投 稿 小 説 |
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実 験(心理・続編) | ||||||||||||||||||
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大学四年生の三浦浩明は、アパートの自室で頭を抱えていた。卒論を無事に提出し終わり、一息ついていた彼は学生課に呼ばれ、卒業するのに単位が足りないと告げられたのだ。それも、必須科目ではないスペイン文学の、たった一単位だけだった。浩明は早速、スペイン文学担当の橋口教授の研究室に赴き、必死に泣きついたが、 「何とか単位を出して、卒業させて欲しいだと?君は、本当に大学を舐めているな!遊び惚けて学業を疎かにした報いで、完全に自業自得だろう。そんなに単位が欲しければ、卒業を半年伸ばし、講義にちゃんと出席して、真面目に勉強したまえ!」 とけんもほろろに断られて、研究室を追い出されてしまった。 浩明が大学の講義への出席率が悪かったのは、別に遊び惚けている訳ではなかった。彼の実家はお世辞にも裕福とは言えず、仕送りも極端に少なかったため、奨学金といくつかのアルバイトの掛け持ちで、何とか授業料と大学生活の費用を工面していたのだ。それでも努力家の浩明は試験勉強に集中して頑張り、成績は常に上位をキープして、この就職難の時代に財閥系大企業の内定を勝ち取っていた。 痩せ型で上背があり、整った顔立ちをしている浩明には、小沢早紀という同じ大学の恋人がいた。早紀は浩明と同じ心理学ゼミの同級生で、彼女は担当教授である吉田裕司の紹介により、政治家や大企業役員等のVⅠPが利用するホテルの様な高級保養所に職員として就職が決まっていた。浩明と早紀は、大学卒業後に浩明が仕事に馴染んで、生活の目途が立ったら結婚しようと、二人で約束していた。 早紀は目がぱっちりと大きいナイスバディの美人で、性格も明るくて社交的で優しく、浩明は彼女にぞっこん惚れ込んでいた。早紀も浩明を真剣に愛しており相思相愛で、正にお似合いのカップルだった。浩明が勉強と就職活動に頑張ったのも、早紀と一緒になりたいとの強い思いがあったからだ。しかし、このままでは卒業出来ず、大企業の内定が取り消しになり、早紀との結婚が出来なくなってしまう。橋口教授の言う通りに卒業を半年伸ばしたとしても、結果は同じだ。 一体どうしたらいいのだろう…浩明が思い悩んでいると、その恋人の早紀が彼の部屋を訪ねて来た。 「浩明さん、どうかしたの?」 浩明の苦悩している様子を見た早紀は、心配そうに尋ねた。浩明が事情を説明すると、早紀も難しい表情になったが、 「とりあえず明日、ゼミの吉田教授に相談してみましょうよ…吉田教授だったら、何とか力になってくれるかもしれないわ」 と提案した。吉田教授に相談しても大して意味は無いと、浩明は内心思ったが、ダメ元で早紀の言う通りにしてみることにした。 翌日、浩明と早紀は吉田教授の研究室を訪れ、足りない単位について相談した。今年56歳になる心理学教授の吉田裕司は、浩明の話を聞き、彫りの深い端正な顔を少し歪ませた。 「ふむ、三浦君はバイトに励まざるを得ない苦学生なので、出席率が芳しくないのは、私も知っている…ただ、三浦君の事情を説明しても、厳格で気難しい橋口教授は、単位を出さないだろうね」 浩明は吉田教授の返事を聞いて、がっくりと肩を落とした。やっぱり、無駄だったか…だが、席を立とうと思った浩明に、吉田教授は意外な事を言った。 「しかし、私は橋口教授と、個人的に深い付き合いがある…些か公私混同になるが、私が頼み込めば、何とかなるかもしれない」 浩明と早紀は顔を輝かせ、二人は殆ど同時に懇願した。 「吉田教授、是非お願いします!卒業と就職が掛かっているんです!」 「私からも、口添えをお願いします!私達二人の将来が掛かっているんです!」 吉田教授は少し苦笑いを浮かべて、答えた。 「心理学ゼミの担当教授として、勿論ゼミ生二人の力になろう…ただ、私からもお願いがある」 「どんな事でしょうか?何でもします、何でも言いつけて下さい!」 勢い込んで言った浩明に、吉田教授は冷静な声で諭すように告げた。 「私が橋口教授に頼んで、三浦君の単位が何とかなったなら、三浦君と小沢さんの二人で、私の心理実験に協力してもらいたいんだよ。この実験は、被験者に約10日間の拘束を負わせることになるから、卒業論文を提出し終わって時間に余裕のある君達二人が適任なんだ…どうかな?」 浩明と早紀は、一瞬互いに顔を見合わせたが、 「はい、やります…いえ、させて戴きます」 「私も、喜んで協力させて戴きます」 と即答した。吉田教授は嬉しそうに微笑み、 「ありがとう…それでは、私は橋口教授にお願いしに行こう。二人はここで、ちょっと待っていてくれ」 と言って、席を立った。 浩明と早紀は落ち着きの無い様子でしばらく椅子に座っていたが、5分後に浩明のスマホが鳴った。浩明が出ると、吉田教授から二人共直ぐに橋口教授の研究室に来るよう言われた。浩明と早紀は、急いで橋口教授の研究室に向かった。 二人が橋口教授の研究室に入ると、橋口教授はデスクに着き、傍に吉田教授が立っていた。橋口教授は浩明をジロリと睨むと、 「吉田教授から、君の事情は聞いた…三日以内に、スペインの作家であるセルバンテスの小説“ドン・キホーテ”について、この作品が生まれた時代背景と登場人物の設定についての考察を、30ページのレポートにまとめて提出したまえ。それが出来たら、単位を出そう」 と告げた。浩明は深々と頭を下げ、 「ありがとうございます。直ぐに提出します」 と礼を述べた。しかし、橋口教授は浩明に、 「言っておくが、レポートの提出は三日の期限を過ぎたら、勿論駄目だぞ。それと、もう一つ…吉田教授が行う心理実験の被験者になるそうだが、途中で投げ出したり辞めたりして、心理実験を台無しにしたら、絶対に単位は出さんからな!それだけは、心に留めておきたまえ」 と厳しい口調で言い放った。浩明は少し慌てた口調で、 「は、はい、心理実験を途中で辞めることは、絶対にしません!」 と言い切った。橋口教授は眼鏡を掛け直し、机の上の書類を引き寄せて、しかめっ面で見ながら、 「いつまでもぼうっと立ってないで、早く戻ってレポートを作成したまえ」 と浩明に告げた。吉田教授も、 「さあ二人共、橋口教授の邪魔をしないように、おいとましよう」 と浩明と早紀を促し、二人を連れ立って自分の研究室に向かった。研究室に戻ると、吉田教授は浩明に、 「それでは、三浦君、早速課題のレポートを作成して、橋口教授に提出してくれ。心理実験の具体的な説明は、三浦君がレポートを提出してからにしよう」 と言って、二人を解放した。研究室を出た浩明は、 「僕は、徹夜してでも今日中にレポートを作成して、明日朝一番に橋口教授へ提出するよ…忙しくなるから、とりあえず今日はここで別れよう。レポートの提出が済んだら、直ぐに連絡するよ」 と早紀に言い、大学の図書館に直行した。浩明は“ドン・キホーテ”の書籍を借り出してアパートに戻ると、本をめくりながらスマホで関係資料を検索し、レポートを作成し始めた。焦っている浩明は、レポートを途中まで作成して、読み直しては破棄するといった作業を何度も繰り返し、深夜の午前3時頃にようやく30ページのレポートを完成させた。 浩明はベッドに潜り込んで、短い睡眠を取った後、午前9時頃に大学へ向かい、まず図書館で借りた本を返却した。それから、橋口教授の研究室に行って、レポートを提出した。橋口教授は、受け取ったレポートにざっと目を通し、 「よく、一日でこれだけのレポートを作成したね。その集中力を使って、ちゃんと講義に出席して勉強すれば、単位を落とさなかったのにな…まあ、いい。単位については、吉田教授の心理実験が終了した後に出そう。早速、吉田教授の研究室に行って、実験の説明を受けたまえ」 と浩明に告げた。 「どうも、ありがとうございます。直ぐ、吉田教授の所に行きます」 と浩明は礼を述べて、橋口教授の研究室を出て行った。浩明は、吉田教授の研究室に向かいながら、スマホで早紀に連絡を取り、無事にレポートを提出した事と、今から心理実験の説明を受けるので、吉田教授の研究室へ一緒に来て欲しい旨を伝えた。 浩明が吉田教授の研究室に入ると、早紀は既に部屋にいて、椅子に座っていた。浩明から電話をもらった時、たまたま近くにいたと早紀は説明した。吉田教授は、浩明に椅子を勧め、 「橋口教授の課題レポートを、一日で仕上げて提出するなんて、三浦君は大したものだね…それでは、二人に心理実験の詳しい内容を説明しよう」 と言って、心理実験の内容を話し始めた。 吉田教授の説明を聞いていた浩明は、段々と憂鬱な顔になっていった。吉田教授の心理実験とは、大学から少し離れた所にある精神病院の施設を借り、浩明が囚人役、早紀が看守役となる。囚人役は、看守役に絶対服従し、看守役の指示命令には必ず従わなければならない。反抗したり、指示命令通りに行動しなかったりすると、看守役から厳しい懲罰を受ける。それを鉄格子の部屋に泊まり込みで10日間続け、囚人役と看守役の心情及び行動パターンがどのように変化するのかを観察すると言う、いわゆる監獄実験だった。 「鉄格子の中で、10日間も生活するんですか…ちょっと、ハードですね」 「あの…私に、看守役が務まるんでしょうか…」 浩明と早紀は、それぞれ不安を口にした。吉田教授は微笑んで、 「だから、卒業論文を提出し終わって、時間的に余裕がある君達にしか、頼めないんだよ…小沢さん、看守役については、特別に私の妻が補助について、色々と指導してくれる。妻はこの大学のOGで、同じ心理学を専攻していたから、心配は要らないよ」 と答えた。 浩明は、本当は断りたかったが、吉田教授の心理実験を台無しにしたら、単位は出さないと、橋口教授からきつく言われている。無事に卒業して就職するために、断る訳にはいかなかった。早紀も気が進まなかったが、愛する浩明の卒業と就職、それに将来の二人の結婚が掛かっているので、とても断れなかった。 「分かりました…吉田教授には単位の件で、大変お世話になりましたので、喜んで引き受けさせて戴きます」 「私も浩明さん…いえ、三浦君の手助けになるのなら、喜んで協力します」 浩明と早紀の承諾を聞いた吉田教授は、満面の笑みを浮かべ、 「ありがとう、二人共引き受けてくれて、とても助かるよ…それでは早速、明日の朝8時に大学の正門前へ来てくれ。囚人役と看守役の衣装と生活必需品はこちらで用意するので、二人は替えの下着と洗面道具だけを用意してもらえばいいからね…それじゃ、お願いするよ」 と言って、二人を解放した。吉田教授の研究室を出てから、浩明は早紀に、 「早紀さん、ごめんね…僕が単位を取り損ねたせいで、早紀さんにも迷惑を掛けて…」 と申し訳なさそうに言った。早紀は首を横に振り、 「何言ってるのよ、全然迷惑じゃないわ…逆に、浩明さんの助けになれるから、嬉しいくらいよ。私に遠慮なんかしないで」 と笑顔で答えて、浩明の腕に自分の腕を絡ませた。浩明は早紀と腕を組んだまま、大学の出口に向かいながら、彼女と一緒になるために、絶対に吉田教授の心理実験を完遂して、単位を勝ち取ってみせると、自分に誓った。 翌日、手荷物を持った浩明と早紀が、大学正門付近で立っていると、午前8時ピッタリに車が二人の傍に停まった。車から降りた吉田教授は、 「お早う。二人共、時間に正確だね…じゃあ、車に乗ってくれ。妻は、既に病院へ行っているから」 と言って、二人を後部座席に乗せた。吉田教授が車を15分程走らせると、心理実験に協力してくれるという広い精神病院に着いた。吉田教授は恰幅の良い病院長に簡単に挨拶すると、病院敷地内にある鉄筋コンクリートの建物に浩明と早紀を連れて行った。その建物の出入り口付近に、紺色ワンピース姿の中年女性が立っていた。吉田教授は、その女性を二人に紹介した。 「こちらは私の妻で、看守役の小沢さんを指導する吉田聡美だ。今年で、51歳になる。小沢さんは、聡美に何でも遠慮無く尋ねてくれ」 吉田教授は、妻は今年で51歳になると言ったが、紺色の上品なワンピースを着こなして、綺麗な顔立ちをしている聡美夫人は、一見30代終わり位に見える、いわゆる美魔女タイプの美人だった。ワンピース越しでも、胸の大きいグラマーな体型であるのが窺えた。 「ちょっと裕司さん、いちいち年を言わなくてもいいでしょう…あっと、失礼しました。私は吉田の妻で、聡美と申します。今回は主人の心理実験に協力して戴き、誠にありがとうございます。本日から10日間、よろしくお願いしますね」 魅惑的な笑顔を浮かべた聡美夫人はそう言って、浩明と早紀に頭を下げた。浩明は、聡美夫人の成熟した女性の美しさにドギマギしながらも、 「あっ、いえ、こちらこそ、吉田教授には大変お世話になって、本当にありがとうございます。僕は、三浦浩明と申します。微力ながら、心理実験のお手伝いをさせて戴きます」 と挨拶を返して、深々と頭を下げた。聡美夫人の美貌に見惚れた浩明の様子を、早紀は横目でチラリと睨みながらも、 「私は看守役を務める、小沢早紀です…よろしくお願いします」 と挨拶して、頭を下げた。吉田教授は、 「それじゃ、心理実験実施の詳細については、妻から聞いてくれ。私は大学の講義に戻らなければならないから、後はよろしく」 と浩明と早紀に言い残し、その場を立ち去った。 聡美夫人は浩明と早紀に、 「じゃあ、お二人は私について来て下さい」 と言って、鉄筋コンクリートの建物に入って行った。浩明と早紀が聡美夫人について行くと、ドアが二つある廊下に着いた。聡美夫人はそれぞれのドアを指差し、 「三浦さんはこちら、小沢さんはこちらのロッカールームで、それぞれの衣装に着替えて下さい…三浦さんは、下着は一切着けないで、素肌に直接囚人服を着て、裸足になって下さいね」 と指示した。浩明は男性用ロッカールームに入り、早紀は聡美夫人と一緒に女性用ロッカールームに入った。浩明が男性用ロッカールームに入ると、床に置かれた籠に薄いパジャマみたいな木綿の灰色囚人服があった。浩明は、聡美夫人に言われた通り、着ていた服と下着を全部脱ぎ、一旦素っ裸になって、ペラペラの灰色囚人服を着た。それから裸足で廊下に出て、聡美夫人と早紀が出て来るのを待った。 聡美夫人と早紀は、女性用ロッカールームからなかなか出て来なかったので、 (全く…女の着替えや身支度は、本当に時間が掛かる) と浩明は思いながら、苛立たしそうに廊下で待っていた。 ようやく女性用ロッカールームの扉が開き、早紀と聡美夫人が廊下に出て来た。浩明は二人の姿を見て、驚きで目を見開いた。 聡美夫人は、長い髪を後ろに束ねたポニーテールで、紺色ジャケットと乗馬用白色キュロットに黒光りする乗馬用ブーツを履いており、黒色革ベルトには、鍵を何本か付けたキーホルダーを吊り下げていた。美しく上品な聡美夫人には、乗馬服が上背のあるグラマーな体型に実に似合っていて、まるでモデルのようだった。 早紀も髪型はポニーテールにして、髑髏のマークが付いたナチス親衛隊の黒い制帽を被り、ナチス親衛隊の黒色軍服を着て、聡美夫人と同じ乗馬用白色キュロットに本革の黒色ニーハイブーツを履いていた。黒色革ベルトの銀色バックルには、ナチスの鉤十字が刻印されている。二人共、見る人にきつい印象を与えるメイクをしており、浩明は二人の前に立つだけで気後れした。 「三浦さん、お待たせして、ごめんなさいね。衣装に合わせた化粧をしていて、時間が掛かっちゃったの。小沢さんの衣装は、映画会社から特別に借りてきたのよ…どう、小沢さんの軍服姿は似合っているかしら?」
