支配され、女性から酷く虐待されたいと渇望しているマゾヒストである事を…。
 細身でイケメンだが、どこか気弱な感じがする浩志を、獲物を狙うような目付きで見つめていた京香は、浩志の告白を聞いて、目を妖しく輝かせた。そして、京香も浩志に自分の秘密を打ち明けた。男が悶え苦しむ姿を見ると凄く興奮し、男を虐めたくて堪らないサディスティンである事を。
 お互いに誰にも言えない秘密を暴露し、興奮が高まった二人は、腕を組んで、当然の如くラブホテルに直行した。浩志は自分の腕に、興奮して硬くしこった京香の乳首が押し付けられているのを、服越しに感じていた。ラブホテルの部屋に入ると、浩志は待ち兼ねたように京香の足元に土下座して、懇願した。
「京香様、僕を京香様の奴隷にして下さい。そして、京香様のお気に召すまま、一晩中虐めて下さい」
 京香は土下座した浩志の頭を、ストッキングを穿いた足で蹴りつけ、冷厳な声で叱責した。
「奴隷にして下さい…?服を着たままで、何を言っているのよ、お前は!?私の奴隷になりたいなら、真っ裸になって、自分を全てさらけ出してから、お願いするべきでしょう。さっさと服をお脱ぎ!」
「も、申し訳ございません、京香様」
 浩志は慌てて体を起こして立ち上がり、急いで服を脱ぎ捨て、ブリーフ1枚だけの姿となった。そのブリーフは、浩志の興奮したもので、突き破れそうな程、前に突っ張っていた。京香は、すかさず浩志の頬に強烈な平手打ちを浴びせた。
「ひぃっ」
 短い悲鳴を漏らして、打たれた頬を押さえた浩志を、京香は怒鳴りつけた。
「私は、真っ裸になれと言ったのよ!ブリーフを穿いたままで、私の奴隷になれると思ってるのかい!私を舐めるんじゃないわよ!」
「申し訳ございません…直ぐ脱ぎます」
 浩志が、頬の痛みと恥ずかしさに泣きそうな顔で、ブリーフに手を掛けて引き下ろすと、股間の硬く屹立したものが、バネ仕掛けの様に跳ね上がった。京香は邪悪な笑みを浮かべて左手を伸ばし、浩志の硬くなっているものを掴んで、酷く罵った。
「何よ、これは!私の奴隷になりたいと言ったばかりで、この私の許しも無く、勝手に硬くするなんて、どういうつもりよ!奴隷なら女御主人様の命令通りに、硬くしたり縮ませたりするものよ。お前は、全く奴隷の自覚が無いのね!」
 京香は左手で浩志のものを手荒くしごきながら、右手で彼の両頬に、目から火花が散る程の力強い往復ビンタを張った。
「ひぃっ、ひぃっ、お赦し下さいませ、京香様…」
 浩志は涙ぐみ、泣きそうな情けない声で、京香に赦しを請うた。浩志を嬲って京香も興奮したみたいで、顔を上気させ、浩志の硬く屹立しているものを下に強く引っ張り、命令した。
「ふんっ、さっさと跪くんだよ、男奴隷!」
 股間のものがもぎ取られそうな痛みを感じた浩志は、慌てて京香の足元に跪き、正座した。京香は、正座した浩志を勝ち誇った表情で見下し、彼を焦らすように、ゆっくりと服を脱ぎ始めた。ジャケット、スカート、ブラウスと服を脱ぐ度に、京香のスタイルの良い肉惑的な肢体が露わになり、浩志の目は彼女の白く美しい肌に吸い寄せられた。
 京香はパンストを脱ぎ捨て、セクシーな濃紺のブラジャーとパンティだけの姿になると、両手を腰にやり、正座している浩志の前で仁王立ちになった。
「私の奴隷になりたいなら、まず私の臭いを覚えないとね…さあ、股間に顔を深く埋めて、私の臭いをたっぷりお嗅ぎ!」
 京香は浩志の顔に向けて腰を突き出し、屈辱的な命令を下した。
「はい…京香様」
 浩志は震える両手で京香の逞しい太腿に抱きつき、魅惑的に盛り上がっているパンティのクロッチ部分に鼻を埋めた。京香が興奮して分泌した淫液で濡れたクロッチ部分の臭いを、胸いっぱいに吸い込んだ浩志は、饐えたようなきつい臭いに頭がクラクラした。しかし、彼の股間のものは、一段と硬度を増した。浩志は、まるで飢えた猟犬が獲物の臭いを捜し回るかのように、鼻を鳴らして京香の臭いを嗅ぎ続けた。京香は、目の色を変えて自分の股間の臭いを嗅いでいる浩志を、満足そうに微笑みながら見下していた。
 いい加減、股間の臭いを嗅がせたところで、京香は不意に浩志の髪を掴み、彼の顔を自分の股間から引き離すと、強烈な往復ビンタを喰らわせた。
「ひいぃっ」
 京香は、哀れな悲鳴を漏らした浩志の顔を、足裏で押すように蹴って、彼を床に転がした。そして、床に横倒しになった浩志の顔を踏みつけて、厳しく叱責した。
「私は、臭いを嗅げと言ったのよ!誰が私に抱きついていいと言ったの!?何の許しも無く、勝手に抱きついて、女御主人様の肌に触れるなんて、無礼にも程があるわ。男奴隷のくせに、生意気な!」
 京香に顔を踏みにじられた浩志は、彼女の足下から苦しげな声で赦しを請うた。
「も、申し訳ありません、京香様…どうか、お赦し下さいませ…」
 京香は浩志の顔から足を外し、改めて命令した。
「ふんっ、男奴隷になった初日だから大目に見てあげるけど、二度と無作法な真似をするんじゃないよ!いつまでも寝転がってないで、さっさと正座おし!」
「は、はい、京香様…」
 浩志が慌てて京香の足元に正座すると、彼女は後ろ向きになった。
「前の臭いを覚えたら、次は後ろの臭いも覚えなさい!」
 京香はそう命じると、正座している浩志の顔に、座るような格好で尻を押し付けた。浩志はやや上に向けた顔で、体格のいい京香の体重を支える形となり、首にかなりの負担が掛かった。本当は両手で京香の尻を支え、首の負担を軽減したいところだが、先程抱きついて、彼女にこっぴどく叱られたばかりなので、とても出来なかった。止むを得ず、顔面と首で京香の体重を支えるしかないのだが、そのため余計に彼女の尻が、浩志の顔面に強く押し付けられる事になった。
 パンティに包まれた京香の豊満な尻が、体重を掛けて顔面に押し付けられたので、浩志の鼻と口は柔らかな尻肉に圧迫され、尻の谷間でパンティの布越しにかろうじて呼吸が許される状態で、息苦しさに喘いだ。浩志が必死に空気を吸おうとすると、自然に京香の尻の臭いも強く吸い込む事になり、前の方とは違う、肛門付近の独特な強い臭気が彼を苦しめた。京香は尻を揺すって浩志を嘲笑い、彼の苦しみを倍増させた。

「うふふ、顔を女の椅子代わりにされて、お尻の臭いを嗅がさせられるなんて、普通の男なら耐えられない屈辱の筈よ。だけど、男奴隷のお前には嬉しくて、凄く興奮するんでしょう。やっぱりお前は、最低の変態マゾなのよ」