と指示した。早紀は少し憂鬱そうな顔をしたが、 「はい、分かりました…心理実験が成功するように、精一杯努力します」 としっかりした口調で答えた。満足そうに頷いた聡美夫人は、 「それでは、ただ今から心理実験を開始します…Ⅿ1号、床に正坐しなさい!」 と急に厳しい口調になって、浩明に命令した。いきなり命令された浩明は戸惑い、 「えっ?あっ…は、はい…」 としどろもどろに返事をして、のろのろとコンクリートの床に正坐した。すると、聡美夫人は目を吊り上げ、 「Ⅿ1号、その返事と、もたもたした態度は何よ!看守様を舐めているの!?懲罰だよ!」 と怒鳴り、正坐した浩明の頬にいきなり力強い平手打ちを見舞った。 「ひぃっ」 不意にビンタを張られた浩明は、短い悲鳴を漏らして、打たれた頬を手で押さえた。正坐している浩明は顔を上げ、思わず聡美夫人に、 「な、何するんですか!?」 と大声で抗議した。すると、怒った顔をした聡美夫人は、浩明のまだ打たれていない側の頬を、思い切り平手打ちした。 「あひぃっ」 悲鳴を上げた浩明に、聡美夫人は、 「お黙り!何よ、その口の利き方は!私が今、懲罰だと言ったでしょう。お前は自分が囚人だってことを、もう忘れたの?さっきも言ったけど、看守からの懲罰に不満を言ったり反抗したりしたら、心理実験は即中止よ。そうなったら、単位はもらえずに、卒業も就職も出来なくなるわね…それでもいいのかい!?」 ときつい口調で言い放った。男の自分が女にビンタを張られた屈辱で、浩明は下唇を噛み身震いしたが、単位が掛かっているので、聡美夫人に逆らう訳にはいかなかった。浩明は、はらわたが煮えくり返るような怒りと屈辱を必死に押し殺し、 「…どうも、申し訳ありません。以後、気を付けます」 と何とか震えた声を絞り出して、聡美夫人に詫びを言った。しかし、聡美夫人は鼻で笑い、 「ふんっ、お前の謝罪は、口先だけで全然心がこもってないのが、一目瞭然ね」 と嘲るように言った。聡美夫人は、早紀の方に向き、 「小沢さん…いえ、早紀さん、あなたもこの生意気で反抗的な囚人に、厳しく平手打ちして、懲罰してやって」 と指示した。早紀は戸惑った表情を浮かべ、 「えっ?私が、浩明さんにですか…?」 と聡美夫人に尋ねた。聡美夫人は険しい顔をして、 「早紀さん、囚人は名前じゃなく、“Ⅿ1号”と番号で呼びなさい…それと、あなたも厳格な看守になりきらなければ、心理実験は中止になるのよ。そうなれば、恋人の三浦さんは卒業も就職も出来ず、お二人の将来が台無しになるわ。だから、心を鬼にして恋人の甘えを捨てて、この囚人にしっかりと往復ビンタをして懲罰し、看守の自覚を持って頂戴」 と早紀に厳しく指導した。 早紀は泣きそうに顔を歪めたが、それでも勇気を振り絞って、正坐している浩明に往復ビンタを張った。しかし、それはペチャペチャとした音の、力の無いビンタだった。聡美夫人は眉をひそめ、 「早紀さん、少し真面目にやって!それじゃ、全然懲罰にならないわ。一切手加減せず、思い切り平手打ちしなきゃ、駄目じゃないの…ちゃんと、やり直して!この程度の事が出来なければ、心理実験は中止よ」 と早紀にきつく注意した。早紀は、本当に泣き出しそうになったが、それでも浩明の卒業と就職が掛かっていると自分に言い聞かせ、右手を振り上げて、浩明の両頬に力強い往復ビンタを張った。 「ひいぃっ」 目が眩む程の往復ビンタを受けた浩明の口から、情けない悲鳴が漏れた。両頬が腫れ上がる程の痛みと、恋人である早紀に平手打ちされた屈辱で、浩明の目に涙が浮かんで来た。しかし、聡美夫人は屈辱に苛まれている浩明に、更に追い打ちを掛けた。 「Ⅿ1号、懲罰を受けた後は、看守様に土下座してお礼を言いなさい!」 浩明は、あまりの屈辱に体が震えたが、それでも早紀の足元で土下座し、 「…看守様、懲罰して戴き、ありがとうございます」 と口惜しさを押し殺した震え声で礼を述べた。聡美夫人は、土下座している浩明の後頭部に乗馬用ブーツの靴底を乗せて、ぐりぐりと踏みにじり、 「Ⅿ1号、その殊勝な態度を忘れるんじゃないわよ!ほんの少しでも横着な態度を取ったら、即懲罰だからね!」 と傲慢に言い放った。後頭部を踏まれ、額を強く床に押し付けられた痛みに苦しんでいる浩明は、 「は、はい…分かりました、看守様…」 と聡美夫人の乗馬用ブーツ靴底から、苦し気な声で何とか返事をした。聡美夫人は、浩明の頭から乗馬用ブーツを外すと、 「Ⅿ1号、顔をお上げ!」 と命じた。浩明が上体を起こすと、聡美夫人は、 「お前に往復ビンタの懲罰をして下さった、こちらの看守様に改めてお礼を述べてから、許可を得てブーツに感謝のキスをさせて戴きなさい!」 と更に酷い命令をした。浩明は、あまりの情けなさに涙が出そうになったが、聡美の足元に再度土下座し、 「看守様、懲罰をありがとうございます…看守様のブーツに、感謝のキスをお許し下さい…」 と泣きそうな声でお願いをした。聡美夫人は、 「さあ、早紀さん、ブーツを囚人の顔に突き出して」
と叱りつけた。浩明は、口惜しさと屈辱に身震いしたが、それでも囚人服の上衣を脱ぎ、それで早紀のニーハイブーツを拭き始めた。 「ふんっ、先に“私の汚らしい囚人服で、看守様のブーツを拭かせて下さいませ”とお願いしてから、拭くべきなのに…囚人としての躾がまだまだ必要みたいね」 聡美夫人の蔑んだ口調に、浩明は鼻の奥が熱くなり、目に涙が浮かんできた。それでも浩明は下唇を噛み締めて泣くのを堪え、早紀のニーハイブーツを拭くことに集中した。 浩明が早紀のニーハイブーツを拭き終わり、聡美夫人の方に顔を向け、 「看守様、ブーツを拭きました…」 と言うと、彼女は、 「ついでに、その囚人服で、看守様のブーツを磨かせて戴きなさい…ちゃんと、看守様にお願いしてからね!」 と命じた。正坐している浩明は、一瞬嫌そうに顔を歪めたが、早紀の顔を見上げ、 「看守様…看守様のブーツを磨かせて下さいませ…」 とお願いして、彼女のニーハイブーツを囚人服上衣で磨き始めた。男の自分が女の、しかも恋人のブーツを跪いて磨くなんて、プライドの高い浩明にとっては、耐え難い屈辱だった。しかし、卒業と就職が掛かっていると自分に言い聞かせて、黙々と早紀のニーハイブーツを磨き続けた。 一方、ひれ伏して自分のニーハイブーツを磨いている、卑屈な態度の浩明を見下ろしている早紀には、自分でも困惑する感情が又も湧き起こっていた。それは、恋人の浩明に唾を吐き掛けてやりたいという強い侮蔑感と、背中がぞくぞくする程に気持ちいい優越感で、もっと浩明を貶めて屈辱を味わせ、足元に這いつくばらせて、自分の優位性を示したい…というものだった。早紀は、先程と同じく首を小さく振って、何とかその考えを打ち消した。 浩明は、早紀のニーハイブーツを両方磨き終わり、聡美夫人の方に顔を向け、 「看守様、ブーツを磨きました…」 と報告した。すると、聡美夫人は邪悪な笑みを浮かべ、 「そう、それなら私のブーツも磨いてもらおうかしら…ほら、さっさとお磨き!」 と言って、乗馬用ブーツを履いた脚を突き出した。浩明は、口惜しさで顔を紅潮させたが、 「はい、看守様…」 と答えて、聡美夫人の乗馬用ブーツを磨き始めた。聡美夫人は、ブーツを磨いている浩明を見下しながら、 「Ⅿ1号、さっきは私達を“看守様”と呼ぶようにと言ったけど、私達のどちらに向かって言ったのか、はっきり分かるように今後は“早紀様”“聡美様”と名前で呼ぶようにおし!」 と指示した。浩明は、聡美夫人の乗馬用ブーツを磨きながら、 「はい、分かりました、看守…いえ、聡美様」 と屈辱を押し殺した震え声で答えた。浩明はもう何も考えずに、聡美夫人の乗馬用ブーツを磨くことに専念した。そんな浩明の惨めな姿を見下ろしている早紀は、次々と湧き上がる嗜虐的な考えを懸命に打ち消していた。 浩明が聡美夫人の乗馬用ブーツを磨き終わると、彼女は、 「Ⅿ1号、お前の囚人服を見せてご覧」 と言って、浩明がブーツ磨きに使った囚人服上衣を差し出させた。聡美夫人は、靴墨ですっかり黒くなった囚人服を拡げて、 「こんなに汚れては、着られないわね…ここは空調が効いているから、服を着なくても平気でしょう」 と言い、その囚人服を廊下に放り投げた。そして、上半身裸の浩明に、 「Ⅿ1号、気を付け!」 と号令を掛けた。浩明は慌てて立ち上がり、直立不動の姿勢を取った。浩明がキビキビと動くのを見て、満足そうに微笑んだ聡美夫人は、 「早紀さん、ちょっと道具を取りにいきましょう」 と早紀を促し、鉄格子の部屋を一旦出た。それから、すぐ傍の廊下突き当りに置いてあるロッカーの扉を開け、乗馬鞭を二本取り出し、 「やっぱり、鞭を手にしてないと、看守としてサマにならないからね」 と言って、一本を早紀に手渡した。 上半身裸で気を付けしている浩明は、鉄格子の部屋に戻った二人が乗馬鞭を手にしているのを見て、恐怖を感じた。聡美夫人は、右手に持った乗馬鞭で自分の左手の平をペチペチと叩きながら、 「Ⅿ1号、今から入獄に際しての身体検査をするわよ…両手を上げバンザイして、口を大きく開きなさい!」 と浩明に命じた。浩明が命じられた通りにすると、まず聡美夫人は彼の開いた口を覗いて、 「ふむ、虫歯は無いようね…」 と呟いた。それから、上半身裸で両手を上げている浩明の身体を一回りし、 「特に目立った外傷は無いわね…Ⅿ1号、両手を下げていいわよ」 と言って、浩明に両手を下げさせ、気を付けの姿勢に戻させた。浩明は一瞬ほっとしたが、次に聡美夫人は酷い命令を下した。 「Ⅿ1号、下半身を検査するから、囚人服のズボンを脱ぎなさい」 聡美夫人の指示により、下着無しで囚人服を着ていたので、囚人服の下衣を脱いだら全裸になってしまう。さすがに躊躇った浩明が、 「えっ…それは、ちょっと…」 と思わず口にすると、聡美夫人の右手が一閃し、彼の胸に乗馬鞭が叩きつけられた。 「あひぃっ」 焼け火箸を押し付けられたような強烈な痛みに、浩明は悲鳴を上げてうずくまった。浩明の胸に、一筋の赤い条痕が見る見る浮かび上がった。聡美夫人は、 「従わなかったら懲罰だと、あれ程言っておいたでしょう!さっさとお脱ぎ!それとも、まだ鞭が欲しいの!?」 と浩明を怒鳴りつけ、乗馬鞭を持った右手を振り上げた。浩明は慌てて、 「も、申し訳ありません、直ぐ脱ぎます…」 と返事をし、急いで囚人服の下衣を脱いだ。全裸のフリチン姿になった浩明は、恥ずかしくて直ぐに両手で股間部分を覆い隠した。すると、聡美夫人は浩明の手を乗馬鞭で素早く打ち据え、彼に又も悲鳴を上げさせた。浩明の手の甲にも、赤い条痕が刻み込まれた。 「囚人の分際で、勝手に動くんじゃないわよ!両手は頭にやって、足を肩幅に開き、腰を突き出しなさい!」 「は、はい…」 聡美夫人に厳しい口調で高圧的に命令をされた浩明は、こんな酷い心理実験なんか放り出して、逃げ出したくなった。しかし、卒業と就職、それに早紀との結婚が掛かっていると自分に言い聞かせ、聡美夫人に命じられた通りの、男として普通なら耐えられない屈辱的な姿勢を取った。 聡美夫人は、腰を突き出している浩明の股間のものを乗馬鞭の先端で掬い上げ、顔を近づけてじっくりと見分した。浩明は、聡美夫人と傍らで驚いたような表情を浮かべている早紀の視線を、股間陰部に痛い程感じ、恥ずかしくて顔から火が噴き出そうな程に赤面した。 「ふ~ん、別に性病等は患ってないようね…」 聡美夫人は独り言のように呟くと、次は浩明の背後に廻った。 「Ⅿ1号、お辞儀するように頭を下げて、お尻を突き出し、両手でお尻を拡げて、肛門を露出させなさい!」 聡美夫人のあまりにも酷く恥ずかしい命令に、浩明は一瞬拒否しようと思ったが、乗馬鞭の痛みに怯え、命じられた通りの恥辱的な姿勢を取った。聡美夫人は、浩明の前方に立っている早紀を手招きし、 「早紀さんもこっちに来て、一緒に確認して頂戴…囚人の汚い肛門なんて見たくもないでしょうけど、これも看守の任務よ」 と指示した。早紀は何とも言えない複雑な表情を浮かべて、浩明の背後に廻った。聡美夫人と早紀はしゃがんで、浩明の露出した肛門を見つめた。浩明は、人間の恥ずかしい箇所である肛門を二人の女性にじっくり見られ、度を越えた恥辱でこの世から消え去りたくなった。 「痔とかは無くて、きれいなピンク色の肛門ね…これで、この囚人の健康状態は大体確認出来たわ」 聡美夫人は、早紀に聞かせるように呟くと立ち上がって、浩明の突き出した尻を乗馬鞭の先端でつつき、 「Ⅿ1号、いつまでも汚いものを晒していないで、さっさと囚人服のズボンを穿きなさい!」 と理不尽さを感じさせる命令を下した。恥ずかしくて紅潮させた顔を、屈辱で泣きそうに歪めた浩明は、直ぐに囚人服の下衣を穿き、気を付けの姿勢に戻った。 「Ⅿ1号、私達が戻って来るまで、その姿勢を崩すんじゃないわよ…じゃあ、早紀さんは私と一緒に来て」 聡美夫人は、浩明に直立不動のままでいるよう命じると、早紀と一緒に鉄格子の部屋を出た。廊下に出た聡美夫人は、鉄格子の扉を閉めると、腰のキーホルダーから一本の鍵を選び、それで扉を施錠した。聡美夫人は、先程廊下に放り出した浩明の囚人服上衣を拾い上げると、早紀を促して一緒に歩き出した。聡美夫人と早紀が、廊下でカツンカツンとブーツの靴音を響かせながら遠ざかり、鉄格子の部屋に一人取り残されて、気を付けしている浩明は、憂鬱な顔で考え事をした。 心理実験が始まって、まだ30分位しか経っていないのに、心も身体も酷く痛めつけられて、浩明はすっかり嫌気がさしていた。しかし、この心理実験を止めたら、橋口教授から単位はもらえずに、卒業・就職・早紀との結婚が全て駄目になる。ここは、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、10日間の心理実験を完遂するしかないと、浩明は改めて自分自身に強く言い聞かせた。しかし、こんな酷い目に遭わされて、10日間を無事に乗り越えられるかどうか、浩明には全く自信が無く、不安で胸が押し潰されそうだった。 浩明があれこれ考えている内に、聡美夫人と早紀が、ブーツの靴音を響かせながら戻って来た。二人は乗馬鞭を腰のベルトに差し込み、聡美夫人は理髪店で使用するような髭剃りセット、聡美はホットタオルを何枚か入れた洗面器を持っていた。聡美夫人が鉄格子の扉を開錠し、二人が部屋に入って来た。 「Ⅿ1号、右手を高く上げなさい!」 聡美夫人の命令する声が部屋に響き、上半身裸で直立していた浩明は、直ぐに右手を上げた。聡美夫人は髭剃りセットのシャボンを刷毛で泡立てると、浩明の右脇に塗りたくった。それから、カミソリの刃を開き、浩明の腋毛を剃り始めた。聡美夫人は剃りながら、「衛生管理のために、囚人の体毛は剃っておかなければね…本当は髪の毛も全部ツルツルに剃って、スキンヘッドにするところだけど、今回は勘弁してあげるわ」 と言って、浩明をうんざりさせた。 聡美夫人は手際よく浩明の右の腋毛を剃り落とすと、早紀からホットタオルを受け取り、彼の右脇を拭いた。それから、聡美夫人は浩明に、 「右手を下げて、左手を上げなさい!」 と命じた。浩明が命じられた通りにすると、 「早紀さん、今度はあなたが剃ってみて」 と聡美夫人は早紀に声を掛けた。早紀は聡美夫人に倣って、浩明の左脇にシャボンの泡を塗り、カミソリを手にして腋毛を剃った。早紀が剃り終えた浩明の左脇をホットタオルで拭くと、聡美夫人は彼の左手を下ろさせて、気を付けの姿勢に戻した。 (いくら心理実験と言っても、囚人役の腋毛を剃るなんて、やり過ぎだろう…) 浩明は、心の中で不満を漏らしたが、剃毛は今からが本番だった。聡美夫人は浩明に、 「Ⅿ1号、囚人服のズボンを脱ぎなさい!」 と命じたのだ。 「えっ、どうして…?」 驚いた浩明が思わず尋ねると、聡美夫人はキッと目を吊り上げ、腰のベルトに差していた乗馬鞭をさっと引き抜いた。それを見た浩明は慌てて、 「は、はい、ただ今…」 と言って、大急ぎで囚人服の下衣を脱ぎ捨て、直立不動になった。聡美夫人は右手に持った乗馬鞭で、左の手の平をペチペチ叩きながら、 「Ⅿ1号、指示命令を受けたら、いちいち聞き返さないで、さっさと言われた通りに動きなさい!次に同じ真似をしたら、鞭が飛ぶわよ!」 と厳しい口調で注意した。それから、早紀に、 「早紀さん、次は下の毛を剃って頂戴!」 ときつい声で指示した。早紀は、恥ずかしそうに頬を赤らめながらも、 「はい、分かりました…」 と聡美夫人に返事をして、刷毛でシャボンを改めて泡立てた。早紀は、気を付けしている浩明の前でしゃがむと、彼の股間部分に泡を塗りたくり、カミソリで陰毛を剃り始めた。浩明は思わず腰を引きそうになったが、 「Ⅿ1号、動くんじゃないよ!動いたりしたら、お前の大事なところがちょん切れてしまうわよ!」 と聡美夫人から厳しく注意され、直立不動の姿勢に戻った。 浩明は、恋人の早紀に自分の陰毛を剃られる恥ずかしさと屈辱で、顔を泣きそうに歪めた。しゃがんでいる早紀は、ちらっと浩明の顔を見上げたが、直ぐに視線を彼の陰部に戻し、陰毛を剃り続けた。早紀は浩明の陰毛を剃りながら、彼をもっと辱めてやりたい、もっと屈辱で苦しめてやりたいといった、嗜虐的な感情が次から次へと湧き上がって来るのを、懸命に抑え込んでいた。 早紀が浩明の陰毛を剃り終わり、ホットタオルで彼の陰部を拭うと、 (ようやく終わった…) と浩明は内心ほっとした。しかし、聡美夫人からの辱めは、まだ終わらなかった。 「Ⅿ1号、回れ右して、その場に正坐しなさい!」 聡美夫人からの命令を受け、全裸の浩明は少し怪訝な表情を浮かべたが、直ぐに後ろ向きになり、しゃがんでコンクリートの床に正坐した。聡美夫人は浩明に、 「上体を倒して額を床に着け、足を肩幅に開いて膝を伸ばし、お尻を上に上げなさい!」 と続けて酷い命令を下した。浩明は一瞬躊躇ったが、聡美夫人の乗馬鞭が恐ろしく、命じられた通りの屈辱的な姿勢を取った。しかし、聡美夫人は更に、 「Ⅿ1号、上半身は頭で支え、両手で自分のお尻を開いて、肛門を露出させなさい!」 と恥辱的な命令を浩明にした。浩明は、あまりの屈辱に体を震わせたが、聡美夫人から乗馬鞭で打たれないためには、従うしかなかった。浩明は、泣く泣く命令通りに自分の両手で尻たぶを開き、肛門を露出させた。先程の身体検査と同じく、恥部である肛門に聡美夫人と早紀の視線を強く感じ、恥ずかしさのあまり死にたくなった。聡美夫人は早紀に、 「早紀さん、肛門周りの陰毛も、きれいさっぱりと剃り落として頂戴」 と指示した。早紀は頬を赤らめながらも、浩明の肛門付近に泡を塗り付け、カミソリを当てた。あまりの恥辱に、浩明は何もかも放り出して、この場から逃げたくなったが、聡美夫人から、 「Ⅿ1号、絶対に動くんじゃないわよ!下手に動いて、肛門がカミソリで傷つけられたら、排便で化膿して痔になってしまい、一生苦しむ羽目になるからね!」 と脅かすような注意を受けて、全く身動き出来なくなった。そして、恋人の早紀に恥ずかしい肛門を見つめられながら、カミソリでジョリジョリと陰毛を剃られる恥辱は、浩明のプライドをズタズタに引き裂き、彼の目から涙をこぼさせた。 浩明は耐え難い恥辱で顔を苦しそうに歪めていたが、カミソリを動かしている早紀は、彼とは対照的に無表情だった。早紀は、恥辱で苦しんでいる浩明の様子を楽しんでいる自分の内心に気づき、出来るだけ感情を押し殺そうとして、無表情になっていたのだった。早紀は浩明の陰毛を剃り終えると、ホットタオルで彼の肛門周りを拭い、立ち上がった。 聡美夫人は髭剃りセットを片付けて、早紀が使用したホットタオルを洗面器に入れると、聡美夫人は、 「Ⅿ1号、囚人服のズボンを穿き、こっちを向いて正坐おし!」 と肛門を晒している恥辱的な姿勢の浩明に命じた。浩明が命じられた通りに、一旦立ち上がって囚人服の下衣を穿き、コンクリートの床に正坐すると、聡美夫人は、 「お前の汚らしい陰毛を剃ってくれた早紀さんにお礼を言って、ブーツに感謝のキスをおし!」 と命令した。正坐している浩明は、屈辱で思わず身震いしたが、聡美夫人には逆らえずに、早紀の顔を見上げると、 「早紀様、私の陰毛を剃って戴き、ありがとうございます…」 と震え声で礼を述べ、彼女の足元にひれ伏して、ニーハイブーツのつま先にキスをした。浩明を見下ろしていた早紀は、彼が卑屈に自分のブーツにキスした瞬間、ぞくぞくするような優越感を感じ、思わず彼の頭を踏みにじりたい衝動に駆られた。 早紀のニーハイブーツにキスした浩明が、上体を起こして正坐の姿勢に戻ると、聡美夫人は、 「Ⅿ1号、ちょっと、そのまま待っていなさい」 と言って、髭剃りセットを手にし、早紀はホットタオルを入れた洗面器を持って、二人は鉄格子の部屋を出て行った。聡美夫人は閉じた鉄格子の扉に施錠し、早紀と廊下を歩き出した。二人のブーツの靴音が遠ざかるのを聞きながら、コンクリートの床に正坐している浩明は、聡美夫人と恋人の早紀に股間の恥ずかしい箇所を晒して、陰毛を剃られた恥辱を思い返し、顔を紅潮させ下唇を噛んで体を震わせた。 しばらくして、聡美夫人と早紀が戻って来た。聡美夫人は鉄格子の扉を開けると、正坐している浩明に、 「Ⅿ1号、午前中の運動をするわよ。この部屋は狭いから、廊下に出て来なさい!」 と命じた。上半身裸の浩明が立ち上がり、鉄格子の部屋を出ると、聡美夫人は、 「まず、四つん這いになりなさい」 と彼に指示した。浩明が廊下で四つん這いになると、聡美夫人は、 「膝は着けないで、手の平と足裏だけを床に着けなさい」 と重ねて指示した。聡美夫人の指示通りにすると、尻が上にあがり、両手足に結構負荷が掛かった。聡美夫人は上に突き出された浩明の尻を、乗馬鞭で軽くポンッと叩き、 「Ⅿ1号、さっさと這いなさい!」 と命令した。浩明は恋人の早紀の前で、犬みたいに不様な姿で這うのに抵抗があったが、聡美夫人の命令に逆らえる筈もなく、よたよたと廊下を這い進み始めた。聡美夫人と早紀は、這い進む浩明に伴って廊下を歩いた。 早紀は歩きながら、上半身裸で灰色囚人服の下衣だけを穿いた惨めな姿の浩明が、聡美夫人の命令に唯々諾々と従って、犬のように廊下を這う不様な姿を見下ろし、なぜか無性に腹立たしい気持ちになった。浩明は上に突き出した尻を振りながら、懸命に廊下を這っていたが、その尻を乗馬鞭で思い切り打ってやりたいという気持ちが、早紀の心に芽生えていた。しかし、早紀は目をつぶって首を小さく振り、 (私は、何を考えているの…恋人の浩明さんを、鞭打ってやりたいだなんて…軍服を着て、乗馬鞭を持っているせいかしら…心理実験はまだ始まったばかりなのに、ひょっとして私はおかしくなってしまったの…?) と自分の嗜虐的な考えを、必死に打ち消そうとした。 浩明が懸命に這い進んで、長い廊下の曲がり角に来ると、聡美夫人は、 「Ⅿ1号、ターンして這い続けなさい!」 と命じて、彼をUターンさせた。浩明の手足には疲労が蓄積し、腕が震え出して、這う速度が極端に遅くなった。すると、聡美夫人の乗馬鞭が、浩明の尻を強かに打ち据えた。 「あひぃっ」 薄いペラペラの囚人服下衣では、乗馬鞭に対して全くクッションにならず、真っ赤に焼けた火掻き棒を押し付けられた様な激痛を感じた。悲鳴を上げた浩明は、そのまま廊下に潰れてしまい、体を芋虫みたいに丸め両手で尻を押さえて、鞭の痛みに苦しんだ。聡美夫人は、廊下で横倒しになって体を丸めている浩明の頭を、乗馬用ブーツで踏みにじり、 「Ⅿ1号、わざとノロノロ這うんじゃないわ!運動をサボったら、懲罰だよ!」 と怒鳴りつけた。浩明は、聡美夫人の乗馬用ブーツ靴裏から、 「も、申し訳ありません…どうか、お許し下さい、聡美様…」 と涙声で謝罪した。女から尻を鞭打たれて、頭をブーツで踏みにじられるなんて、男の浩明にとっては耐え難い屈辱であったが、乗馬鞭の痛みには勝てなかった。聡美夫人からこれ以上鞭打たれないためには、卑屈に謝罪して、彼女の機嫌を損ねないようにするしかなかった。聡美夫人は、浩明の頭から乗馬用ブーツを外し、 「ふんっ、反省したのなら、とっとと四つん這いになって、運動に戻りなさい!」 と叱るような口調で、命令した。浩明は殆ど泣き顔で、膝を着けない四つん這いになって、廊下を再度這い始めた。しかし、疲労で両腕が震え、最初の速度みたいには這い進めなかった。聡美夫人は早紀に、 「早紀さん、この囚人がもっと速く進めるように、その鞭で元気づけてやって」 と指示した。早紀は、よろよろと這っている浩明に、 「浩明さ…いえ、Ⅿ1号、ちゃんと速く進みなさい!」 と若干きつめの口調で命じ、上に突き出している彼の尻を、乗馬鞭で軽く押すように叩いた。すると、聡美夫人は険しい顔になり、 「早紀さん!そんなへぬるい真似をしては、駄目よ!さっきも言ったけど、恋人の甘えを捨てて、厳格な看守になりきらなければ、心理実験は中止よ…恋人の卒業と就職、それとお二人の将来のために、囚人を厳しく指導するのは看守の職務と心得て、もっと強く鞭打って頂戴!」 と早紀に厳しく注意した。早紀は一瞬泣きそうに顔を歪めたが、直ぐに平静な表情に戻り、這っている浩明に、 「Ⅿ1号、もっと速くお進み!」 と大声を出し、彼の尻を乗馬鞭で思い切り横殴りに叩いた。 「ギャアァーッ」 尻肉が切り裂かれるような激痛を受けた浩明は、絶叫を上げ、廊下に突っ伏して倒れた。浩明は先程と同じ様に体を丸め、打たれた尻を両手で押さえて、酷い痛みに苦しんだ。 浩明が廊下で悶え苦しんでいるのを見下ろしている早紀は、頬を赤らめた。それは恥ずかしいからではなく、性的興奮を覚えたからだった。乗馬鞭で浩明の尻を打った時の手応えと、自分の鞭の一振りでもがき苦しむ彼の惨めな姿が、背中に電流が走ったような快感を早紀に感じさせ、身体が火照り子宮が疼いたのだ。 早紀は、浩明の顔をニーハイブーツで踏みにじってやりたい衝動に駆られたが、さすがにそれは思いとどまり、横倒しになって体を丸めている彼の顔の前で、ドンッと廊下を強く踏み鳴らした。 「Ⅿ1号、何を寝転んでいるのよ!さっさと、運動にお戻り!」 早紀は浩明を怒鳴りつけ、這うように命令した。浩明は、恋人の早紀から怒鳴られて、命令されたことに戸惑いながらも、 「は、はい…分かりました…」 と殆ど泣き声で返事をして、よろよろと四つん這いの姿勢に戻った。早紀は浩明の尻をニーハイブーツで蹴りつけ、 「ぼやぼやしてないで、とっとと這うのよ!」 と命じて、彼を這い進ませた。早紀の変貌を見た聡美夫人は、満面の笑みを浮かべ、 「お見事よ、早紀さん…立派な看守振りだわ。その調子で、囚人を厳しく躾けて頂戴ね」 と手放しで褒め称えた。 早紀は何か吹っ切れたように、浩明の這い進む速度が遅くなる度に、四つん這いの彼を叱りつけ、乗馬鞭で尻や背中を打ち据え、ニーハイブーツで蹴って、もっと速く這い進むようにと追い立てた。 (畜生、何で早紀から、こんな酷い仕打ちを受けなければならないんだ…) 浩明は、恋人の早紀から受けるあまりの屈辱と、乗馬鞭の酷い痛みで泣き出しそうになりながらも、廊下を必死に這い進んだ。ほんの少しでも休憩したかったが、早紀の乗馬鞭とニーハイブーツがそれを許さなかった。そして、浩明は長い廊下を何往復も這わされ、自分が入れられた鉄格子の部屋の前まで来たところで、手足に痙攣が来て遂に動けなくなり、突っ伏してそのまま潰れてしまった。 「Ⅿ1号、誰が寝てもいいと言ったのよ!さっさと、起きなさい!」 早紀は浩明を叱りつけ、彼の背中に乗馬鞭を振り下ろした。しかし、体力と気力の限界だった浩明は、体を引きつらせて苦し気な呻き声を上げるだけで、とても動けそうになかった。浩明の背中は、早紀の乗馬鞭で既に何筋もの赤い条痕が刻み込まれていた。さすがに見かねた聡美夫人は、 「早紀さん、この囚人はもう限界みたいよ…少し休ませて、私達も休憩しましょう」 と早紀に言った。聡美夫人は鉄格子の扉を開け、廊下でうつ伏せてゼイゼイと喘いでいる浩明に、 「Ⅿ1号、いつまでも寝てないで、部屋に入りなさい!」 と命じて、彼の尻を乗馬用ブーツで蹴った。 「あひぃっ…わ、分かりました…」 早紀から散々乗馬鞭で打たれ、腫れ上がっている尻を蹴られた浩明は悲鳴を上げたが、それでも聡美夫人に何とか返事をして、疲労困憊の上、鞭痕で引きつる体を気力で動かし、鉄格子の部屋に這い戻った。浩明は、部屋のベッドに上がる気力も無く、そのままコンクリートの床にぐったりと横たわり、荒い息をした。鉄格子の扉を閉めた聡美夫人は、早紀を促して部屋から離れて行った。カツンカツンと廊下に響く二人のブーツの靴音が、横たわって喘いでいる浩明の耳へ空ろに響いた。 呼吸が整ってきた浩明は、コンクリートの床にぐったりと横たわったまま、恋人の早紀のことを色々と考えた。 (将来の結婚まで約束している恋人同士なのに、あんなに酷く鞭打ち、ブーツで蹴りつけるなんて、あまりにも酷い、酷過ぎる…もう、僕のことを愛してないのか?…いや、聡美夫人も早紀に言っていたが、彼女は僕が単位を得て、無事に卒業・就職出来るために、心を鬼にして、鞭打ったり蹴ったりしたんだ。きっと、そうに違いない…しかし早紀は、嫌々とか我慢してとかじゃなく、夢中になり喜んで僕を痛めつけた感じもある…看守役になってナチス親衛隊の軍服を着込んだことで、優しかった早紀は変わってしまったのか?これから、どうなってしまうんだろう…) 浩明がしばらく考え事をしていると、聡美夫人と早紀がブーツの靴音を鳴らしながら、鉄格子の部屋に戻って来た。二人共、腰のベルトに乗馬鞭を差し込み、ミネラルウオーターのペットボトルを手にしている。聡美夫人は、ミネラルウォーターを一口飲むと、 「Ⅿ1号、誰が横になっていいと言ったの!?囚人は、床に正坐するものよ!」 と横たわっている浩明に大声を出した。浩明は、疲労と痛みがまだ取れていない体を無理に動かしながら、 「申し訳ございません、聡美様…」 と卑屈な口調で謝り、何とかよろよろとコンクリートの床に正坐した。聡美夫人は浩明に、 「看守が席を外したからといって、横着な態度を取るんじゃないわよ。次にそんな真似をしたら、鞭だからね!」 と厳しく注意し、また一口ミネラルウォーターを飲んだ。正坐している浩明は、鉄格子越しに聡美夫人がミネラルウォーターを飲むのを見て、耐え切れない程の喉の渇きを急激に覚えた。先程、廊下を延々と這わされて結構な汗をかき、体が水分を強く欲していたのだ。 