 あまりの屈辱と苦しさで、浩志の目に涙が滲んだ。しかし、京香の言う通りに、彼の股間のものは、硬い屹立を保っていた。不意に京香は立ち上がり、顔面と首の負担が急に無くなった浩志は、バランスを失い、床に倒れそうになった。
 京香は浩志の目の前で、何の恥ずかしげも無くパンティを脱ぐと、裏返しにして、何とか正座を続けている浩志に突き出した。


「私の臭いを覚えたら、次は味を覚えるのよ…パンティの汚れを舐め取って、きれいにおし!」
「…はい、京香様」

 京香の命令を受けた浩志は、震える手でパンティを受け取り、顔に近づけた。汚れのひどいクロッチ部分は、臭いのきつい淫液でべっとりと濡れ、茶色い筋も付着している。浩志は嗅覚が麻痺する程の臭気に耐え、思い切って舌を伸ばして、汚れたクロッチ部分を舐め出した。嗅ぐだけでも眩暈がする程の、京香のきつい臭いの淫液を舐め取った浩志は、口中に強烈な臭気が充満するのを感じ、体を震わせた。
 それでも、京香の目を意識した浩志は、パンティの汚れたクロッチ部分を、犬の様に舐め続けた。ブラジャーだけを身に着け、恥ずかしげも無く下半身を露出したままの京香は、仁王立ちで腕組みをして、パンティを舐めている浅ましい姿の浩志を、満足そうに見下していた。
 京香は、パンティの汚れがかなり薄くなったのを目視すると、浩志の手からパンティを取り上げて、床に放った。そして、両手で浩志の髪を掴み、彼の顔を自分の股間に引き寄せた。
「パンティは、もういいわ…今度は直接ここを舐めて、私を喜ばすのよ!」
 濃い剛毛の繁みに縁取られた、臭いのきつい陰唇に自分の口を押し付けらた浩志は、目を白黒させたが、急いで舌を伸ばして舐め始めた。浩志が京香の陰唇へ懸命に舌を這わせる程、奥から次々に淫液が湧き出し、彼は一瞬自分が淫液で溺れて窒息するのではないかと、錯覚した。しかし、浩志は京香に喜んでもらおうと、舌を必死に動かし、唇で彼女の淫液と共に充血し肥大したクリトリスを、音を立てて吸った。浩志は、舌が擦り切れ、唇が腫れ上がる程に酷使して、京香に奉仕した。その甲斐あって、間も無く京香は浩志の顔を自分の陰部に強く押し付けて、吐息を漏らし、背を仰け反らせて絶頂を迎えた。
 しばらくそのままで余韻を楽しんでいた京香は、一旦浩志の顔を引き離し、体の向きを変えて、尻を彼の顔に突き出した。京香は両手で尻たぶを広げ、肛門を剥き出しにして、浩志に残酷な命令を下した。
「前の方は、もういいわ。次は後ろをお舐め!トイレットペーパーで拭いただけじゃ、まだ汚れが残っているでしょう。お前の舌で、汚れを全部舐め取るのよ!」
 肛門から漂う独特の臭気に、浩志は泣きたくなったが、京香の命令に背く訳にはいかない。
「は、はい…かしこまりました」
 浩志は思い切って、顔面を京香の尻に埋め、彼女の褐色の肛門に舌を這わせた。苦味と酸味の混じった汚れの独特の味が口中に広がり、強烈な臭気が鼻孔の奥まで突き抜け、浩志はあまりの惨めさと情けなさで、体を震わせた。神経の集中している肛門を舐められている京香は、快感でご機嫌な声を出した。
「うふふ、お尻の穴を舐められるのも、なかなか気持ちいいわ。唾で舌を湿らせて、こびり付いている汚れを溶かして、きれいに舐め取りなさい…それにしても、男のくせに女の肛門を舐める気分は、どうなのかしら?お前は、女の体で一番恥ずかしくて、一番汚いところを舐めているのよ。もう、お前は人間失格ね。お前は人間じゃなく、豚以下の、正真正銘の男奴隷に堕ちたのよ。オホホホ…」
 京香の嘲笑が浩志の胸を深く抉り、気分をどん底まで落ち込ませた。しかし、浩志の股間のものは極限まで硬くなっており、彼は舌の動きを止める事なく、京香への奉仕に専念した。
 肛門を舐められて刺激されたのか、京香は恥ずかしげも無く、派手な音を立てて、勢いよく放屁した。強烈に臭うガスと共に、直腸の奥から何やら粘ついた液が噴き出し、浩志の口に直撃した。
「うぐぅっ」
 鼻が曲がる程に臭うおならを顔に浴び、凄まじい臭気を発する粘液を口に入れられた浩志は、身震いして苦しげな呻き声を漏らした。
「ふふん、女のおならを食べるなんて、如何にも変態マゾの男奴隷らしいわね。お前には、本当にお似合いよ。これで、自分が最低の奴隷だと、自覚出来たんじゃないの?」
 京香の蔑みが浩志の頭で虚ろに響き、彼の目に涙が浮かんだ。それでも、彼の股間のものは、硬くそそり立っていた。
 浩志の舌を存分に楽しんだ京香は、一旦腰を前にやると、反動をつけて尻を彼の顔面に勢いよく突き出した。京香の豊満な尻で顔面を突き飛ばされた浩志は、堪らず後ろへ倒れた。
 京香は自分が脱いだ服の所に行くと、スカートから女性用の細い革ベルトを引き抜いた。彼女は革ベルトを手に、よたよたと正座し直している浩志の前に立ちはだかった。京香は革ベルトで床を叩き、浩志に命じた。
「男奴隷、四つん這いになって、お尻を私の方に向けなさい!」
「は、はい、京香様…」
 革ベルトの鞭音に怯えた浩志は、慌てて京香に背を向けて、四つん這いになった。京香は威嚇するように、空中で革ベルトを振り、空気を切り裂く音を立て、浩志に告げた。
「男奴隷、私は今からお前のお尻を、ベルトで鞭打つわ。お前をお仕置きするとか、お前に粗相があったとかじゃなくて、私がただ、お前を鞭打ちたいから、打つのよ。お前は私がしたい事を、何でも甘んじて受けなければならないの。それが、男奴隷の身分というものよ…それをお前の体に教えてあげるから、ありがたく思いなさい!」
 京香は革ベルトを握った右手を高く上げると、四つん這いになっている浩志の尻に目掛けて、思い切り振り下ろした。細い革ベルトが、風を切って浩志の尻を打ち、彼に絶叫を上げさせた。
「ぎゃあぁーっ」
 まるで尻肉を刃物で切り裂かれ、生皮を剥ぎ取られた様な激痛を感じた浩志は、両手で尻を押さえて床に横倒しになり、涙を流して苦しんだ。浩志の尻に、見る見る赤い条痕が浮かび上がった。京香は横倒しになった浩志を蹴って、怒鳴りつけた。
「誰が横になっていいと言ったの!男奴隷の分際で、勝手な真似をするんじゃないわよ。さっさと四つん這いの姿勢にお戻り!」
「…はい、京香様」
 浩志は痛みで涙をぼろぼろ流しながら、よろよろと四つん這いになった。京香は革ベルトを空中で振って、風を切る音を立て、再度浩志に告げた。