浩明は聡美夫人におずおずとした口調で、 「あ、あの…聡美様、僕にも水を飲ませて戴けないでしょうか…」 と願い出た。すると、聡美夫人は口の端を歪めて、浩明を嘲るような笑顔を浮かべた。聡美夫人は鉄格子の扉を開け、早紀と一緒に部屋に入ると、正坐している浩明に力強い往復ビンタを張った。 「ヒイィッ」 目から火花が散るような強烈な往復ビンタを喰らった浩明は、思わず悲鳴を上げた。聡美夫人は、浩明の顔を乗馬用ブーツで押すように蹴り、彼を床へ仰向けに倒した。そして、浩明の顔を乗馬用ブーツで踏みにじり、 「ふざけるんじゃないわよ!横着に寝転んでいて、給水時間でもないのに、水を飲ませろですって!?お前はまだ、自分が囚人だと自覚してないようね!」 と怒鳴りつけた。浩明は、痛みと屈辱で顔を苦し気に歪めたが、 「も、申し訳ありません…どうか、お許しを…」 と聡美夫人の乗馬用ブーツの靴裏から、哀れな声で謝罪するしかなかった。聡美夫人は、浩明の顔を更に踏みにじりながら、 「それと、Ⅿ1号、普通の人みたいに、自分の事を“僕”と言うんじゃないわよ!自分の事は番号で言うか、“私め”とお言い!」 と厳しく指導した。浩明は乗馬用ブーツの靴裏から、 「は、はい…分かりました…」 と苦し気な声で返事をした。聡美夫人は、ようやく浩明の顔から乗馬用ブーツを外し、 「いつまでも横になってないで、さっさと正坐おし!」 と理不尽に命じた。浩明がよろよろとコンクリートの床に正坐し直すと、聡美夫人は彼に、 「さっき、水を飲まして欲しいと言ってたわね…まあ、あれだけ廊下を這い回れば、喉も渇くわよね。給水時間じゃないけど、特別に水を飲ましてあげるから、顔を上に向けて、口を大きくお開き!」 と命じた。正坐している浩明は、素直に顔を上に向けて、出来るだけ大きく口を開いた。ペットボトルのミネラルウォーターを上から垂らされるのだろうと浩明は予想したが、そんな惨めな方法でも、喉がカラカラの彼はとにかく水が飲みたかった。 しかし、聡美夫人のやり方は、浩明の予想を遥かに超えていた。聡美夫人は、ミネラルウォーターを口に含むと、クチュクチュと口内でゆすぎ、浩明の開いた口に吐き出したのだ。浩明は驚いたが、喉の渇きもあって、思わずゴクリと飲み込んでしまった。ミネラルウォーターには聡美夫人の唾がかなり混じっていたのか、ぬるりとした気持ち悪い感触を喉に感じた。 浩明は酷い屈辱に顔を赤くして、体を震わせたが、聡美夫人は彼を更に辱めようとした。聡美夫人は早紀に、 「早紀さん、私が今したみたいに、この囚人に水分補給させて頂戴」 と指示したのだ。浩明は、赤くした顔を逆に青ざめさせ、下を向き開いていた口を閉じた。すると、聡美夫人は乗馬鞭でコンクリートの床を叩き、部屋に鞭音を響かせて、 「Ⅿ1号、何を勝手に口を閉じるのよ!ちゃんと顔を上に向けて、口を開けておきなさい!」 と浩明を叱りつけた。鞭音に怯えた浩明は、慌てて上向き、口を大きく開いた。ただ浩明には、恋人の早紀はそんな酷い真似をしないだろうという、一縷の望みがあった。 しかし、早紀は冷たい目で浩明を見下し、聡美夫人と同じ様にミネラルウォーターを口に含むと、クチュクチュとゆすぎ始めた。早紀が口をゆすいでいるのを見た浩明は、信じられないといった表情を浮かべた。早紀は、上向いている浩明の開いた口に、ミネラルウォーターを吐き出した。かなり唾が混じり、ぬるりとした感触のミネラルウオーターは、浩明に強い屈辱感を味わさせ、知らず涙が込み上げてきた。 (恋人の早紀から、痰壺のように扱われるなんて…) しかし、早紀は聡美夫人から促されてもいないのに、 「Ⅿ1号、これ位じゃ、全然足りないでしょう…もっと、水を恵んであげるわよ」 と自分から浩明に言って、ミネラルウォーターで口をゆすいでは、彼の開いた口に吐き出すといった行為を2、3回繰り返した。浩明は、早紀が厳格な看守に変貌してしまったのを実感し、暗い気持ちになった。 早紀による、浩明への水分補給が済むと、聡美夫人は、 「Ⅿ1号、気を付け!」 と号令を掛けた。浩明が慌てて立ち上がり、気を付けの姿勢を取ると、聡美夫人は、 「回れ右して、両手を後ろにお回し!」 と彼に命じた。浩明が命じられた通りに、後ろ向きになって両手を背中に回すと、聡美夫人は彼の両手首に手錠を掛けた。それから、聡美夫人は浩明に、 「今から、労務作業に移るわよ…ついておいで!」 と言って、部屋から出た。後ろ手錠姿の浩明は、慌てて聡美夫人について行き、彼の後を早紀がついた。聡美夫人がしばらく廊下を歩くと、病棟の浴室に着いた。浴室の床には、洗面器と石鹸が置かれていた。聡美夫人は、浩明の後ろ手錠を外し、 「Ⅿ1号、浴室に入って、今穿いている囚人服のズボンを洗濯しなさい。さっきの運動で汗臭くなっているから、衛生管理上必要だわ」 と命じた。浴室に入った浩明は、囚人服下衣に手を掛けたが、さすがに聡美夫人と早紀の前で全裸になるのは恥ずかしく、手が止まってしまった。浩明が躊躇う様子を見た聡美夫人は、鼻で笑い、 「ふんっ、何をグズグズしているのよ?さっき、オチンチンから肛門まで私達に晒したくせに、今更恥ずかしがるんじゃないわよ。さっさと脱いで、洗濯おし!」 と嘲って、命令した。浩明は、恥ずかしさで顔を真っ赤にしたが、仕方なく囚人服下衣を脱いで洗面器に入れ、浴室の蛇口からお湯を出して、石鹸で洗濯し始めた。全裸になった浩明は洗濯している間、聡美夫人と早紀の視線が自分のフリチン姿に痛い程注がれているのを感じ、恥ずかしくてこの世から消え去りたくなった。 聡美夫人は、浩明が洗濯を済ませると、彼に囚人服下衣を浴室前の物干し台に干させた。浩明は聡美夫人に、 「あの…替えの囚人服は、どこでしょうか?」 と尋ねた。すると、聡美夫人は、 「囚人服は、一着しか無いのよ…乾くまで、そのままでいなさい。この病棟は空調が十分に効いているから、服を着なくても問題無いでしょう」 と答え、浩明を困惑させた。しかし、聡美夫人は囚人服が乾いても、浩明に返す気は無かった。 実は、聡美夫人は最初から浩明には服を着せず、全裸で過ごさせるつもりだった。男というものは、パンツ一枚でも穿いていると、自我を出して自己主張するが、何も身に着けずに真っ裸だと、消極的になって言いたい事も言えなくなってしまうのだ。そのために、聡美夫人はもっともらしい理由を付けて、最初は囚人服上衣、次に囚人服下衣を浩明から取り上げたのだった。これ以後、浩明に服は与えられず、全裸で過ごすことになった。 聡美夫人は、全裸の浩明に再度後ろ手錠を掛け、 「Ⅿ1号、部屋に戻るわよ」 と言った。戸惑っている浩明が鉄格子の部屋に向かおうとすると、聡美夫人から、 「ちょっとお待ち!」 と声を掛けられ、立ち止まった。聡美夫人は、 「お前に、これを付けるのを忘れていたわ」 と言って、乗馬用白色キュロットのポケットから革紐の束を取り出して解き、浩明の股間のものに手際よく括り付けた。それから、その革紐の端を早紀に手渡し、 「早紀さん、この囚人を部屋まで引っ張って、誘導してあげて」 と指示した。無表情で頷いた早紀は、 「Ⅿ1号、とっととお歩き!」 と冷酷な声で浩明に言い放ち、革紐をぐいっと引っ張りながら、さっさと歩き出した。股間のものを強く引かれた浩明は、それが引きちぎられそうな痛みを感じ、 「ああっ、待って、待って下さい…」 と情けない声で早紀にお願いしながら、惨めに腰を前に突き出して、慌てて彼女の後をついて行った。自分の恥ずかしい股間部分に結ばれた革紐を恋人の早紀に引っ張られながら、情けなく腰を突き出して廊下を歩いている全裸で後ろ手錠姿の浩明は、度を越えた屈辱で胸が張り裂けそうに感じ、目に涙が浮かんできた。後ろについて歩く聡美夫人は、屈辱に苛まれながら、よたよたと歩く浩明の姿を、意地悪くニヤニヤと笑いながら見ていた。 先導して廊下を歩いている早紀は、顔を前に向けて後ろの浩明を見てはいなかったが、革紐を握っている手に、彼の股間のものを引っ張っている感触を感じて、彼が恥ずかしそうに苦悶している姿を想像し、性的興奮を覚えて体を火照らせていた。今の早紀には、恋人の浩明を虐めて、悶え苦しませてやりたいという、嗜虐的な欲望を段々と抑えられなくなっていた。 ようやく鉄格子の部屋に着き、浩明が部屋に入らされると、聡美夫人は早紀に、 「早紀さん、革紐を渡して頂戴」 と言って、彼女から革紐の端を受け取った。聡美夫人は、革紐を壁の高い位置にある金属製フックに引っ掛け、ぐいっと下に引っ張った。 「あいぃーっ」 股間部分に結ばれた革紐を、急に引っ張り上げられた浩明は、悲鳴を上げてつま先立ちになった。聡美夫人は、浩明がつま先立ちになったところで、革紐の高さを調整し、結んで固定した。 「Ⅿ1号、そのままで、ちょっと待っていなさい」 聡美夫人はそう言うと、早紀と一緒に鉄格子の部屋を出て行った。全裸で後ろ手錠姿の浩明は、革紐で股間のものを上に引っ張られた状態の、つま先立ちのキツイ体勢で、彼女達が戻って来るのを待たなければならなくなった。足が疲れ震えてきたが、股間のものが引きちぎられそうに痛むので、つま先立ちを止める訳にはいかない。とても惨めな姿の浩明であったが、今の彼には屈辱を感じる余裕すら失われ、一秒でも早く聡美夫人と早紀が戻って来て欲しいと、ただそれだけを願っていた。 浩明がもう限界だと思った時、ようやく聡美夫人と早紀が戻って来た。聡美夫人は小型の段ボール箱、早紀はお湯を入れたバケツを持っていた。鉄格子の部屋に入った聡美夫人は、段ボール箱を床に置くと、浩明の股間部分を吊り上げていた革紐を解き、彼を楽にさせた。足が疲れ切った浩明は緊張が緩み、そのままコンクリートの床にしゃがみ込んだ。聡美夫人は、 「誰が、座っていいと言ったの!」 と浩明を叱り付け、乗馬用ブーツで彼を押すように蹴り、仰向けにひっくり返した。それから、聡美夫人もしゃがんで、浩明の股間のものに括り付けていた革紐を解いて束ね、持ち込んだ段ボール箱の中に放り込んだ。 聡美夫人は、仰向けに倒れている浩明の脇腹を蹴り付け、 「Ⅿ1号、横着に寝転んでいないで、さっさとお立ち!」 と怒鳴りつけた。全裸の浩明は、後ろ手錠の不自由な体をよじって、何とか立ち上がった。聡美夫人は、 「面倒だけど、私達は看守として、囚人の健康衛生管理をしなければならないのよ…だから、まずお前を体の内側からきれいにしてあげるわ。回れ右して、正坐おし!」 と浩明に命じた。浩明が命じられた通りに、後ろ向きになって、コンクリートの床に正坐した。聡美夫人は続けて、 「上体を倒して額を床に着け、足を肩幅に開いて膝を伸ばし、お尻を上に上げなさい!」 と屈辱的な命令を、浩明に下した。それは、浩明が肛門周りの陰毛を剃られた時の命令と全く同じだったので、物凄く嫌な予感がしたが、聡美夫人の懲罰が恐くて、仕方なく彼女の命令通りに恥ずかしく屈辱的なポーズを取った。浩明は後ろ手錠されているので、肛門周りの陰毛を剃られた時のように、頭で上半身を支える姿勢になった。 聡美夫人は、段ボール箱からグリセリン原液の瓶を取り出し、早紀が持ち込んだお湯入りのバケツに、グリセリン原液をたっぷり注いだ。それから、段ボール箱から取り出した、大型のガラス製シリンダー式浣腸器でよく掻き混ぜて、浣腸用のグリセリン液を作った。聡美夫人は、グリセリン液をシリンダー式浣腸器で吸い上げると、尻を上げた屈辱的な姿勢を取っている浩明に近づいた。 「Ⅿ1号、今からお前のはらわたを掃除してあげるから、絶対に動くんじゃないわよ!」 聡美夫人は浩明にキツイ口調で命じると、左手で尻たぶを拡げ、シリンダー式浣腸器の先端を彼の肛門にズブリと突き刺した。 「アヒィッ」 浩明は思わず悲鳴を漏らしたが、聡美夫人は構わずにシリンダーを押し込み、彼の直腸にグリセリン液を注ぎ込んだ。浩明は下腹の内側から感じる異様な感覚に、体を震わせた。聡美夫人は、浩明の肛門からシリンダー式浣腸器を引き抜くと、 「早紀さん、こんな調子で、この囚人に浣腸してあげて」 と早紀に指示し、そのシリンダー式浣腸器を手渡した。早紀は聡美夫人に倣い、バケツのグリセリン液をシリンダー式浣腸器で吸い上げると、浩明の肛門にその先端を挿入してシリンダーを押し込み、彼の直腸にグリセリン液を注ぎ入れた。早紀はその動作を3、4回繰り返し、浩明の下腹をカエルみたいに膨らませた。 恋人の早紀に、股間の恥ずかしいところを見られながら浣腸されるのは、浩明にとって死にたくなる程の恥辱だった。浩明は顔を紅潮させ全身を震わせて、この耐え難い恥辱を体現していた。しかし、早紀は逆に、浩明が恥辱に苛まれている様子を楽しんでいた。何しろ、恋人の浩明が悶え苦しんでいる姿を見ると、なぜか興奮して体が火照り、子宮が疼くのだ。今の早紀は、浩明をもっと痛めつけ、もっと苦しめてやりたいという、誰にも言えない嗜虐の黒い欲望に取りつかれていた。 バケツのグリセリン液がかなり減ったのを確認した聡美夫人は、 「早紀さん、浣腸は、もうそれ位で十分よ」 と早紀に言い、ガラス製シリンダー式浣腸器を彼女から受け取り、バケツの中に入れた。それから、聡美夫人は段ボール箱からゴム製の黒色ディルドゥを取り出し、グリースをベタベタに塗りたくった。そのディルドゥ後部はチューブが付いており、ゴム製の丸型空気ポンプと繋がっていた。黒色ディルドゥを右手に持った聡美夫人は、尻を上げた屈辱的な姿勢を取っている浩明に近づき、しゃがみ込むと、 「Ⅿ1号、浣腸液が漏れないように、栓をしてあげるから、動くんじゃないよ」 と注意し、左手で浩明の尻たぶを開いて肛門を露出させ、右手の黒色ディルドゥの先端を宛がった。浩明は思わず括約筋に力を入れ、肛門を窄めたが、聡美夫人から、 「肛門の力をお抜き!力んだら肛門が切れて、切れ痔になってしまうわよ!」 と大声で注意され、止むを得ずに力を抜いて肛門を緩めた。聡美夫人はその機を逃さず、浩明の肛門に右手の黒色ディルドゥを一気に挿入した。 「アガァッ」 黒色ディルドゥにグリースを塗りたくっていたおかげで、割とスムーズに挿入出来たが、それでも肛門に異物を入れられた不快な感覚で、浩明の口から悲鳴が上がった。聡美夫人は、黒色ディルドゥとチューブで繋がっている丸型ポンプを何度も握り締めて空気を送り込み、浩明の直腸内で黒色ディルドゥの先を膨らませた。直腸内で不快な圧迫感を感じた浩明は、苦し気な呻き声を漏らした。 聡美夫人は立ち上がり、 「Ⅿ1号、いつまでも、そんな不様な格好しなくてもいいから、楽にしなさい」 と浩明に、珍しく優しい声を掛けた。浩明は、その声を待ちかねたように、グラリと体を横に倒した。後ろ手錠の浩明は、頭で上半身をずっと支えていたので、いい加減首が限界だったのだ。しかし、楽になったのは一瞬で、グリセリンの浣腸液が効き始め、急激に下腹が痛くなった。 「あの…聡美様、どうか排便させて下さい…お腹が、凄く痛くて…」 浩明は聡美夫人に懇願したが、彼女は鼻で笑い、 「ふんっ、そんなに早く排便したら、浣腸液の効き目が半減して、はらわたが十分にきれいにならないわよ。もう少し、我慢おし!」 と言って、横倒しになっている彼の下腹を乗馬用ブーツで押すように蹴った。 「ああっ」 蹴られて仰向けにされた浩明は、下腹の痛みに思わず悲鳴を上げた。仰向いて苦しんでいる浩明を、聡美夫人と早紀は楽しそうに見下していた。 しばらくすると、下腹の痛みが耐えられない程に強くなった。