「1回鞭打たれただけで倒れるなんて、情けないわね…それで私の奴隷が務まるの?まあ、初日だから大目に見て、鞭打ちは後10回だけにしてあげる。その代わり、四つん這いの姿勢を崩すんじゃないわよ。姿勢を崩す度に、鞭打ちの数を倍々に増やすからね!」
「は、はい…かしこまりました、京香様…」
 四つん這いになっている浩志は、震え声で返事をした。
「それじゃ、いくわよ…1回目!」
 京香は回数を口にして、革ベルトを勢いよく浩志の知りに振り下ろした。
「むぐうぅっ」
 先程の鞭打ちで激痛を予測し、覚悟していた浩志は、歯を食いしばり、全身を硬直させて耐えた。
「ほら、2回目!」
「ぐむうぅっ」
 尻の生肉を、真っ赤に焼いた刃物で削ぎ取られる様な激痛に、浩志は視界が真っ白になり、目から涙をぼろぼろとこぼした。京香は、身震いして激痛に耐えている浩志を楽しそうに見て、回数を数えながら、革ベルトを容赦無く振り下ろしていった。
「これで最後よ…10回目!」
「むぐおぅっ」
 最後は特に力強く革ベルトを振り下ろされ、あまりの激痛に、浩志は食いしばった歯の奥から、地鳴りの様な呻き声を漏らした。手足がガクガク震えたが、更に鞭打たれる事を恐れた浩志は、気力で四つん這いの姿勢を保持した。
 京香は革ベルトを床に放ると、浩志の前でしゃがみ、彼の頭を撫でて褒めた。
「よく耐え抜いたわね、偉いわ。この調子なら、立派に私の男奴隷になれるわよ」
 思いがけず京香から褒められた浩志は、緊張の糸が切れて、気力でかろうじて保っていた手足の力が抜け、その場に突っ伏してしまった。
「あらあら、ちょっと甘い顔をすると、直ぐだらけるのね…やっぱり、鞭が足りなかったかしら?」
 京香の嘲る口調に、浩志はよたつきながらも、慌てて四つん這いの姿勢に戻った。彼は鞭打ちの恐怖に震え上がって、許しを請うた。
「も、申し訳ございません…京香様、何とぞ御慈悲を…」
 浩志の尻には、赤い条痕がびっしりと刻み込まれ、風に当たっても痛いくらいに赤く腫れ上がっている。もう、これ以上、革ベルトの鞭はもらいたくなかった。京香は笑いながら、怯えて身震いしている浩志の頬を、平手で軽く叩き、立ち上がった。
「大目に見るのは、これで最後よ…ついておいで、男奴隷!」
 ブラジャーを外し、一糸纏わぬ姿となった京香は、浩志に背を向けて歩き出した。浩志は四つん這いのまま、慌てて這ってついて行った。浩志の目前で、京香の豊満な尻が誇らしげに、彼を威嚇するように揺れていた。浩志は、再び彼女の豊かな尻に顔を埋めてみたいと、一瞬思った。
 浴室に入った京香は、手招きして浩志を呼び、浴室の床に仰向けに横たわるよう命じた。京香は、横たわった浩志の顔を跨いで仁王立ちとなり、彼を見下して言い放った。
「男奴隷、今日の軽い責めで、随分参っているみたいだけど、今後はもっときつくなるから、覚悟しておきなさい。わかったわね!」
 京香の力強い目で見据えられた浩志は、蛇に睨まれたカエルの様に身をすくませ、弱々しい声で返事をした。
「は、はい、分かりました…いえ、承知致しました、京香様…」
 浩志の返事を聞いた京香は、勝ち誇った声で、彼に宣言した。
「フフフ、少しは言葉遣いをわきまえたようね…お前を正式に、私の男奴隷として所有するわ。奴隷の契りの盃として、私のおしっこを飲ませてあげる。大きく口をお開け!」
「はい、京香様…」
 浩志は、自分の顔の両側からそびえ立っている白い脚の付け根に位置する、濃い繁みに縁取られた赤い陰唇を見つめ、感激に震えた声で答えた。彼は精一杯、限界まで口を開いた。
「いくわよ、男奴隷!」
 妖艶に赤くぬめった陰唇が一瞬震えたかと思うと、黄色い奔流が迸り、滝の様な勢いで浩志の顔を叩いた。大きく開いた口に京香の尿が流し込まれ、浩志は咽ながらも、必死に飲もうと努力した。京香は、自分の排尿を懸命に飲もうとしている浩志を見下し、勝ち誇った笑みを浮かべた。
 京香の長いほう尿が終わって、浩志は初めて彼女の尿の強烈なアンモニア臭と、生臭いしょっぱさに気がついた。放尿を終えた京香は、浩志の顔にしゃがみ込み、尿で濡れた陰唇を彼の口に押し付けた。
「おしっこを飲ませてもらったら、言われなくても、お前の舌でトイレットペーパーの役目をするのよ…早くお舐め!」
 生まれて初めて尿を飲まされた衝撃で、何も考えられなくなっていた浩志は、京香に命じられるままに舌を伸ばして、彼女の尿に塗れた陰唇を舐め始めた。京香は浩志の舌の動きを楽しみながら、彼に話しかけた。
「これから、私達の結婚の日取りを決めないといけないわね…もっとも、結婚すると言っても、お前は夫じゃなく、私の奴隷になるのよ。一生を掛けて、昼も夜も毎日虐めてあげるから、楽しみにしておきなさいね」
 京香の陰唇を熱心に舐めていた浩志は、“結婚”という単語を聞いて、ずっと屹立させていた股間のものから、白濁液を噴出させてしまった。浩志の目から涙が滾々と流れたが、それが歓喜の涙なのか、屈辱の涙なのか、混乱している彼の頭では、判別出来なくなっていた。


 浩志と京香の結婚話は、とんとん拍子に進んだ。二人の両親はそれぞれ、「そろそろ、孫の顔が見たい」と常日頃から身を固める事を急かしていたので、結婚を決めたと言われ、諸手を挙げて賛成した。華燭の典を上げた浩志と京香は、新婚旅行を終えると、そのまま浩志のマンションで新婚生活を始めた。
 

二人は、人前では仲睦まじい新婚夫婦を装ったが、部屋で二人きりになると、厳格な女王様と従順な奴隷に様変わりした。二人の主従関係もあったが、京香は救急外科病棟の看護師のため、夜勤や急な呼び出しもあり、不規則な生活を余儀なくされており、薬剤師で比較的規則正しい生活が送れる浩志が、自然に家事全般をする事となった。部屋では、浩志は服を着る事は許されず、全裸に首輪を着けただけの姿で、家事労働の時以外は、常に四つん這いでいるよう強制された。
 京香は、看護師のハードな勤務のストレス解消もあってか、浩志を酷く虐待した。家事の些細な落ち度を指摘しては、目が眩む程の激しい往復ビンタを張ったり、ネット通販で購入した一本鞭や乗馬鞭で手酷く打ったりした。
 下着の洗濯は、浩志にパンティの汚れた部分を口で吸わせ、汚れが薄まってから、手洗いさせた。浩志は料理が結構得意で、京香のために美味しい料理を作るのだが、彼女はどんな時も、一口食べては、
「何よ、この味は!お前は私を舐めて、手を抜いてるんだね!」