浩明は脂汗を流し、 「お、お願いです、排便させて下さい…もう、本当に我慢出来なくて…」 と切実な声で聡美夫人に哀願した。しかし、聡美夫人は、 「うるさいわね!もう少し我慢しなさいと、言っているでしょう!」 と叱りつけて、乗馬用ブーツで浩明の膨れている下腹を踏みつけた。 「アガァーッ」 腸が捻じ切れそうな激痛に、浩明は絶叫を上げた。思い切って大便を床に漏らしてしまえば、楽になるのは分かっているのだが、肛門に挿入されて膨らませたゴム製ディルドゥが栓となって、それを許さなかった。聡美夫人は、浩明の下腹から乗馬用ブーツを外し、 「早紀さん、あなたもこの生意気でうるさい囚人を、思い知らせてあげて」 と早紀に指示した。早紀は無言で頷くと、 「Ⅿ1号、静かにしなさい!」 と浩明に大声を出し、彼の下腹をニーハイブーツで踏みつけた。 「ギャアァーッ」 浩明は絶叫して悶え苦しんだが、早紀は、 「静かにしなさいと、言ってるでしょう!本当にうるさいわね!」 と浩明を叱りつけ、彼の下腹を更に強く踏みにじった。さすがに浩明の内臓破裂を心配した聡美夫人が、 「早紀さん、もうそれ位でいいわよ」 と早紀を諫めた。聡美夫人に諭された早紀は、はっと気づいたように、浩明の下腹からニーハイブーツを外した。 そろそろ限界だと判断した聡美夫人は、 「Ⅿ1号、排便を許してあげるから、そこの便器に跨りなさい!」 と浩明に命じた。脂汗を流して苦しんでいる浩明は、下腹の強烈な痛みでとても動ける状態ではなかったが、それでも気力を振り絞り、全裸で後ろ手錠の不自由な体をよじって立ち上がり、コンクリートの床に嵌め込まれているステンレス製和式便器に何とか跨った。 聡美夫人は早紀に、 「早紀さん、この囚人が排便したら、直ぐに廊下の壁にあるボタンを押して頂戴」 と指示し、彼女を鉄格子の部屋の前の廊下で待機させた。便器の水洗は、廊下のボタンで操作するようになっていた。聡美夫人が丸型ポンプの弁を捻ると、シューッと大きな音がして、浩明の直腸内で膨らんでいるゴム製ディルドゥの空気が抜けて、細く萎んだ。その途端、大きなおならのような音と共に、浩明の肛門からゴム製ディルドゥと大量の軟便が噴き出た。 「早紀さん、ボタンを押して!」 聡美夫人に指示された早紀は、直ちに壁のボタンを押した。すると、ステンレス製和式便器に勢いよく水が噴出し、浩明の軟便を流し去った。ようやく排便を許された浩明は、下腹の痛みが無くなり、気が抜けてがっくりとうなだれた。 聡美夫人は、浩明の軟便で汚れたゴム製ディルドゥをバケツに入れ、段ボール箱からウェットティッシュを取り出した。 「全く、手間の掛かる囚人だね!」 聡美夫人はぶつくさ文句を言いながら、和式便器に跨っている浩明に近づき、彼の汚れている肛門と尻をウェットティッシュでざっと拭った。聡美夫人は、汚れたウェットティッシュもバケツに入れると、 「Ⅿ1号、いつまでも便器に跨ってないで、床に正坐おし!」 と命じた。浩明は力無く立ち上がると、よろよろと部屋の真ん中辺りに正坐した。 聡美夫人は段ボール箱、早紀はバケツを持ちあげ、聡美夫人は浩明に、 「しばらく、そのまま待っていなさい」 と言い残し、早紀を連れて鉄格子の部屋を出て行った。 全裸で後ろ手錠の惨めな格好で、コンクリートの床に正坐している浩明は、浣腸された自分の恥ずかしい姿を思い返した。先程は腸が捻じ切れそうな激痛で、恥辱を感じる余裕も無かったのだが、落ち着いた今は、聡美夫人と早紀の前で自分が醜態を晒したことを思い出し、恥ずかしくて堪らずに顔が紅潮した。聡美夫人に指示されたとは言え、恋人の早紀が自分に浣腸して、膨れた下腹をニーハイブーツで平然と踏みにじり、厳しく叱りつけたことが、浩明に耐え難い屈辱を感じさせ、鼻の奥が熱くなり、目に涙が浮かんできた。 鉄格子の部屋に一人残された浩明が、酷い屈辱に苛まれて苦しんでいると、廊下からカツンカツンとブーツの靴音が聞こえてきた。聡美夫人と早紀が戻って来たのだ。早紀は、何かを載せたお盆を持っていた。聡美夫人が鉄格子の扉を開けて二人が入り、早紀がコンクリートの床に正坐している浩明の前に、お盆を置いた。お盆には、紙皿に盛られたチャーハンとプラスチックのスプーン、それに水が入った大き目の紙コップが載っていた。 「Ⅿ1号、お前のために、こちらの看守様が食事を持って来たんだから、お礼を言って、ブーツに感謝のキスをしなさい!」 聡美夫人に命じられた浩明は、 「早紀様、食事をお持ち下さり、ありがとうございます…」 と屈辱を押し殺した震え声で礼を言い、後ろ手錠の不自由な上半身を前に倒して、早紀の足元にひれ伏すような格好で、彼女のニーハイブーツつま先にキスをした。恋人である早紀のニーハイブーツにキスするのは、別にこれが初めてではないが、決して慣れることの出来ない屈辱が、浩明の心を酷く傷つけていた。 浩明が上体を起こすと、聡美夫人は彼の背後に廻り、後ろ手錠を外した。 「Ⅿ1号、もう昼食時間になったから、食事を摂りなさい」 聡美夫人は、素っ気無い口調でそう言うと、早紀と一緒に鉄格子の部屋を出て行った。残された浩明は、午前中に酷い虐待を受けたので、あまり食欲が湧かなかったが、取りあえず腹ごしらえしておこうと、ようやく自由になった手でプラスチックのスプーンを手にした。チャーハンを一口食べたが、それは浩明も日頃よく使っている同じ種類の冷凍食品のチャーハンを、電子レンジで温めたものだった。浩明は味気ないチャーハンを口に運びながら、 (まだ半日も経っていないのに、酷いダメージを受けて、身体も心もボロボロだ…こんな調子で、10日間も過ごせるのだろうか…) と不安で胸が押し潰されそうになっていた。 一方、聡美夫人と早紀は別室で、レストランからデリバリーされた結構豪華なランチを前にしていた。聡美夫人は早紀にグラスワインを勧め、 「早紀さん、まだ昼で、午後の看守業務があるから、ワインはこの一杯だけにしてね…ところで、早紀さんに聞きたいことがあるの」 と話し掛けた。早紀はワインを一口飲み、 「はい…何でしょうか」 と些か困惑したような表情で答えた。聡美夫人は微笑みを浮かべ、 「看守役の早紀さんが、囚人役で恋人の浩明さんを平手打ちしたり、鞭打ったり、ブーツで蹴りつけたり踏みつけたりした時、どんな気分になったのかしら?」 と今の早紀があまり訊いて欲しくない質問をした。早紀は戸惑ったように、 「どんな気分かと言われましても…看守役に徹するのに夢中で、それどころでは…」 と歯切れの悪い返事をした。聡美夫人は、いたずらっ子みたいな顔になり、 「本当は、恋人の浩明さんを痛めつけ、彼が苦しむ姿を見て、興奮したんじゃないの?」 と核心を突いた質問をした。早紀は頬を赤らめ、 「い、いえ、決してそんな事は…それは、看守役として、仕方なく…」 としどろもどろに答えた。聡美夫人は真顔になって、早紀の目をじっと見つめ、 「早紀さん、これは心理実験の一環として、正直に答えて欲しいの。私の目は、ごまかせないわよ。早紀さんが恋人の浩明さんを虐めて、性的興奮を覚えたことは、分かっているわ…そうでしょう?」 と早紀に詰め寄った。聡美夫人に恥ずかしい本心を指摘され、早紀は顔を真っ赤にして、うつむいた。ここで、聡美夫人は急に話題を変えた。 「ところで、早紀さんが大学に入学した際、新入生は全員、オリエンテーションで心理テストを受けたでしょう?私の頃は、心理学ゼミの学生だけが受けてたんだけど…」 早紀は顔を上げて、質問の意味がよく分からないといった表情をした。 「はい、その通りですけど…それが何か?」 聡美夫人は微笑みを浮かべて、早紀に説明し始めた。 「あの心理テストは、新入生の性的傾向を調査するためのものなのよ…そのテストで新入生が、サディストかマゾヒストかの傾向の有無が分かるの…それで、驚かないで聞いて欲しいんだけど、早紀さんには強い嗜虐の性的傾向が認められ、潜在的なサディスト…女性の場合はサディスティンと言うんだけれど、そうであることが判明しているの。つまり、早紀さんは男性を虐めて性的興奮を覚える、正真正銘のサディスティンなのよ」 聡美夫人の説明に、早紀は驚きで目を見開いた。 「う、嘘です…私が男性を虐めて興奮する、サディスティンだなんて…」 聡美夫人は微笑みを絶やさないようにして、早紀をじっと見つめた。 「深層心理だから、早紀さん本人でも気がつかないのは、無理もないわ…それで、改めて尋ねるけど、午前中に恋人の浩明さんを、平手打ちしたり、鞭打ったり、ブーツで蹴りつけたり踏みつけたりして、興奮しなかったかしら?浩明さんを、もっと虐めてやりたい、もっと苦しむ姿が見たいとは、思わなかったの?早紀さん、自分の心に嘘はつかないで、正直に答えて頂戴」 早紀は、恥ずかしさで顔を真っ赤にして、再度うつむいた。彼女は少し逡巡したが、直ぐに顔を上げて聡美夫人の目を真っ直ぐ見つめ、 「はい…その通りです。私は、浩明さんをもっと虐めて、もっと苦しめてやりたいと思いました」 とはっきり答えた。聡美夫人は満面の笑みを浮かべ、 「そうなの…正直に答えてくれて、嬉しいわ。ところで、早紀さんはなぜ、恋人の浩明さんを虐めて、苦しめてやりたいと思ったの?」 もう、早紀は何の迷いも無く、きっぱりと答えた。 「はい、それは浩明さんを虐めて、彼が悶え苦しむ姿を見ると、興奮して気持ちいいからです」 聡美夫人は大きく頷き、 「早紀さん、ありがとう。自分に正直になってくれて、本当に嬉しいわ…それと、浩明さんは心理テストの結果、ごくノーマルなのが分かっているの。だから、これから私達二人で浩明さんを徹底的に調教してマゾヒストに仕込み、早紀さんの奴隷に落としてやりましょうよ。恋人の浩明さんがマゾヒストの奴隷になれば、早紀さんとの相性がピッタリになるわ…どうかしら?」 と早紀に問い掛けた。早紀も大きく頷き、目を輝かせて、 「はい、是非お願いします!」 と勢い込んで返事をした。聡美夫人は満足そうに微笑み、 「実を言うと、囚人番号の“Ⅿ1号”は、“マゾ1号”の意味なのよ…それじゃ、午後に備えて、腹ごしらえをしましょう。冷めない内にランチを摂って、一休みしてから、浩明さんの調教に取り掛かりましょうね」 と早紀に言った。早紀は聡美夫人に、 「はい、分かりました。よろしくお願い致します」 と元気のいい返事をして、グラスワインを飲み、ランチに手を伸ばした。完全に心の迷いから吹っ切れたのか、若い早紀は旺盛な食欲を示した。聡美夫人はランチを摂りながら、浩明の調教方法について早紀に色々とレクチャーした。 鉄格子の部屋で、冷凍食品のチャーハンを平らげた浩明は、午前中に受けた虐待の疲れもあり、眠たくなったのでベッドに横たわって毛布にくるまり、目を閉じた。浩明は直ぐにうとうとし、ぐっすりと深い眠りに落ちた。浩明が眠ってしばらくすると、ガシャーンと鉄格子の扉を開ける音が大きく響き、彼は目を覚ました。 聡美夫人は、ベッドで横になっている浩明に、 「Ⅿ1号、就寝時間でもないのに、何を勝手に寝ているのよ!さっさと起きて、床に正坐おし!」 と大声で叱りつけた。浩明は、 「は、はい、申し訳ありません」
哀れな悲鳴を漏らした浩明に、早紀は、 「お前は、私が恋人だと思って、甘えているんじゃないの!?今の私は看守、お前は囚人なのよ!お前の甘えを取り除くために、囚人の身分をたっぷりと思い知らせてやるからね!」 と怒鳴りつけ、再度強烈な往復ビンタを張った。浩明は、 「ヒィッ、ヒイィッ、わ、分かりました、分かりましたから、どうかお許し下さい」 と情けない悲鳴を上げて、早紀の足元に土下座し、許しを請うた。早紀の非情な女看守振りを見た聡美夫人は、満足そうに微笑んで、 「Ⅿ1号、自分が食べた後の食器は、自分で片付けなさい。お盆を持って、私達について来るのよ」 と土下座している浩明に指示した。不安げに上体を起こした浩明は、床のお盆を持って、よろよろと力無く立ち上がった。 全裸の浩明は、紙皿と紙コップとプラスチックのスプーンが載ったお盆を持って、ブーツの靴音を廊下に響かせながら先を歩く、聡美夫人と早紀の後をトボトボとついて行った。浩明は、乗馬鞭を手にして前を歩く二人が、格好のいい乗馬服とナチス親衛隊の軍服をきちんと着ているのに比べ、真っ裸のフリチン姿でお盆を持って後をついて行く自分が凄く惨めに感じて、情けない気分になった。 聡美夫人は、浩明にお盆に載せてある紙皿等を給湯室のゴミ箱に捨てさせ、お盆を棚に置かせると、彼を浴室につれて行った。浴室に着くと、聡美夫人は浩明を中に入れ、早紀と二人で浴室の戸を開けたまま、彼を見張った。聡美夫人は、浴室前に置いてある洗濯物が入った手提げ袋を拾い上げ、 「Ⅿ1号、午後の労役を始めるわよ。まず、これを洗濯しなさい」 と浩明に指示し、その手提げ袋を手渡した。浩明が受け取った手提げ袋の中を覗き込むと、ムッとする女の強い臭いが鼻を突いた。手提げ袋には、汚れたパンティが5、6枚入っていた。聡美夫人は笑いながら、 「お前のために、今週はパンティを洗わずに、溜めておいたのよ…早く洗濯しなさい」 と浩明に命じた。 (女の汚れたパンティを、手洗いするなんて…) 浩明は強い屈辱を感じたが、仕方なく浴室の床にしゃがんで蛇口を捻り、洗面器にお湯を張った。浩明が固形石鹼を手にすると、聡美夫人は、 「ちょっとお待ち!洗濯する前に、看守である私の臭いを覚えなさい。パンティの汚れた箇所に鼻を着けて、思い切り息を吸い込むのよ」 と浩明に恥辱的な命令を下した。浩明は顔色を変えたが、聡美夫人と早紀の乗馬鞭が恐ろしく、とても拒否出来なかった。 浩明が、聡美夫人のパンティを裏返すと、クロッチ部分に黄色い染みと茶色い筋が付いており、顔から離していてもかなり強い臭いがした。浩明は少し躊躇ったが、乗馬鞭を手にしている聡美夫人と早紀が恐い目で見つめているので、止むを得ずにひどく汚れたクロッチ部分を鼻に当て、息を吸い込んだ。その途端、熟女特有の強い臭いが鼻孔の奥まで届き、浩明の頭にかなりの衝撃を与えた。饐えたような強烈な女の臭いは、浩明の脳髄を痺れさせ、頭をクラクラさせた。 聡美夫人と早紀は、浩明が汚れたパンティの臭いを嗅いで身悶えする姿を、面白そうに眺めていた。汚れたパンティの臭いに悶えている浩明は、聡美夫人から不意に問い掛けられた。 「Ⅿ1号、何を勃起しているのよ?そんなに、女の汚れたパンティが好きなのかい?」 聡美夫人から意地悪く尋ねられた浩明は、自分の股間のものが硬く屹立しているのに気が付いた。若い浩明は女の臭いを嗅いで、不覚にも勃起してしまったのだ。 「ふんっ、女の汚れたパンティを嗅いで、興奮して勃起するなんて、本当にいやらしい男だね」 と聡美夫人は蔑んだ口調で浩明を嘲り、早紀は、 「汚れたパンティで興奮するなんて、本当に異常性欲者よ!お前みたいな異常性欲者が恋人だなんて、私が可哀想過ぎるわよ、最低の変態!」 と彼を激しく罵った。浩明は、あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤に染めたが、股間の猛りはなかなか治まらなかった。 聡美夫人は、浩明の恥ずかしがる様子を楽しみながら、 「Ⅿ1号、お前は若いから、性的欲求不満が溜まっていて、我慢出来ないんでしょう…特別に許可してあげるから、パンティの汚れをしゃぶりながら、オナニーおし!」 と彼を更に辱める酷い命令を下した。