と罵り、彼を平手打ちし、鞭打った。浩志の食事は、彼にテーブルに着く事も、手を使う事も許さず、床の上で犬の様に食べさせた。
 
京香は尿意を催すと、いつでも、
「男奴隷、ちょっとおいで!おまるに使ってあげる」
と浩志を呼びつけ、陰部を彼の口に当てがい、尿を飲ませた。生理の時には、生臭い経血も容赦無く飲ませた。健康上の理由で、さすがに大便は口にさせなかったが、用足しの後はいつも浩志を呼び、彼の舌をトイレットベーパー代わりに使った。
 京香との結婚生活は、普通の男なら一日たりとも耐えられない悲惨なものだが、マゾヒストの浩志にとっては、長年夢見てきた理想の生活であった。


 京香には、年の離れた妹で、大学生の明日香がいた。19歳の明日香は薬剤師志望で、薬学部の大学に通っていた。浩志と京香が結婚すると、明日香はよく新婚家庭にお邪魔して、大学の難しい課題や、難解な化学式について、浩志に教わっていた。浩志が明日香に理解出来るよう、懇切丁寧に教えてやると、彼女は、
「わあっ、お義兄さんって本当に頭がいいのね。憧れちゃうわ」と感嘆して、魅惑的な瞳で浩志を見つめた。姉の京香とは違ったタイプの、清楚な美人である明日香に尊敬の眼差しで見つめられて、浩志は内心どぎまぎした。
 京香と明日香は姉妹仲が良く、明日香がいつ訪ねて来ても、京香は喜んで迎え、浩志が明日香に色々と教えている様子をニコニコしながら見ていた。しかし、明日香が帰ると京香は態度を一変させ、
「男奴隷、若い明日香が傍にいて、内心喜んでいたでしょう!分からないとでも、思ってたの?私の目は、節穴じゃないのよ!」
と浩志を怒鳴り、彼を酷く虐待して辱め、悲鳴を上げさせて、のたうち回らせた。だが、マゾヒストの浩志には、それも楽しみの一つになっていた。


 幸せな新婚生活を送っていた浩志と京香だったが、新婚二か月目に重大なアクシデントが二人を襲った。その日は明日香の誕生日で、お祝いに高級レストランで三人一緒に食事をして、楽しい一時を過ごした。食事を終え、三人はタクシーに乗り、最初に明日香を学生寮まで送って行った。それから、二人は自宅マンションに向かったのだが、途中の交差点で飲酒運転の車が突っ込んで来て、両方の車両が大破する大事故に巻き込まれてしまったのだ。
 この事故で、浩志は二日間意識不明となり、一か月の入院を余儀なくされる重傷を負った。意識を取り戻した浩志は、周囲に京香の安否を尋ねたが、皆一様に「心配ないから、安心して」と答えた。浩志が入院中、明日香はしょっちゅう見舞いに訪れた。彼女は、
「姉さんは直ぐ退院して、看護師に復帰したわ…忙しくて、中々お義兄さんのお見舞いに来れないけれど、夜中にお義兄さんが寝ている時に、様子を時々見に来ているみたいよ」
と説明した。それで、幸い京香は軽傷で済んだと、浩志は推測出来て安堵した。


 一月後に退院した浩志は、幸いにも重篤な後遺症は認められず、薬剤師として職場に復帰し、以前の生活に戻る事が出来た。看護師で多忙な業務をこなす京香とは、相変わらず擦れ違いの多い日々であったが、時間が合致して久々に行うSMプレイは、浩志を著しく興奮させた。
 京香は医療従事者らしく、医療器具を使ったプレイを得意にしていた。
「男奴隷、お前の健康を気遣って、はらわたをきれいにしてあげるわ」
 京香は浴室で、全裸で四つん這いになっている浩志の肛門に太めのカテーテルを突っ込み、バケツ一杯分の濃いグリセリン液をポンプで直腸に注入した。それから、京香はカテーテルを引き抜き、代わりに産道を拡げるのに使う萎んだ状態のバルーンを浩志の肛門に押し込み、空気ポンプで膨らませて、完全に栓をした。下腹が風船の様に膨らみ、排泄出来ずに苦しんでいる浩志を、京香は薄笑いながら嘲った。
「腹を膨らませて、たらたら脂汗を流すなんて、まるでガマの油ね…お前、自分がどんなに見苦しい姿をしているか、分かってる?」
 浩志の耳に京香の嘲りが響いたが、下腹が痛くてまともに返事が出来ず、呻き声を漏らすだけだった。京香は立ち上がると、不意に浩志を蹴り飛ばし、仰向けに転がした。そして、浩志の膨れた下腹を踏みつけて、怒鳴った。
「女主人が尋ねているのに、無視して返事もしないなんて、どういうつもりよ!この私に反抗する気なの?男奴隷のくせに、生意気な!」
 下腹をぐりぐりと踏みにじられた浩志は、腸が捻じ切れ、破裂しそうな激痛に悲鳴を上げた。
「うぎゃーっ、赦して、赦して下さい…京香様、どうか御慈悲を…」
 涙を流して悶え苦しむ浩志を、京香は楽しそうに見下し、嘲笑った。
「うふふ、この程度で涙を流していたら、体の水分がいくらあっても足りずに、脱水症状になるわよ。お前に奴隷としての礼儀作法を身に付けさせるのに、まだまだ時間と手間暇を掛けて調教するつもりだからね」
 京香はしばらく浩志の下腹を踏みにじってから、空気ポンプの弁を開け、産道拡張用バルーンの空気を抜いて、萎ませた。その途端、凄まじい音が浴室に響き、浩志の肛門から大量の軟便が噴き出した。ようやく排泄を許された浩志は、精も根も尽き果てて、ぐったりとなり、痴呆の様に口を半開きにして、虚ろな顔をしていた。
「まあ、臭いこと!よくもまあ、女主人の前で恥ずかしげも無く、大便を漏らせたものね。普通の男なら、女の前でお漏らしなんか、絶対にしないわよ。お前には最低限の、人間の尊厳すら無いんだわ。最低の恥知らずね!」
 京香に酷く罵られた浩志は、屈辱感と羞恥心で、胸を深く抉られる思いだった。しかし、京香は浩志を罵りながらも、シャワーで彼の汚れを洗い流してくれ、大量の軟便をシャワーで溶かして、排水口に流し込んだ。
 シャワーを止めた京香は、ぐったりと横たわっている浩志の頭を蹴って、命令した。
「男奴隷、いつまでも寝てないで、リビングに移動おし!」
 京香はそう言い放つと、浴室から出て行った。横たわっていた浩志は、離れていく京香の美しい全裸姿を、女神を仰ぎ見るように見送った。京香が浴室から出た後も、まだぐったりしていた浩志だったが、気力を振り絞って立ち上がり、バスタオルで体を拭くと、四つん這いでリビングに向かった。
 浩志がリビングに入ると、全裸にブーツを履いただけの京香が、一本鞭を手にして、彼を待ち構えていた。
「遅いわね!男奴隷の分際で、女主人を待たせるとは、何事よ!」
 京香は浩志を怒鳴りつけると、四つん這いになっている彼の背に、豊かな乳房を揺らせて、一本鞭を力強く振り下ろした。
「うぎゃーっ」
 背中を切り裂かれた様な激痛に、浩志は絶叫を上げて、床に横倒しになった。京香は、床に倒れた浩志の頭をブーツで踏みにじって、罵声を浴びせた。
「奴隷としての礼儀が、全くなってないわ。さっき、お前の腐ったはらわたをきれいにしてやったばかりなのに、性根は腐ったままなんだね。それに、誰が横になっていいと言ったのよ!お前のふざけた態度を見ていると、自分の躾の至らなさを痛感するわ。さっさと、四つん這いの姿勢にお戻り!」
 京香が浩志の頭からブーツを外すと、彼は慌てて四つん這いになった。京香は鞭を床に放ると、金属製で長さ10p、直径2pの、コード線が後ろに付いている小型ディルドゥを手にした。彼女はディルドゥにワセリンを塗り、四つん這いになっている浩志の後ろに廻った。
「男奴隷、はらわた掃除の仕上げをしてあげるよ!」
 京香は浩志の尻を押し広げ、肛門にディルドゥの先端を当てがうと、一気に押し込んだ。
「あひゅっ」
 肛門に異物を挿入された独特な感覚に、浩志の口から吐息が漏れた。京香は情け容赦無く、ディルドゥ全体を完全に浩志の肛門に押し込んだ。
「男奴隷、次は仰向けにおなり!」
 浩志は肛門に違和感を覚えたまま、急いで仰向けに横たわった。
「はらわただけじゃなく、尿道の掃除もしておかないとね…」
 京香はコード線が付いている細い金属の棒を持つと、殺菌ジェルを塗りたくった。そして、浩志の股間のものを掴むと、尿道口に細い金属棒の丸い先端を当てがい、ゆっくりと挿入し始めた。
「ああっ、い、痛いですぅ、京香様…」
 尿道に強い痛みを感じた浩志は、情けない声で京香に訴えた。
「この程度で痛がるんじゃないわよ!病院で使っている尿道カテーテルは、もっと太いんだからね。本当に堪え性の無い男奴隷だわ」
 京香は浩志の訴えを一蹴し、金属棒を尿道に深く挿入した。それから、浩志の肛門と尿道から延びているコード線を、ゲーム機のコントローラーみたいな機器に繋いだ。
「お前がどんな声で泣いてくれるか、楽しみだわ。うふふ」
 不気味そうな笑い声を漏らした京香は、カチッと音を立てて、機器のスイッチを入れた。
「あぎゃーっ」
 肛門と尿道に落雷を受けた様なショックを感じ、下半身全体に強い衝撃を受けた浩志は、白目を剥いて体を痙攣させ、獣じみた絶叫を上げた。京香は又、カチッと音を立てて、機器のスイッチを一旦切った。
「京香様、これは、一体…?」
 浩志は、ゼイゼイと荒い息をしながらも、何とか京香に尋ねた。
「オホホ、微弱な電流でも、結構感じるでしょう。遠慮せず、存分に楽しみなさい」
 京香は笑い声で答えると、再びスイッチを入れた。
「うぎゃーっ」
 浩志は体を跳ね上げて、悶え苦しんだ。京香は、スイッチを入れたり、切ったりするのを何度も繰り返して、浩志が苦しむ姿を楽しんだ。浩志の体全体が痙攣して、身動きが出来なくなったところで、京香はようやく彼の肛門と尿道から、器具を引き抜いた。
 尿道から金属棒が引き抜かれた際、多量の白濁液が床に滴り落ちた。浩志は、いつの間にか射精していたのだった。彼に全く快感はなかったのだが、前立腺と尿道に電流の刺激を受けたため、知らずに射精してしまったのだろう。京香は、床に滴り落ちた精液を見て、声を荒げた。
「何よ、お前は!誰が射精を許可したの!男奴隷のくせに、女主人の許しも得ずに、勝手に射精するなんて、とても赦せないわね…大体、お前の汚らわしい精液で、床を汚すんじゃないわよ!お前の舌で、全てきれいに舐め取りなさい!」
「はい…かしこまりました、京香様…」
 浩志は京香に命じられた通り、惨めに這いつくばって舌を伸ばし、床の精液を舐め始めた。自分の精液の生臭い味と、ざらついた床の埃の感覚が、浩志の惨めさを増幅させ、目に涙が浮かんだ。
 浩志が床の精液を全て舐め取ると、京香は彼に四つん這いの姿勢を保ち、絶対に動かないよう厳命した。京香は血圧計を取り出し、通常は腕に巻く帯を、浩志の陰部に巻き付けた。
「男奴隷の健康チェックは飼主の役目だから、お前の血圧を測ってあげるわ」
 京香は、空気ポンプで帯を徐々に膨らませた。
「ああっ」
 陰茎と陰嚢と帯で一緒に巻き付けられている浩志は、じわじわと睾丸を圧迫され、短い悲鳴を漏らした。
「男奴隷、女主人がお前の血圧を測ってあげているのに、もし動いたりしたら、絶対に赦さないわよ。さっきの電気ショックを、電流と電圧を最大値にして、味わせてやるからね!」
 京香は血圧計の数値を見ながら、浩志に釘を刺した。もう二度と、あの電気ショックは受けたくない…震え上がった浩志は、歯を食いしばり、四つん這いの姿勢を維持した。しかし、睾丸への圧迫はどんどん増して、下半身全体に痛みが広がり、吐き気まで催してきた。
「京香様、お願いです。もう、お赦し下さいませ…本当に死んでしまいます」
 睾丸の痛みに耐えられず、浩志は泣き声で京香に赦しを請うた。しかし、京香はせせら笑い、
「甘えるんじゃないよ、泣き言はお止め!まだ、血圧の測定が済んでいないからね。もうしばらく、そのままでいなさい!」
と命じて、空気ポンプを握り、巻き付けた帯を更に膨張させた。浩志は脂汗を流し、身震いして、睾丸が潰されそうな激痛に耐えていたが、急に目の前が真っ白になり、意識を失って、床に突っ伏してしまった。


 気がつくと、リビングには浩志一人が、取り残されていた。浩志は体を起こし、部屋を見回した。
「京香さんは、今日も夜勤かな…」
 浩志は、陰部に巻き付けられたままの帯を取り外し、痛む頭に手をやりながら、散乱している責め道具を片付け始めた。交通事故に遭遇して以来、京香とのSMプレイの後には、決まってひどい頭痛に悩まされた。事故の後遺症かと心配した浩志は、勤務先の大病院で精密検査を受けたが、全く異常は無いと診断された。
 部屋を片付けた浩志は、シャワーを浴びてさっぱりし、パジャマを着た。そして、冷蔵庫から缶ビールを取り出して、テーブルに着き、グラスにビールを注いだ。浩志はグラスを傾けながら、事故に遭った以後の生活を、ぼんやりと回想した。
 浩志が退院してから、京香の勤務シフトが変わったのか、すれ違いの日々が多くなった。義妹の明日香は、相変わらず度々遊びに来て、難解な化学式の問題を浩志に教えてもらっていたが、京香は妹の彼女にも中々会えなくなっていた。
 浩志が明日香に一度、