さすがに浩明が、 「えっ…いくら何でも、それは…」 と思わず口にして、躊躇う素振りを見せると、聡美夫人は乗馬鞭で浴室のタイル床を叩き、鞭音を室内に響かせて、 「囚人のくせに、看守様の指示に逆らうつもりなの!」 と大声を出した。鞭音と聡美夫人の剣幕に恐れをなした浩明は、泣き出しそうな顔をして膝立ちになり、股間で硬く屹立しているものを右手で握り、ゆっくりとしごき始めた。 「Ⅿ1号、パンティの汚れをしゃぶりながら、オナニーするように言ったでしょう!」 聡美夫人に厳しく言われた浩明は、止む得ずに右手で自分の硬くなっているものをしごきながら、左手に持っているパンティの汚れがひどいクロッチ部分に舌を這わせた。浩明の舌に、酸味とえぐみがある生臭い味が拡がり、吐き気が込み上げてきた。それでも、浩明は必死に吐き気を堪え、汚れたクロッチ部分を舐めながら、股間で硬く屹立しているものをしごき続けた。 「よく、女の前でオナニー出来るわね。それも、汚れたパンティを舐めながら…本当に変態だわ、最低!」 恋人の早紀から吐き捨てるように侮蔑され、浩明の目に涙が浮かんできた。しかし、懲罰の鞭打ちを恐れている今の浩明には、汚れたパンティを舐めながら、オナニーを続けるしかなかった。そんな浩明に、聡美夫人は容赦無く、 「Ⅿ1号、舐めるだけじゃなく、パンティの汚れた箇所を口の中に入れ、噛むようによくしゃぶりなさい!」 と更に彼を貶めるような命令を下した。浩明は殆ど泣き顔になって、汚れたクロッチ部分を咥え、口をモグモグと動かした。浩明の口内に、饐えたような女の強い臭いが充満し、思わず咽そうになって、体を震わせた。だが、不思議なことに、浩明の股間で屹立しているものは、更に硬度を増していた。それに伴い、股間のものをしごいている右手の動きも、知らず知らず速くなっていった。 更に硬くなって屹立している股間のものに、聡美夫人と早紀の蔑んだ視線を痛い程感じながら、しごき続ける浩明の思考はすっかり混乱していた。汚れがひどいパンティのクロッチ部分の強烈な味と臭い、それに今にも破裂しそうな程に極限まで硬くなっている猛々しいものをしごく快感が、浩明の理性を吹き飛ばしてしまい、何も考えられなくなっていた。 そして、遂に浩明は、 「ああっ、見ないでぇーっ」 と叫びながら果ててしまい、浴室のタイル床に夥しい白濁液を撒き散らした。射精してしまった浩明に理性が戻り、彼はがっくりとうなだれて、恥ずかしさのあまり、すすり泣き始めた。 しかし聡美夫人は、浩明が悲しみに浸る余裕を与える程、優しくはなかった。聡美夫人は乗馬用ブーツのまま、ズカズカと浴室内に入り、うなだれてすすり泣いている浩明の背中に、乗馬鞭を振り下ろして、彼の悲鳴を浴室に響かせた。聡美夫人は、 「Ⅿ1号、浴室の床をお前の汚らわしい精液で汚しておいて、何をのんびり泣いているのよ!泣く暇があったら、さっさときれいに掃除おし!言っておくけど、お湯で洗い流すんじゃなくて、お前が責任を持って、舌で舐め取るんだよ!」 と浩明に酷い命令をした。 泣き止んだ浩明は四つん這いになり、浴室のタイル床に飛び散った自分の精液を、舐め取り始めた。聡美夫人と恋人の早紀が見ている前で、女の汚れたパンティをしゃぶりながら、オナニーして射精するといった醜態を晒してしまった浩明は、口惜しがったり恥ずかしがったりする気力さえ喪失し、唯々諾々と聡美夫人の酷い命令に従っていた。 口内に拡がる生臭い精液の味と、 「もう、信じられない!よく精液なんか、舐められるわね!正真正銘の変態よ、お前は!」 との早紀からの罵声が、浩明の胸を深く傷つけた。 浩明が浴室のタイル床の精液を舐め取り終わると、聡美夫人は彼に、 「パンティは、お前が口の中でよくしゃぶって、汚れを薄くしてから手洗いおし!」 と命じた。浩明は腑抜けのように、パンティの汚れたクロッチ部分を咥えてしゃぶり、それから洗面器のお湯と固形石鹼で手洗いするといった、屈辱的な作業を黙々と行った。口惜しがったり恥ずかしがったりする感情を失ったつもりの浩明であったが、それでも聡美夫人と早紀の蔑んだ視線と、口内で充満する女の饐えたような強い臭いが、彼の心を酷く蝕んでいった。 ようやく、浩明が数枚のパンティを洗い終わり、干場に吊るすと、聡美夫人は、 「Ⅿ1号、浴室にお戻り!」 と彼に命じた。次は何をされるのかと、浩明は不安に思いながら、浴室に戻った。聡美夫人は、 「Ⅿ1号、四つん這いになって、しばらく待機おし!」 と命じ、浴室前に置いていた段ボール箱から、医療用の薄いゴム手袋を取り出し、自分の両手に嵌めた。聡美夫人は、早紀にもゴム手袋を渡し、彼女が両手に嵌めるのを待って、二人でブーツのまま浴室に入った。 浴室では、全裸の浩明が不安な表情を浮かべて、四つん這いの姿勢でじっと待っていた。聡美夫人と早紀は、洗面器にお湯を張り、固形石鹼を泡立て、その泡を手に嵌めたゴム手袋に塗りたくった。そして聡美夫人は、四つん這いになっている浩明に、 「Ⅿ1号、額を床に着けて、頭で体を支えてお尻を上げ、両手でお尻を拡げなさい!」 と午前中に浣腸したのと同様の屈辱的な姿勢を取るよう命令した。浩明が恥ずかしさを堪えて命令通りの姿勢になると、聡美夫人は伸ばした右手中指の先端を、彼の露出した肛門にめり込ませた。 「アヒィッ」 神経が集中して敏感な肛門に、不意に指の先端を入れられた浩明は、思わず声を出し、無意識に肛門を窄めた。すると聡美夫人は、浩明の股間にぶら下がっている陰嚢を左手で掴み、じわじわと握り締めながら、 「Ⅿ1号、お尻の力をお抜き!さもないと、睾丸を握り潰してやるわよ!」 と脅した。浩明は、陰嚢から下腹に拡がる痛みに怯え、慌てて括約筋の力を抜き、肛門を緩めた。聡美夫人はその機を逃さず、右手中指を浩明の肛門にズブリと挿入した。 「ヒイィッ」 肛門と直腸に違和感を感じた浩明の口から、哀れな悲鳴が漏れた。午前中、肛門にディルドゥを突っ込まれた浩明であったが、この不快で異様な感覚に慣れることは、とても出来なかった。 「本当は、午前中の浣腸を済ませた後、直ぐに直腸検診しなければいけなかったのよ…うっかり忘れていたから、今してあげるわね」 聡美夫人は、浩明にそう説明しながら、やや曲げた右手中指をゆっくりと前後に動かした。聡美夫人の中指の腹が、熟練の技で浩明の前立腺を巧みに刺激し、彼は体の内部から膀胱が圧迫されるような感覚を覚えて、口から喘ぎ声が漏れた。浩明は先程射精したにも関わらず、股間のものを再び硬く屹立させた。 浩明が再度勃起したのを確認した聡美夫人は、右手中指を引き抜いて立ち上がり、 「早紀さん、あなたも直腸検診をしてみて」 と早紀に声を掛けた。早紀は浩明の後ろにしゃがむと、聡美夫人に倣って伸ばした右手中指を彼の肛門に挿入した。それから、浩明の直腸内で中指をやや曲げて、前後に動かした。早紀の中指も浩明の前立腺を絶妙に刺激し、彼に喘ぎ声を出させた。早紀はランチの時に聡美夫人から、前立腺マッサージのやり方を詳しく教えてもらっていた。早紀は、右手中指で浩明の前立腺を刺激しながら、左手で彼の硬く屹立したものを握り、ゆっくりとしごき始めた。早紀は脅すような低い声で、 「Ⅿ1号、言っておくけど、誰も射精を許可してないからね。懲りずにまた床を精液で汚したら、どんな懲罰を受けるかは分かっているでしょう」 と浩明に告げた。浩明は、前立腺の刺激だけでも射精しそうになっているのに、その上股間で硬く猛り敏感になっているものを、早紀の柔らかい手でしごかれては、とても耐えられそうになかった。恋人の早紀に恥ずかしい肛門を弄られながら、猛々しく屹立しているものをしごかれる屈辱と、今まで味わったことのない、下半身が破裂して溶けてしまいそうな強い快感が混ざり合い、浩明は自分が発狂するのではないかと、本気で心配した。 そして、浩明がもう駄目だと射精しそうになった瞬間、早紀は彼の股間で屹立しているものから手を放し、肛門から中指を抜いて、立ち上がった。後一歩で射精を許されなかった浩明は、切なそうな深いため息をついた。 聡美夫人と早紀は、ゴム手袋を外して傍のゴミ箱に捨て、乗馬鞭を握り直した。聡美夫人は浩明に、 「Ⅿ1号、気を付け!」 と号令を掛けた。浩明は直ぐに立ち上がり、直立不動の姿勢を取った。ただ、股間のものは、下腹を叩く程に極限まで硬く屹立していた。聡美夫人は意地の悪そうな笑みを浮かべ、 「Ⅿ1号、私達は真面目に直腸検診してたのに、お前はいやらしいことを考えて興奮し、こんなに勃起している訳ね」 と嘲るように言って、乗馬鞭の先で浩明の股間で屹立しているものをつついた。 「いえ、そんなことは…あの…その…」 恥ずかしさで顔を真っ赤にした浩明は、強く否定しようとしたが、股間の猛りが治まらないので何も弁明出来ず、しどろもどろに口を濁した。すると早紀が、 「こんなにいやらしく勃起しておいて、まだ何か弁解するつもりなの!」 と怒鳴り、乗馬鞭を一閃させて、浩明の股間のものを鋭く打ち据えた。 「アギャアァーッ」 勃起して敏感になっているものを乗馬鞭で叩かれた浩明は、股間のものがちぎり取られたような激痛を受け、獣じみた絶叫を浴室に響かせながらタイル床へ横倒しになり、芋虫のように体を曲げ伸ばしして悶え苦しんだ。早紀は、ニーハイブーツで浩明の頭を踏みにじり、 「囚人のくせに、適当なことを言って看守様をごまかそうとしても、そうはいかないわよ!全て正直に答えないと、懲罰を受けて痛い目を見るだけよ!」 と叱りつけた。浩明は、早紀のニーハイブーツの靴裏から、 「も、申し訳ありません…何とぞ、お許し下さい…」 と殆ど泣き声で、彼女に許しを請うた。しかし、早紀は更に浩明の頭をグリグリと踏みにじり、 「口だけの謝罪なんか、聞くだけで気分が悪くなるわ!それに、あそこを鞭打たれて射精するなんて、どういうつもりなのよ、この変態!」 と罵倒した。早紀のニーハイブーツの下で苦しんでいる浩明は、彼女に罵られて、初めて自分が射精していたことに気が付いた。浩明本人にも、鞭打たれてなぜ射精してしまったのか、全く分からなかった。ただ、射精の一歩手前まで追い詰められて敏感になっている陰茎に、鞭打ちの強烈な痛みが刺激となって、射精してしまったのではないかと、浩明は推測した。 早紀は、浩明の頭からニーハイブーツを外し、 「もういいから、さっきと同じ様に、お前の汚らわしい精液を舐め取って、床をきれいにおし!」 と彼に命じた。浩明は股間の強い痛みを堪えて、よろよろと四つん這いになり、浴室のタイル床に飛び散った自分の精液を、再度舐め取り始めた。四つん這いの浩明がタイル床の精液を舐め取っている間、早紀は乗馬鞭の先で、後ろから彼の股間にぶら下がっている陰嚢をつつき、 「鞭で打たれて射精するなんて、お前はひょっとして、マゾの変態なんじゃないの?痛いのが気持ちいいのなら、いくらでも鞭打ってあげるわよ、最低の変態マゾ!」 と酷く侮蔑した。恋人の早紀に蔑まれた浩明は、失くしたと思っていた口惜しさと屈辱に苛まれ、鼻の奥が熱くなって、目に涙が浮かんで来た。しかし、これ以上の懲罰を受けないために、黙々とタイル床の精液を舐め取り続けた。 浩明が精液を舐め取り終わると、聡美夫人は、 「Ⅿ1号、立って、両手を背中にお回し!」 と命じて、彼に後ろ手錠を掛けた。今度は早紀が革紐を手にし、浩明の股間のものに括り付けた。聡美夫人が浩明に、 「Ⅿ1号、一旦戻るわよ」 と言うと、早紀は革紐をぐいっと引っ張り、 「ぼやぼやしてないで、とっととお歩き!」 と彼に命じ、先導して歩き出した。全裸の浩明は、股間のものを革紐で引っ張られ、腰を突き出した恥ずかしく惨めな姿で、懸命に早紀の後を追った。午前中と同じく、恋人の早紀に股間のものを革紐で引かれて歩くのは、浩明に耐え難い屈辱を味わせ、顔を苦し気に歪ませた。しかし、革紐を引いて先を歩いている早紀は、午前中とは違って浩明を蔑むような笑みを浮かべ、たびたび後ろを振り返り、彼が屈辱に苛まれて苦しんでいる様子を見ては楽しんでいた。 長い廊下を歩き、鉄格子の部屋の前に着くと、聡美夫人は早紀に指示し、浩明の股間のものに括り付けた革紐を解かせたが、彼を部屋に入れようとはしなかった。聡美夫人は廊下突き当りにあるロッカーを開けて、自分と早紀の乗馬鞭を仕舞い、代わりにアイマスクと黒光りする一本鞭を二本取り出した。聡美夫人は、その内の一本を早紀に渡し、全裸で後ろ手錠姿の浩明に、 「Ⅿ1号、これから、午後の運動を始めるわよ」 と告げて、彼に嫌な予感をさせた。聡美夫人は、浩明から少し離れて間合いを取り、 「運動する前に、まず、この鞭の威力を教えてあげるわ」 と言って一本鞭を振り上げると、浩明の体に思い切り叩きつけた。空気を切り裂く音がして、一本鞭が浩明の体に絡み付き、彼は真っ赤に焼けた日本刀で体を切り裂かれたような激痛を感じて、
廊下中央に来ると、聡美夫人は浩明を立ち止まらせ、彼にアイマスクを掛けて視界を奪った。そして、今から行う運動について説明し始めた。 「Ⅿ1号、ただ運動するだけじゃ、面白くないでしょうから、ゲーム的要素を取り入れるわ…今から、目隠し鬼をするわよ。私と早紀さんは、分かれて廊下の端に立つわ。私達は、不規則に真ん中のお前に近づき、この一本鞭が届く距離になったら、お前を鞭打つの。お前は見えないから、私達のブーツの靴音で距離を判断して、一本鞭が届かない距離に離れなさい…それじゃ、始めるわよ」 聡美夫人は浩明にざっとルールを説明すると、早紀と分かれて、それぞれブーツの靴音をカツンカツンと響かせ、廊下の端に歩いて行った。廊下中央に残された浩明は、恐怖で顔が青ざめていた。 (目が見えないのに、靴音で距離を判断しろと言われても、到底無理だ…かと言って、あの威力が凄すぎる一本鞭で打たれるのは、絶対に嫌だ…しかし、一体どうすれば…) 何とか一本鞭から逃れられる方法は無いものかと、浩明が堂々巡りの考えに陥っていると、両側からカツンカツンとブーツの靴音が近づいて来た。聡美夫人と早紀は、浩明を恐がらせるために、わざと大きい靴音を立てていた。全裸に後ろ手錠姿の浩明は、見えないのにキョロキョロと首を振り、どちら側に逃げようかと焦っていた。浩明に近づいた早紀は一本鞭を振り、浩明の足元近くの廊下を叩いて、大きな鞭音を響かせた。 「ヒイィッ」 鞭音に怯えて、悲鳴を上げて飛び跳ねた浩明に、 「Ⅿ1号、鞭が届く距離になっているわよ。さっさと、逃げなさい」 と早紀は笑いをかみ殺して、注意した。焦った浩明は速足で、早紀から遠ざかろうとした。しかし、見えない浩明は、逆に早紀に近づいていた。今度は、聡美夫人が一本鞭を振り、浩明の背中を打った。 「ギャアァーッ」 背中を切り裂かれたような激痛に、浩明は絶叫を上げて、廊下にうずくまった。聡美夫人は、浩明が壊れてしまわないように、ある程度手加減して打ったのだが、それでも一本鞭の威力は強烈だった。聡美夫人は浩明に、 「ほらほら、もっと集中して私達の靴音を聞き取りなさい。その調子では、体中が鞭痕の赤い筋だらけになってしまうわよ。私達は、一旦お前から離れるからね」 と言い、彼女と早紀は分かれて、カツンカツンとブーツの靴音を響かせながら、浩明から離れて行った。二人の靴音が遠ざかるのを聞きながら、浩明はよろよろと立ち上がったが、一本鞭から逃れる方法が全く思いつかなかった。 この閉塞状況からどのように脱出するか、浩明が必死にあれこれ考えていると、再びカツンカツンと二人の靴音が近づいて来た。