「明日香ちゃん、せっかく来てくれたのに、京香さんが忙しくて会えずに、申し訳ないね」
と話し掛けたら、彼女は顔を翳らせて、話題を変えた。
明日香の誕生祝いの帰りに交通事故に遭った事で、姉妹仲に軋轢が生じたのかもしれない。あんなに仲の良かった姉妹だったのに…浩志は心配したが、とても口に出せなかった。
職場で、以前はよく京香との新婚生活を根掘り葉掘り聞かれて、散々冷やかされたが、浩志が職場復帰した後は、皆が気遣ってくれているのか、京香との事は話題にされなくなった。浩志は漠然と、事故の後は生活のリズムに、微妙な違和感があると感じながら、グラスのビールを飲み干した。


 交通事故が起こった日から丁度一年が経ち、義妹の明日香の誕生日になった。夕方、浩志と京香はリビングのテーブルで向かい合って、明日香の誕生祝いをどうするか、話し合っていた。生憎、本日は京香の夜勤なので、日をずらせてお祝いしようと、浩志は提案した。それをきっかけに、姉妹仲が修復してくれたらと、浩志は内心願っていた。
 その時、玄関のインターホンが鳴った。浩志が防犯カメラで確認すると、当人の明日香が立っていた。浩志は急いで玄関のドアを開け、明日香を歓迎した。
「やあ、明日香ちゃん。よく来てくれたね。丁度、京香さんと明日香ちゃんの誕生祝いについて、話していたんだよ。さあ、上がって」
 浩志が京香の名前を口にすると、明日香は一瞬暗い表情を見せたが、
「お義兄さん、お邪魔します」
と笑顔で言って、上がり込んだ。二人がリビングに入ると、なぜか京香の姿が無かった。
「あれ?さっきまで、京香さんが座っていたのに…他の部屋に行ったのかな?明日香ちゃん、呼んで来るから、ちょっと待ってて」
 浩志がリビングから他の部屋に行こうとすると、明日香は彼の裾を掴んで、引き止めた。
「お義兄さん、姉さんを探さなくてもいいわ…お話があるの。ちょっと座って頂戴」
 明日香から、何時になく真剣な面持ちで言われた浩志は、訳が分からないまま、リビングのテーブルに着いた。
「…明日香ちゃん、話って何だい?」
 些か気後れしながら浩志が尋ねると、明日香は彼の目を見据えて答えた。
「お義兄さんは、今年で三十歳ね。私は今日で、二十歳になったわ。もう、成人よ…だから、誕生祝いと成人祝いに、お義兄さんを私のものにしたいの」
「な、何を言っているんだ?どういう意味だい?」
 思い掛けない事を突然言われた浩志は混乱し、上ずった口調で質問した。すると、明日香は更に予想外の事を口にした。
「…私、お義兄さんに初めて会った時から、好きだったの。姉妹って、男性の好みが似るのかしら…でも、さすがに姉さんの手前、とても言い出せなかった。だけど、姉さんが亡くなって、もう一年が経ち、私も成人になったわ…だから、私を義妹じゃなく、一人の女として見て欲しいの!」
 明日香の告白とも言える大胆な発言に、浩志は頭がすっかり混乱した。
「何を言っているんだ、君は!?姉さんが亡くなっただなんて、どういう意味だよ?僕は京香さんと、ずっと暮らして来ているし、ついさっきまで京香さんと話していたんだよ。一体、何が言いたいんだ!?」
 浩志は思わず大声を出したが、明日香は目を逸らさずに、きっぱりと答えた。
「だから、それはお義兄さんが作り出した幻なの!姉さんはもう、この世にいないのよ。一年前の交通事故で、亡くなったの!」
 浩志は愕然とした。
「嘘だ…現に僕は京香さんと暮らして、話をして…」
 明日香は、普段の清楚なイメージとかけ離れた、荒げた声を出した。
「それは、お義兄さんの幻影なのよ!お義兄さんは、誰もいない空間に話し掛けているの!お義兄さんが、どれ程深く姉さんを愛していたか、皆知っているわ。親戚が入院中のお義兄さんに、姉さんの死亡を伝えても、全く信じなかった。そして、お義兄さんは姉さんの幻を作り出してしまったの…周囲の人達も私も、お義兄さんがあまりに気の毒で、誰も本当の事が言えなかったのよ!」
「う、嘘だ、そんな事は…」
 浩志は急に頭が割れそうに痛み、両手で頭を抱え、テーブルに突っ伏した。彼は強烈な頭痛に苦しみながらも、一年前の交通事故以降の記憶が、次々に頭に蘇ってきた。
 大破したタクシーの車内で、薄れゆく意識の中で見た、目を閉じて口から血を流している京香の横顔…病院で目覚め、京香の安否を周囲に尋ねたが、誰もまともに答えてくれなかった…入院中に、親族から京香の葬儀が終わったと告げられ、“嘘をつくな!”と逆上して叫んだ…退院して職場復帰してからも、誰も京香について触れようとしなかった…親戚は皆、京香の話題を避けた…あれ程姉妹仲の良かった明日香が、京香の話になると、急に顔を翳らせた…。
少し頭痛が弱まり、顔を上げた浩志へ、明日香は胸に突き刺さるような言葉を発した。
「…お義兄さんは、女性に虐められて喜ぶマゾヒストなんでしょう」
 浩志は、京香以外には誰にも知られないよう、必死に隠してきた秘密を明日香にズバリと言われて、気が動転した。
「あ、明日香ちゃん、君は一体何を…」
 明日香は、うろたえている浩志をじっと見つめて、話を続けた。
「姉さんは、可愛がっている妹の私に対しては、何一つ隠し事せずに、何でも話してくれていたの…私は男を虐めて興奮するサディスティンで、普通のセックスじゃ物足りないから、マゾの浩志と結婚出来て、本当によかったって…姉さんの話を聞いて、本当に羨ましかったわ」
 頭痛に顔を歪めている浩志は、明日香に何と言っていいか、分からなかった。更に明日香は、浩志が驚愕する話を始めた。
「私は、お義兄さんが誰もいない空間で、一人で話をしている映像を見てもらい、幻を相手にしている事を分かって欲しかったの。姉さんから、このマンションの合鍵を貰っていたし、探偵社に依頼して、全ての部屋に隠しカメラを仕掛けてもらったのよ…そうしたら、予想外の映像が撮れて、探偵社の人も驚いていたわ」
 浩志は、京香との秘密のSMプレイを隠し撮りされたと察して、恥ずかしさに顔を赤くし、一瞬頭痛を忘れて、声を荒げた。
「何て事をするんだ!いくら義妹でも、僕達夫婦のプライバシーを隠し撮りするなんて!」
 明日香は全く動じず、ポーチからUSBメモリーを取り出して、テレビ台のDVDデッキに挿し込み、スイッチを入れた。
「お義兄さん、いいから、まず自分の目で確かめて頂戴」
 テレビに映し出された映像を見て、浩志は愕然とした。
「な、何だ、これは…」
 人には絶対に見られたくない、京香との恥ずかしいSMプレイの様子が映されると思ったのだが、映っていたのは、浩志一人だけだった。全裸に首輪だけを着けた浩志は、自分の手で自分の頬を叩き、自分で自分を鞭打って、悲鳴を上げていた。他にも、自分一人で赦しを請いながら、部屋を這いずり回ったり、浴室では自分に浣腸したり、自分で自分の肛門や尿道に異物を突っ込んだり、自分の陰部に血圧計の帯を巻き付けている痴態が映されていた。
「こ、これは一体…」
 ズキズキと痛む頭を手で押さえながら、浩志は目を見開いてテレビ画面を指差し、体を震わせた。明日香は、浩志を諭すように話し掛けた。
「お義兄さんは、自分で作り出した姉さんの幻と、SMプレイをしていたのよ…これで理解出来たでしょう。姉さんは、もうこの世にいないって…」
 浩志の頭が再び猛烈に痛み出し、両手で頭を抱えて、テーブルに突っ伏した。そして、浩志は全てを理解した。本当は京香が死んだ事を、心の奥底で分かっていた。しかし、京香の死を絶対に認めたくなくて、彼女が無事だったと、無理やり自分に思い込ませた。冬山登山で遭難して極限状況に陥った者が幻を見るように、自分も京香の幻を見ていた。だが、真実を見つめようとする心と、幻を現実だと思い込もうとする心が軋轢を起こし、ひどい頭痛を生じさせたのだ。
 自分の心内が全部分かった浩志は、いつの間にか頭痛が消えているのに気がついた。顔を上げた浩志の目から、涙がとめどなく流れた。
「明日香ちゃん…京香さんは、もういないんだね…」
「お義兄さん、涙を拭いて…」
 明日香は、がっくりと気落ちした浩志に、ハンカチを差し出した。ハンカチを受け取った浩志は、涙を拭いて、寂しそうに微笑んだ。
「ありがとう、明日香ちゃん…僕を現実に引き戻してくれて、感謝するよ。辛いけど、現実逃避していたら、前に進めないよね…」
 浩志は、明日香に礼を言って、ハンカチを返した。彼女は受け取りながら、不意に思い掛けない事を言った。
「お義兄さん、分かったら、私の奴隷になって!」
「えっ?何だって!?」
 浩志は明日香の言った意味が分からず、いささか間の抜けた声で聞き返した。すると、明日香は立ち上がってテーブルを回って浩志に近づき、いきなり彼の頬に強烈な平手打ちを浴びせた。
「ひいっ」
 不意に、目が眩む程の強烈な平手打ちを受けた浩志は、短い悲鳴を上げて、椅子から転げ落ちた。
「明日香ちゃん、一体何を…?」
 床に倒れた浩志は、打たれた頬を手で押さえながら、明日香を見上げた。浩志は、仁王立ちで浩志を見下している明日香と目を合わせて、驚いた。京香と明日香は、姉妹でも顔立ちとタイプは全然違うのだが、浩志を威圧するように見下す眼の輝きは、全く同じだったのだ。明日香は、浩志を怒鳴りつけた。
「最低の変態マゾのくせに、とぼけた事をほざくんじゃないわよ!姉さんの代わりに、私がお前を虐めてあげようと言うんだから、ありがたく思いなさい!」
 明日香は、今まで“お義兄さん”と呼んでいた浩志を“お前”呼ばわりし、呆然としている彼の顔を、蹴り飛ばした。浩志は呻き声を上げて、床に転がった。
「お前は、いつまで生意気に服を着ているのよ!さっさと裸におなり、男奴隷!」
 浩志は、明日香から“男奴隷”と呼ばれ、背骨に電流が流れたように感じた。彼は、慌てて服を脱ぎ捨て全裸になって、明日香の足元に土下座し、謝罪した。

「あ、明日香様、御機嫌を損ねてしまい、真に申し訳ございません。どうか、お赦し下さいませ…」
 浩志も、今まで明日香を“ちゃん”付けで呼んでいたのだが、自然に“明日香様”と呼ぶようになった。
「男奴隷、私を不快にした罰を与えるわ…今まで使っていた鞭を、持っておいで!」
「は、はい、ただいま」
 明日香に命じられた浩志は、隣の寝室に大急ぎで這って行き、クローゼットに仕舞っていた、京香愛用の一本鞭を取り出した。それを手にして、明日香の足元に這い戻って正座し、両手でうやうやしく明日香に差し出した。
「男奴隷、ちょっとお待ち!」
 明日香は、差し出された鞭には、直ぐに手を伸ばさず、服を脱いでブラジャーとパンティだけの下着姿になった。白色のぶらじゃーとパンティは、清楚なタイプの明日香によく似合っていたが、パンティのクロッチ部分には、淫靡な染みが浮かんでいた。
 下着姿となった明日香は、浩志の手から一本鞭を受け取り、彼に語り掛けた。
「私が依頼した探偵社の人は、とても困惑した様子で調査報告して、お前の映像を見せてくれたわ。義兄であるお前の醜悪な痴態を見せられた私が、どれ程恥ずかしかったか、お前に想像出来る!?お前は男奴隷の分際で、女主人の私に恥をかかせたのよ!この罪を、お前の体で償わせてやるから、覚悟しなさい!」
 何とも理不尽な理由で浩志を断罪した明日香は、一本鞭を振りかぶると、正座している浩志に思い切り叩きつけた。黒光りする一本鞭が、風を切って勢いよく浩志の体に絡みつき、悲鳴を上げさせた。
「ぎょえぇーっ」
 真っ赤に焼いた刃物で体を切り裂かれた様な激痛と、重いワイヤーロープを叩きつけられた様な衝撃を受けた浩志は、獣じみた絶叫を上げ、床に転がった。明日香は、浩志の苦しむ姿を見て興奮し、情け容赦無く鞭を振るい続けた。両手で頭を抱え、床に転げ回る浩志は、
「お赦しをーっ、明日香様、お慈悲をーっ」
と必死に叫んで赦しを請うたが、非情な鞭の雨は止まなかった。
 腕に軽い疲労を覚えた明日香が、ようやく鞭打ちを止めた時、浩志の体中には赤い条痕が無数に刻み込まれていた。明日香は一本鞭を床に放り、息も絶え絶えで床に横倒しになっている浩志を足蹴にして、仰向けにし、彼の顔面に座り込んだ。
「男奴隷をお仕置きして疲れちゃったから、ちょっと一服するわ…その間、お前は私の臭いをよく嗅いで、覚えておくのよ!」
 明日香は、自分の股間を浩志の鼻と口に押し付けて、恥辱の命令を下した。白色パンティの布越しに呼吸するしかない浩志は、股間の饐えた臭いを嫌でも吸い込むようになり、その強い臭いで頭がクラクラした。
 浩志を鞭打って興奮したためか、白色パンティのクロッチ部分の染みは広がり、濃くなっていた。清楚なタイプの明日香だが、その臭いの強さは、妖艶なタイプの京香に優るとも劣らなかった。