焦った浩明が、当てずっぽうに速足で歩くと、早紀が右腕を水平に振り、一本鞭が浩明の胴体に巻き付いた。 「ウギャアァーッ」 腹を切り裂かれたような激痛と、内臓まで響く不快な衝撃に、浩明は喉が裂けるような絶叫を上げ、廊下にしゃがみ込んだ。早紀が右腕を振って、浩明の胴体に巻き付いた一本鞭を外すと、聡美夫人がしゃがみ込んだ彼を一本鞭で打って、再度絶叫を上げさせた。 「もう、何をしているのよ!ちゃんと逃げなきゃ、目隠し鬼にならないでしょう。しっかり、私達の靴音を聞き取りなさい!」 聡美夫人が浩明に注意すると、二人はまたブーツの靴音を響かせながら、彼から離れて行った。よろよろと立ち上がった浩明には、どうすれば一本鞭から逃れられるのか、見当もつかなかった。 聡美夫人と早紀のブーツの靴音がカツンカツンと近づいて来て、浩明は真剣に二人の靴音を聞き取ろうとした。しかし、聡美夫人と早紀は笑いを堪えて、その場で足踏みしたり、後ずさりしたりして、見えない浩明を翻弄した。浩明が焦っていると、早紀は一本鞭を振り、彼の太腿を強く打ち据えた。 「ギャアァーッ」 焼けたワイヤーロープで打たれたような激痛と衝撃を太腿に受けた浩明は、悲鳴を上げて廊下にうずくまった。聡美夫人は、太腿が火傷したような激痛に苦しんでいる浩明に、 「ほらほら、注意して私達の靴音を聞き取らないと、もっと鞭打たれるわよ…私達はお前から離れるから、ちゃんと立ちなさい!」 と命じた。浩明が太腿の痛みを堪えて、よろよろと立ち上がると、聡美夫人と早紀は分かれて、ブーツの靴音を響かせながら離れて行った。どうあがいても一本鞭から逃れられない浩明は、うなだれて途方にくれた。 どうしようもないと、殆ど絶望している浩明の耳に、カツンカツンと聡美夫人と早紀が近づいて来るブーツの靴音が響き、彼は恐怖で全身に鳥肌が立った。今の浩明には、ブーツの靴音が強い恐怖となって心に刻み込まれ、完全にトラウマになっていた。見えない浩明は、焦って首をキョロキョロさせ、聞き耳を立てて聡美夫人と早紀から少しでも遠ざかろうと、無駄なあがきをした。 早紀は、自分の方に体を向けている見えない浩明に近づいて、一本鞭を下から掬い上げるように振り、彼の股間部分を強かに鞭打った。 「ウゲエェーッ」 急所である陰茎と陰嚢、それに神経が集中している肛門を同時に鞭打たれた浩明は、獣の咆哮みたいな絶叫を上げて廊下に倒れ、のたうち回って苦しんだ。聡美夫人は、 「何を寝転んでいるのよ!さっさと、お立ち!」 と浩明を叱りつけ、のたうち回って苦しんでいる彼へ更に一本鞭を振るい、続けて悲鳴を上げさせた。興奮した早紀も、廊下に倒れている浩明に一本鞭を何度か振り下ろし、真っ赤に焼けた刃物で生きながら体を切り刻まれるような激痛を彼に与えた。浩明は、もはや悲鳴を上げることすら出来なくなり、廊下にうつ伏せでぐったりとしていた。さすがに聡美夫人は、 「早紀さん、もうそれ位にして!それ以上鞭打ったら、囚人がショック死する虞があるわ」 と注意して、一本鞭を振り上げている早紀を止めた。聡美夫人に鞭を止められた早紀は、自分が浩明を殆ど半死半生にしてしまったことに初めて気づいたような表情をして、振り上げていた右手を下ろした。 「すみません…興奮してしまって、つい…」 早紀が意気消沈した声で謝ると、聡美夫人は笑顔で、 「早紀さん、そんなに気にしないで…初めて鞭を使うサディスティンには、結構ありがちなのよ。SⅯの世界では、“鞭に酔う”と表現するんだけれど、つい興奮して、マゾ男に鞭を振るい過ぎちゃうのよね。興奮して鞭打ちを楽しむのはいいんだけど、少しでも冷静なところを残しておかないと、マゾ男が壊れてしまって自分が楽しめなくなるから、次からは気をつけて頂戴ね」 と優しい口調で諭した。 それから、聡美夫人はしゃがんで、廊下にうつ伏している浩明のアイマスクを取り、後ろ手錠を外した。ぐったりと意識朦朧になっている浩明は、ブツブツと何かを呟いていた。聡美夫人が浩明の口元に耳を近づけると、彼は聡美夫人と早紀に慈悲を請う言葉を、繰り返し呟いていた。苦笑いした聡美夫人は、立ち上がって乗馬用ブーツの踵をうつ伏せになっている浩明の背骨に載せ、ジワリと体重を掛けた。それが柔道の活の代わりになり、浩明の意識がはっきりしてきた。 浩明の意識が戻って来たのを見取った聡美夫人は、乗馬用ブーツを彼の背中から頭に移し、グリグリと踏みにじりながら、 「Ⅿ1号、お遊びの目隠し鬼でへたばるなんて、情けないにも程があるわね…仕方ないから、午後の運動は終わりよ。さっさと立って、自分の部屋にお戻り!」 と命令した。聡美夫人が浩明の頭から乗馬用ブーツを外し、彼は立ち上がろうとしたが、一本鞭による打撃のダメージが体に蓄積している上に、全身に鞭痕の赤い筋が縦横無尽に刻み込まれ、体が引きつって手足がうまく動かせなかった。とても立ち上がれそうもない浩明の様子を見た聡美夫人は、深いため息をついて、 「Ⅿ1号、立てなかったら、這って自分の部屋にお戻り」 と命じた。今の浩明には這うのも辛かったが、仕方なく四つん這いになり、鉄格子の部屋に向かってよろよろと這い進んだ。手を前に出すのも体が軋んで痛み、長い廊下を這い進むのは、浩明にとって苦難の道のりだった。浩明が辛そうに這い進むのを見下ろした早紀は、鞭打ちの時は我を忘れて興奮せずに、出来るだけ冷静になろうと、自分を戒めた。 四つん這いの浩明が、何とか鉄格子の部屋に辿り着くと、彼はコンクリートの床に突っ伏し、そのまま動けなくなってしまった。再びため息をついた聡美夫人は、ベッドの毛布を床でうつ伏せている浩明に掛けてやり、早紀と共に立ち去った。 息も絶え絶えの浩明が、コンクリートの床に横たわってしばらくすると、聡美夫人とお盆を持った早紀が鉄格子の部屋に入って来た。早紀は、浩明の顔の前にお盆を置いた。お盆の上には、水が入った紙コップと、何かの薬が数錠載っている紙皿があった。聡美夫人は横たわっている浩明に、 「Ⅿ1号、これは消炎鎮痛剤と、睡眠導入剤よ。発熱するかもしれないから、今の内に飲んでおきなさい」 と言い残し、早紀と一緒に鉄格子の部屋を出て行った。浩明は、 (畜生…こんなに酷い目に遭わせておいて、親切ごかしに薬を置いておくなんて…) と内心反発したが、薬を飲んでおかないと結局自分が辛くなるので、紙皿の薬を全部口に入れ、紙コップの水で一気に飲み下した。そして、そのままコンクリートの床で横たわっていたが、睡眠導入剤が効いてきたのか、うとうとし始め、いつの間にかぐっすり寝込んでしまった。 コンクリートの床で毛布にくるまって寝入っていた浩明は、カツンカツンと廊下に響くブーツの靴音で目を覚まし、直ぐに身を起こした。午後の“目隠し鬼”で強いトラウマを植え込まれた浩明は、ぐっすりと眠っていても、ブーツの靴音に敏感になって反応してしまい、瞬時に目が覚めたのだった。 全裸の浩明が身を起こした時に、少し体が引きつって節々が痛んだが、寝る前に服用した消炎鎮痛剤のおかげか、痛みはかなりやわらいでいた。廊下の窓が暗くなっているので、既に夜になっているようだった。浩明は、近づいて来るブーツの靴音に強い恐怖を感じて、ガタガタと震え出した。 鉄格子越しに聡美夫人と早紀の姿が現れたのを見た浩明は、命じられてもないのに、慌ててくるまっていた毛布をベッドに放り投げ、コンクリートの床で土下座した。聡美夫人は鉄格子の扉を開け、お盆を持った早紀と一緒に部屋へ入って来た。聡美夫人は、全裸でひれ伏している浩明を見下し、 「Ⅿ1号、なかなか殊勝な態度ね…ようやく、囚人の身分が自覚出来たようだわ」 と言って、乗馬用ブーツのつま先を彼の顔の前に突き出した。 「今度から、私達が部屋に入る度にそうやってひれ伏し、ブーツに挨拶のキスをしなさい」 聡美夫人はそう命じて、浩明に乗馬用ブーツへキスさせた。聡美夫人が足を引くと、次に早紀がニーハイブーツを突き出し、浩明へ同じ様にキスさせた。女の、しかも恋人の早紀のブーツにキスするのは、浩明とって耐え難い屈辱であったが、今の彼には屈辱より恐怖の方が勝っていた。 早紀は足を引くと、ひれ伏している浩明の前にお盆を置いた。 「Ⅿ1号、顔を上げなさい」 聡美夫人に命じられた浩明が、恐る恐る上半身を起こすと、お盆には水の入った紙コップ、電子レンジで温めたパックご飯、紙の容器に入ったインスタント味噌汁、それにサバ缶の中身を乗せた紙皿があった。聡美夫人は、 「お前が遅くまで寝ているから、他の刑務作業が出来なかったわ…今日はもう仕方ないから、夕食を摂りなさい」 と言って、早紀と部屋を出て行った。二人が遠ざかって行き、ほっと安堵した浩明は、お盆の割りばしに手を伸ばし、粗末な夕食を摂り始めた。 浩明が夕食を摂っている頃、聡美夫人と早紀は別室でボトルワインを空けながら、レストランからデリバリーされた豪華な夕食を楽しんでいた。食事をしながら、聡美夫人はマゾ男の責め方を詳しく説明し、早紀は目を輝かせて興味津々に拝聴していた。 粗末な夕食を済ませた全裸の浩明は、ベッドにもたれ掛かって、ぼんやりとこれからの事を考えていた。そんな浩明の耳に、カツンカツンと近づいて来るブーツの靴音が響き、彼は恐怖で震え上がった。直ぐに浩明は、鉄格子の扉に向かってひれ伏した。 コンクリートの床でひれ伏した浩明には、鉄格子の扉の前でブーツの靴音が止まったのが分かった。扉が開く音がして、ひれ伏している浩明の顔に、乗馬用ブーツのつま先が突き出された。浩明は躊躇することなく、ブーツにキスをした。乗馬用ブーツが引かれ、代わりにニーハイブーツのつま先が突き出された。浩明は、又も直ぐにブーツへキスした。ニーハイブーツが引かれると、 「Ⅿ1号、顔をお上げ!」 と頭上から聡美夫人の声が響いた。浩明が上半身を起こして、正坐の姿勢になると、 「食器を下げなさい」 と聡美夫人から命じられ、彼は床のお盆を手にして立ち上がった。昼食後と同じ様に、全裸でフリチン姿の浩明は、先を歩く聡美夫人と早紀の後ろを、トボトボとついて行った。聡美夫人は、浩明にお盆の紙皿等を給湯室のゴミ箱に捨てさせ、お盆を棚に置かせると、彼を浴室前の洗面所につれて行き、就寝前の歯磨きをさせた。背後で聡美夫人と早紀に見張られている浩明は、これから何をされるのかとビクビクと怯えながら、不安げに歯を磨いた。 しかし意外にも、歯を磨き終わった浩明は、特に何もされなかった。後ろ手錠を嵌められて、股間のものを革紐で結ばれ、恋人の早紀に引っ張られるという耐え難い屈辱を受けはしたが、そのまま鉄格子の部屋に戻された。 浩明を部屋に入れて後ろ手錠と革紐を外し、鉄格子の扉を閉めた聡美夫人は、廊下のスイッチを切って部屋の明かりを消した。聡美夫人は、 「Ⅿ1号、もう就寝時間だから、明日に備えてよく眠っておきなさい…それと、今日一日で早紀さんは看守業務が大体理解出来たみたいだから、明日からは彼女主導で看守業務を行うわよ…楽しみにしてなさい」 と言い残して、早紀と一緒に立ち去った。一人部屋に残された浩明は、嫌な予感で背筋にぞくりと悪寒が走りながらも、ベッドに上がって横たわり、毛布にくるまって目を閉じた。浩明は、今日一日自分がされた屈辱的な虐待を思い返し、なかなか寝付けなかった。 (やっと心理実験の1日目が終わったが、後9日もある…残り9日間を、自分は精神と肉体を正常に保ったまま、無事に過ごせるのだろうか…) ベッドに横たわって目を閉じている浩明は、色々と思い悩んでいたが、いつの間にかぐっすりと寝入っていた。 カツンカツンと廊下に響くブーツの靴音で、浩明は目を覚まし、ベッドからガバッと身を起こした。それから、急いでコンクリートの床に降り、土下座の姿勢を取った。昨日に強いトラウマを刻み込まれた浩明は、ぐっすり眠っていても、ブーツの靴音に敏感に反応し、直ぐに目を覚ましたのだった。浩明は寝起きであっても、ブーツへの恐怖で眠気は吹っ飛んでいた。 鉄格子の扉が開く音がして、ブーツの靴音が間近に来たので、土下座している浩明の体は恐怖で小刻みに震えた。 「お早う、Ⅿ1号」 頭上から早紀の声が降って来て、ひれ伏している浩明の顔に、ニーハイブーツのつま先が突き出された。浩明は反射的に、ニーハイブーツのつま先にキスし、 「お早うございます、早紀様」 と挨拶した。恐怖で身震いしている浩明には、口惜しさを感じる余裕すら失われていた。早紀が足を引くと、代わりに乗馬用ブーツのつま先が突き出された。浩明は同じ様に、乗馬用ブーツのつま先にキスして、 「お早うございます、聡美様」 と挨拶した。聡美夫人は微笑み、 「すっかり、囚人らしくなったわね」 と満足そうに呟いた。聡美夫人が足を引くと、早紀は浩明に、 「Ⅿ1号、顔をお上げ!」 と命じた。浩明が恐る恐る上体を起こして、早紀を見上げると、彼女は冷酷そうな目で彼を見下していた。浩明には、早紀が昨日よりナチス親衛隊の軍服が、しっくりと似合っているように見えた。浩明は一瞬、ここがナチスの強制収容所で、自分は処刑を待つ哀れな虜囚のように錯覚した。 「朝の洗顔に行くから、お立ち!」 早紀に命じられた浩明は、直ぐに立ち上がったが、急に強い尿意を感じた。浩明はオドオドした口調で、 「あ、あの…早紀様。先にトイレを済ませても、よろしいでしょうか…」 と早紀にお伺いを立てた。早紀は、仕方ないという風に顔をしかめ、 「さっさと、そこでおし!」 と言って、コンクリートの床に嵌め込まれているステンレス製の和式便器へ、顎をしゃくった。浩明が和式便器に跨って立つと、 「Ⅿ1号、立ってオシッコしたら、飛沫が散って汚れるでしょう!しゃがんで、オシッコおし!」 と早紀から厳しく注意された。浩明は止むを得ず、女みたいに和式便器にしゃがんだ。尿意は高まっていたのだが、早紀と聡美夫人にじっと見張られているので、なかなか尿が出なかった。 「Ⅿ1号、さっさとオシッコしなさいよ!それとも、私に嘘をついたの!?」 早紀から苛立たしそうに催促され、怯えた浩明は、 「い、いえ、そんな事はありません。ただ今…」 と慌てて答え、何とか尿を出そうと焦った。やっと尿が出てひと安心したが、今度は排尿する姿を早紀と聡美夫人に見られているのを意識し、急に恥ずかしさが込み上げて来て、顔が赤くなった。 排尿が終わり、浩明が陰茎を振って尿の雫を切っていると、早紀は、 「女と違って、男ってオチンチンを振って、オシッコの後始末をするから、滑稽よね」 と蔑んで、浩明の顔を更に赤くさせた。早紀は、廊下に出てボタンを押し、和式便器に水を流すと、 「Ⅿ1号、朝の洗顔に行くわよ。さっさと立って、両手を背中にお回し!」 と浩明に命令した。立ち上がった浩明が、両手を背中にやると、聡美夫人が後ろ手錠を掛けた。早紀はしゃがんで、浩明の股間のものに革紐を結び付けると、 「とっとと、お歩き!」 と言い、革紐をぐいっと強く引っ張って、先に歩き出した。浩明は、股間のものが引きちぎれられそうな痛みに、 「ああっ、待って、待って下さい…」 と情けない声で哀願し、腰を突き出した惨めな姿で、よたよたと早紀の後を歩いて行った。股間のものを引っ張られている哀れな浩明の後ろを、聡美夫人が笑みを浮かべながらついて行った。 浴室前の洗面所に着くと、浩明は後ろ手錠と股間の革紐を解かれ、T字カミソリとシェービングクリームの缶を渡されて、髭を剃るよう命じられた。