 明日香は、しばらく浩志の顔面で腰を揺らして楽しんでいたが、不意に立ち上がると、彼に正座するよう命じた。体中を鞭打たれて体が引きつり、満足に動けない浩志だったが、呻き声を漏らしながら、何とか体を動かして、明日香の足元に正座した。
 何の恥ずかしげも無く、浩志の目前で白色パンティを脱いだ明日香は、パンティを裏返し、染みのあるクロッチ部分が浩志の鼻と口に当たるように調整して、彼の顔面にパンティを被せた。
「うふふ、よく似合っているわよ。如何にも、変態マゾの男奴隷らしい格好だわ…さあ、今からオナニーしながら、男奴隷の誓いの言葉を述べなさい!“私は生涯、明日香様に絶対服従する男奴隷になります。私は、存在全てが、明日香様の所有物です。明日香様に、ほんの少しでも逆らったら、どんなお仕置きでも甘んじて受けます”ってね!」
 浩志は、明日香の臭いを嗅がされたためか、いつの間にか硬く屹立していた股間のものを握り、しごき始めながら、誓いの言葉を口にした。
「わ、綿足は生涯、明日香様に…絶対服従する奴隷になります…私は、存在全てが…」
 明日香の蔑んだ視線を浴びながら、染み付きパンティの臭いを嗅がされ、オナニーしながら、奴隷の誓いを述べさせられるのは、いくらマゾの浩志でも、かなり応えた。しかし、常人にはとても耐えられない、この屈辱と恥辱が浩志にめくるめくような快感を与えてもいた。硬さを増した股間のものをしごく浩志の手が、自然に速く動き、もう少しで果てそうになった。
その時、明日香から、声が掛かった。
「男奴隷、手を放して、両手を頭につけなさい!」
 後一歩で射精を迎えそうだった浩志は、吐息を漏らして、硬くそそり立った股間のものから手を放し、両手を頭にやった。明日香は、床から一本鞭を拾い、
「男奴隷、お前は今、私の許しも無しに、勝手に射精しようとしたわね…男奴隷に、射精の自由なんか無いのよ!」
と言い放って、手加減してではあるが、浩志の硬く屹立しているものを鞭打った。
「ぎゃあぁーっ」
 股間のものを叩き潰され、引きちぎられた様な激痛に、浩志は両手で股間を押さえ、絶叫を上げて床に転げ、悶え苦しんだ。明日香は、顔を歪めて苦しんでいる浩志を、足蹴にして罵った。
「何よ、大袈裟に痛がるんじゃないわよ!痛がる振りして、本当は気持ちよかったんでしょう。床に撒き散らした、この汚い液は、何なの!」
 浩志は明日香に指摘され、初めて自分が射精したのに気がついた。明日香は、浩志の頭を蹴って、命令した。
「男奴隷の分際で、床をこんなに汚して…自分が汚したものは、自分で舐め取って、きれいにおし!」
「はい、明日香様…」
 浩志はよろよろと這いつくばり、床の精液を舐め始めた。精液の生臭い味と、床のざらついた埃の感触が、京香から受けた調教の日々を思い出させ、浩志に惨めさと懐かしさを同時に味わせた。
 床の精液を全て舐め取った浩志に、仁王立ちで見張っていた明日香は、新たな命令を下した。
「男奴隷、自分だけ気持ちよくなるんじゃなくて、お前の舌で、私も気持ちよくさせなさい!」
 浩志は、白色ブラジャーだけを身に着けた、何とも艶かしい明日香の美しい裸体を、床から仰ぎ見て、ある種の感動を覚えた。明日香は椅子に浅く腰掛け、脚を開いて、浩志を手招きした。にじり寄った浩志は、濃い繁みの中の、濡れそぼった赤く妖しい陰唇に吸い寄せられるように、顔を近づけた。ふと、自分が、食べられると分かっていて、魅惑的な食虫植物の花弁に引き寄せられる、哀れな虫けらの様に思えた。
「「早くお舐め、男奴隷!」
 明日香は、両手で浩志の髪を掴んで引き寄せ、彼の口を自分の陰唇に押し付けた。浩志は、臭いのきつい淫液に咽そうになりながらも、舌を伸ばし、必死に動かした。彼は一瞬、自分が始めて京香に舌奉仕した日を、思い浮かべた。
 浩志を虐待した明日香は、既に十分興奮しており、若くて感度も良いせいもあって、あっけなく絶頂に達した。彼女は仰け反りながら、浩志の顔面を強く陰部に押し付け、たくましい太腿で彼の頭をきつく挟み込んで、余韻を楽しんだ。
 鼻と口を明日香の秘肉に密着され、呼吸の出来ない浩志が、このままでは窒息してしまうと、もがき苦しみ出した時、明日香はすっくと立ち上がった。いったん、明日香の股間から解放された浩志は、ゼイゼイと荒い息をしていたが、直ぐ彼女の髪を掴まれ、再び顔面を彼女の陰部に引き寄せられた。
「男奴隷、舌の動きは、悪くなかったわよ。さすがは、姉さん仕込ね…ご褒美と奴隷の契りに、私のおしっこを飲ませてあげるわ。こぼしでもしたら、鞭で睾丸を叩き潰してやるからね!大きく、口をお開け!」
 あの時と同じだ…浩志は、京香から初めて尿を飲まされた日を思い浮かべながら、口を大きく開いた。明日香は、一瞬陰唇を震わせると、勢いよく排尿した。一滴もこぼすまいと、浩志は喉を上下させ、迸る尿を必死に飲み下した。尿の強いアンモニア臭が喉を焼き、浩志は、これで明日香の奴隷に落とされたのだと、身を持って実感した。
 明日香が長い排尿を終え、何とかこぼさずに飲めた浩志は、ほっと安堵した。すると、明日香は一旦浩志の顔面を陰部から引き離し、目から火花が散る程の激しい往復ビンタを喰らわせた。
「ひいぃっ」
 明日香は、情けない悲鳴を漏らした浩志を、厳しく叱りつけた。
「男奴隷、何をぼんやりしているの!おしっこを飲ませてもらった後は、いちいち言われなくても、舐めてきれいに後始末おし!」
 浩志は再度、顔面を明日香の陰部に引き寄せられた。明日香に怒鳴られた浩志は、慌てて舌を伸ばし、尿に塗れた彼女の陰部を、ペロペロと舐め始めた。明日香は、自分の陰部を一生懸命舐めている浩志を、満足そうに見下して、話し掛けた。
「男奴隷、私は明日にでも、学生寮からこのマンションに引っ越すわ。お前は私と一緒に暮らし、常に私の身の回りの世話をして、尽くしなさい。お前は、仕事に行く時と、私が大学に行く時以外は、いつも私に虐められるのよ。お前の悲鳴が、私の生活のBGMになるわ。変態マゾのお前には、楽しみでしょう…それと、週末には一緒に、姉さんの墓参りに行くからね。
姉さんの墓前で、ちゃんと自分が私の男奴隷になった事を、報告するのよ。これから、お前をどう調教してやろうかと、ワクワクするわ。オホホホ…」
 明日香の陰部を舐め続けている浩志は、彼女の嘲るよな笑い声を聞きながら、自分が京香の奴隷から、明日香の奴隷に移された事を、思い知らされた。そして、この日を境に、あれ程悩まされていた頭痛は消え去り、二度と再発する事は無かった。

(終)