浩明が髭を剃り終えると、 「Ⅿ1号、腋毛と陰毛もきれいに剃るのよ!」 と早紀から命じられた。浩明は、下唇を噛んで屈辱に耐え、命じられた通りにボツボツと生え掛けている腋毛と陰毛を、注意して丁寧に剃った。それが済むと、ドアが開けっ放しの浴室に入って、シャワーで体を洗うよう命じられた。浩明は、シャワーで濡らした頭に固形石鹼を擦り付け、泡立たせて頭髪と全身を洗った。浩明が石鹸の泡をシャワーで洗い流すと、早紀から、 「Ⅿ1号、自分で直腸洗浄おし!」 と命令された。 「直腸洗浄…?あの、それは一体、どうやって…?」 早紀の命令がよく理解出来なかった浩明は、恐る恐る彼女に訊き返した。早紀は浩明に、 「まず、排水口の蓋を外しておきなさい。それから、シャワーヘッドを取り外して、シャワーホースの先を自分の肛門に挿し込み、直腸にお湯を流し込むのよ。お腹が膨れて便意が高まったら、排水口に肛門を宛がって、排便しなさい。それを、肛門から出るお湯が透明になるまで3、4回繰り返しなさい。そうやって、直腸内の便を全てきれいに取り除くのを、直腸洗浄と言うのよ…やり方が分かったら、さっさとおし!」 と直腸洗浄の説明をして、実行するよう命じた。あまりにも恥ずかしく屈辱的な命令に、浩明は顔色を変え、 「い、いくら何でも、そんな恥ずかしいことは…」 と思わず口答えしてしまった。乗馬鞭を持っている早紀と聡美夫人がキッと睨んだので、浩明は、 (しまった、鞭打たれる…) と鞭打ちを覚悟したが、その予想は外れた。聡美夫人は鼻で笑い、 「ふんっ、自分で直腸洗浄が出来ないのなら、昨日みたいに私が浣腸してあげるわ。グリセリン液の量は倍にして、アナルストッパーで一時間は栓をしてやるからね!」 と浩明を脅した。浩明は、昨日に浣腸をされて、腸が捻じ切れそうな激痛を受けたことを思い出し、震え上がった。 「そ、それだけは勘弁して下さい…直ぐに直腸洗浄します」 怯えた浩明は、急いで返事をしてしゃがみ、排水口の蓋を外した。それから、シャワーヘッドを回して、シャワーホースから外して、シャワーホースの先を自分の肛門に1cmか2cm位挿し込んだ。 浩明がシャワーのコックをゆっくり捻ると、彼の直腸内にお湯が少しずつ注入され、段々と下腹が張ってきた。直腸洗浄に慣れていない浩明は、直ぐに強い便意を感じ、排水口にしゃがみ込んで、自分の肛門を宛がった。その途端、大きな音がして、浩明の肛門からお湯混じりの軟便が噴出した。大部分の軟便は排水口に入ったが、一部はタイル床にはみ出た。浩明は早紀から、 「Ⅿ1号、臭いが拡がらない内に、洗い流しなさい!」 と命じられたので、シャワーホースから出るお湯で、タイル床の軟便を急いで排水口に流し込んだ。浩明は、シャワーホースで自分の直腸にお湯を流し込み、肛門から噴出させるといった動作を3回繰り返し、噴出するお湯が透明になって、ようやく直腸洗浄が済んだと聡美夫人からOKが出た。しかし、早紀と聡美夫人が見ている前で排便する恥ずかしさは、浩明の心に深い傷を残した。 「Ⅿ1号、直腸検診してあげるから、四つん這いにおなり!」 早紀は、薄いゴム手袋を両手に嵌めながら、浩明に命令した。聡美夫人ではなく、恋人の早紀から酷い命令を受けた浩明は、屈辱で顔を赤くして体を震わせたが、それでも懲罰を恐れて直ぐに四つん這いになった。ブーツを履いたまま浴室に上がり込んだ早紀は、昨日と同じように石鹸の泡をゴム手袋に塗れさせ、四つん這いになっている浩明の肛門に右手中指を挿入した。早紀は、浩明の前立腺を右手中指で巧みに刺激しながら、左手で彼の陰嚢を優しく揉みほぐした。 「あううっ…」 下腹内部から膀胱を圧迫するような甘美な刺激を受け、陰嚢を優しく揉まれた浩明は、思わず呻き声を漏らした。早紀に肛門を弄られながら陰嚢を揉まれる耐え難い屈辱は、浩明の自尊心を酷く傷つけたが、それを上回る快感には抗えず、彼の股間のものは直ぐに硬く屹立してしまった。早紀は前立腺への刺激を続けながら、左手を陰嚢から硬く勃起したものに移し、ゆっくりとしごき始めた。 「ぐうぅっ…」 下半身がとろけそうな強烈な快感に、浩明の口から堪え切れないという感じの呻き声が出て、あっと言う間に射精してしまいそうだった。しかし、浩明が射精する寸前に、早紀は硬く勃起しているものから左手を放し、右手中指を肛門から引き抜いて、立ち上がった。 「はあぁ…」 後一歩で射精出来なかった浩明は、切なそうなため息をついた。早紀は両手のゴム手袋を外しながら、 「Ⅿ1号、こっちを向いて、正坐おし!」 と浩明に命じた。四つん這いの浩明は、早紀の方によろよろと体の向きを変え、浴室のタイル床に正坐した。ゴム手袋を浴室の外に放り投げた早紀は、正坐した浩明に目が眩む程の往復ビンタを張った。 「ヒイィッ」 早紀は、悲鳴を上げた浩明に、 「看守の私が真面目に直腸検診しているのに、何をいやらしいことを考え、興奮して勃起しているのよ!この変態!」 とひどく叱りつけた。何とも理不尽な叱責であるが、浩明に言い返せる訳も無く、 「…申し訳ございません。何とぞ、お許しください」 と口惜しさを押し殺し、早紀の足元に土下座して謝罪することしか出来なかった。早紀は、ひれ伏している浩明の頭をニーハイブーツで踏みにじりながら、 「直腸検診の次は、労役だけど、少し予定を変えないといけないわね…」 と呟くように言って、彼の胸を嫌な予感でざわつかせた。浩明の頭からニーハイブーツを外した早紀は、一旦浴室を出て、それから汚れたパンティを2枚手にして、戻って来た。
とひどく侮蔑し、彼の目に屈辱の涙を浮かばせた。 早紀は、浴室のタイル床に膝立ちして、涙ぐんでいる浩明の正面に近づいて密着すると、彼の股間で硬くいきり立っているものを、ニーハイブーツを履いた両脚で挟み込んだ。早紀は浩明に、 「Ⅿ1号、お前も男だから、そんなに興奮して勃起していたんじゃ、射精してスッキリしないと、まともに労役が出来ないでしょう?両腕で私の脚を抱いて腰を動かし、勃起しているものを私のブーツに擦り付けて、出すものを出しておしまい!」 と恥辱的な命令を下した。さすがに浩明は一瞬躊躇ったが、懲罰を受けるのを恐れ、おずおずと両腕を早紀の太腿に回して抱きつき、腰をゆっくりと前後に動かし始めた。硬く屹立しているものをニーハイブーツに挟まれて、本革で擦れている感触は、今まで浩明が経験したことのない独特なものだった。最初は嫌々と言うか、おっかなびっくりに腰を動かしていた浩明だったが、本革の感触に抗えず、腰の動きが徐々に速くなっていった。 「Ⅿ1号、お前はパンティの汚れをしゃぶり、臭いを嗅ぎながら女の脚に抱きつき、腰を振って勃起したものを女のブーツに擦り付けているのよ。今のお前は、発情期の雄犬が人間の脚に抱きついて、腰をヘコヘコ振っているのと全く同じだわ。もっとも、犬だって汚れたパンティをしゃぶったり、臭いを嗅いだりしないわよ。もう、お前は人間を辞めて、犬畜生以下の醜悪な変態になってしまったのね」 頭上から早紀の侮蔑が降ってきて、耐え難い屈辱に浩明の目から涙がこぼれた。しかし、汚れたパンティを口に押し込まれて、顔に被せられた浩明は、その饐えたような強烈な臭いと、酸味とえぐみの入り混じったような生臭い味で、脳が痺れたようにまともにものが考えられなくなっていた。その上、硬く怒張して敏感になっている股間のものが、本革ニーハイブーツとの摩擦で得られる快感で、浩明の理性はどこかに消え去っていた。半ば錯乱状態に陥っている浩明は、早紀が侮蔑した通り、何も考えられずに発情期の雄犬みたいに腰を振っていた。 早紀の太腿に抱きつき、無心で腰を振っていた浩明だったが、不意に股間で極限まで怒張していたものが破裂したように感じ、背骨に電流が走ったような感覚を覚え、ニーハイブーツの間から夥しい白濁液を噴出してしまった。射精した瞬間、浩明は脊髄や神経といったものが体から引き抜かれたような気がして、全身の力が抜けてしまい、早紀の太腿に抱きついていた両腕が力無く離れ、浴室のタイル床に手を着いて、がっくりとうなだれた。 この様に、女性が見つめている羞恥の中で男を強制的に射精させると、反抗心や気力が極端に削がれてしまって、女性に一切逆らえなくなる上に、もう普通のセックスの刺激では興奮出来なくなるのを、聡美夫人は熟知していた。昨日、聡美夫人は早紀に男をマゾ奴隷に落とす調教方法を色々と教え、本日早紀に実行させたのだった。 射精し終わって理性が戻り、ようやく思考回路が復活した浩明は、今更ながら自分が早紀と聡美夫人の前で晒した醜態を思い、強烈な羞恥心に苛まれてすすり泣き始めた。 しかし早紀には、悲しみに浸る余裕を浩明に与えるつもりは、全く無かった。聡美は、うなだれている浩明の顔からパンティを剥ぎ取り、彼の口からはみ出ているパンティの端を掴んで引っ張り出して、それぞれを浴室のタイル床に放った。それから、浩明の髪を左手で掴んで引き上げ、顔を上向かせると、右手で目から火花が散る程の力強い往復ビンタを張った。 「ヒイィッ」 悲鳴を上げた浩明に、早紀は、 「Ⅿ1号、私のブーツをお前の汚らしい精液で汚しておいて、何を呑気にメソメソしているのよ!責任を取って、さっさと舐め取りなさい!」 と命じて、ニーハイブーツを履いた両脚を肩幅に開き、仁王立ちになった。浩明は、早紀の股くぐりをするような格好で、彼女のニーハイブーツに付着した自分の精液を舐め取った。恋人である早紀のブーツを、しかも自分の精液を舐めさせられる屈辱は、浩明の胸を深く抉り、また新たな口惜し涙を目に浮かばせた。同時に、ブーツには恐怖を感じていた筈なのに、そのブーツで射精してしまったことが、浩明の頭をかなり混乱させていた。 早紀のニーハイブーツを舐めてきれいにした浩明は、昨日と同じく浴室のタイル床に飛び散った精液も舐め取らされるか思ったが、時間が勿体無いという理由で、シャワーで洗い流すのを早紀から許可された。その後は昨日みたいに、早紀と聡美夫人の汚れたパンティを手洗いさせられ、物干し台で干した。その際に浩明はオズオズと、 「あの…昨日干した囚人服は、どこでしょうか?」 と尋ねると、聡美夫人は、 「ああ、あれなら、汚れが十分に落ちてなかったから、クリーニングに出したわよ。ここは空調が効いているから、別に服を着なくても問題無いでしょう…でもまあ、真っ裸のままだったら、囚人の目印が無いから、これを首に着けておきなさい」 と答え、手にしていた犬用の黒色首輪を彼に渡した。浩明は思わず、僕は犬じゃないと言いたくなったが、早紀と聡美夫人が持っている乗馬鞭に目がいき、黙って革の首輪を自分の首に巻き付けた。 それから、浩明は後ろ手錠を掛けられ、股間のものに革紐を括り付けられて、鉄格子の部屋まで早紀に引っ張られた。部屋に入れられ、後ろ手錠と革紐を解かれた浩明は、正坐しておくよう命じられた。早紀と聡美夫人が部屋を出て行った後、コンクリートの床に正坐している浩明は、首に着けている首輪が気になっていた。 (全裸で首輪だけを着けているなんて、囚人じゃなくペットじゃないか…いや、ペットならまだ可愛がってもらえるから、ペット以下の家畜だ…) 浩明が色々と考えていると、廊下からカツンカツンとブーツの靴音が近づいて来た。ブーツの靴音に恐怖を感じた浩明は、直ぐに土下座の姿勢を取った。ブーツの靴音が部屋の前で止まり、鉄格子の扉が開く音がした。それから、ブーツの靴音が土下座している浩明に接近し、伏せている彼の顔にニーハイブーツのつま先が突き出された。浩明が直ぐにキスすると、次に乗馬用ブーツのつま先が突き出され、同じ様にキスした。そして、頭上から早紀の声が聞こえた。 「Ⅿ1号、顔をお上げ!」 浩明が恐る恐る上体を起こすと、早紀が彼の前にお盆を置いた。 「お前の朝食よ。さっさと食べなさい」 早紀はそれだけ言うと、浩明が礼を述べるのを待たずに、聡美夫人と直ぐ鉄格子の部屋を出て行った。お盆には、焼いていない食パン2枚と既に殻が剥かれてあるゆで卵1個が乗った紙皿、それと野菜ジュースの入った紙コップが置いてあった。浩明は、ブーツの靴音が遠ざかるのを待って、お盆の上の朝食に手を伸ばした。浩明は質素な朝食を摂りながら、 (全く、粗末な食事ばかりだ…これだけ酷い目に遭わされているんだから、飯ぐらいは美味いものを出してくれればいいのに…) と内心不満タラタラだったが、これが最後の人間らしい食事になるとは、今の彼に想像がつく筈も無かった。 浩明が朝食を食べ終えた頃、廊下からブーツの靴音が聞こえてきた。浩明は恐怖に身震いし、直ぐに土下座の姿勢を取った。鉄格子の扉が開く音がして、ブーツの靴音が土下座している浩明の前で止まり、ニーハイブーツのつま先が突き出された。浩明は、 「早紀様、朝食をご馳走して戴き、誠にありがとうございました」 と礼を述べてから、ニーハイブーツのつま先にキスした。次に乗馬用ブーツのつま先が突き出され、 「聡美様、朝食をありがとうございました。とても美味しかったです」 と浩明は礼を述べて、同じ様にキスした。 「Ⅿ1号、顔をお上げ!」 早紀に命じられた浩明が上体を起こすと、彼女はお盆を持ち上げ、 「午前中の運動開始時間は1時間後だから、それまでベッドで横になって、食休みしておきなさい」 と言って、聡美夫人と部屋を出て行った。昨日は、浩明がお盆を給湯室に持って行かされた後に、酷い目に遭わされたので、早紀の優しい指示を意外に思った。浩明は、ブーツの靴音が遠ざかるのを待って、有難くベッドで横になった。 ベッドで小1時間位ウトウトしていると、廊下からカツンカツンとブーツの靴音が聞こえてきた。浩明は恐怖で直ぐに目が覚め、ベッドから飛び降り、コンクリートの床で土下座した。鉄格子の扉が開く音がして、 「Ⅿ1号、運動の時間よ。廊下に出て来なさい!」 と早紀の命じる声が聞こえた。浩明は直ぐに立ち上がり、鉄格子の部屋から廊下に出た。聡美夫人は、廊下突き当りにあるロッカーを開き、膝当てパット付きサポーターを一組取り出して、 「これを両膝に着けなさい」 と浩明に命じて、放り投げた。浩明が、急いで膝当てパット付きサポーター両膝に装着すると、早紀から、 「Ⅿ1号、四つん這いにおなり!」 と命令された。直ぐに四つん這いになった浩明は、早紀と聡美夫人の足元に目がいき、二人のブーツによく光る拍車が付いているのに、初めて気がついた。聡美夫人は、ロッカーから手綱付きのハミと革製の鞍を取り出し、 「口を開けなさい!」 と四つん這いの浩明に命令して、彼の口にハミを咬ませ、後頭部でハミに付いている革紐を結んで、しっかりと固定した。それから、浩明の背中に革製の鞍を乗せ、鞍に付いているベルトを彼の腹に回して、しっかりと締め付けた。聡美夫人は、全裸で四つん這いになっている浩明の背中の鞍に跨り、自分の体重で彼の背中をたわませた。聡美夫人は、鞍から垂れている鐙に乗馬用ブーツを入れ、左手で手綱を掴み、右手で傍らの早紀から乗馬鞭を受け取った。 「Ⅿ1号、もう分かっていると思うけど、お前が十分に運動出来るように、私達が馬に使ってあげるわ」 早紀がそう言った途端、聡美夫人は乗馬鞭を浩明の尻にピシリと当て、 「さあ、ぼやぼやしてないで、とっととお進み!」 と命じた。尻に鋭い痛みを感じた浩明は、慌てて手足を動かし、長い廊下を這い進み始めた。男である自分が、女から家畜の馬扱いされるのは、浩明にはとても耐えられない屈辱であったが、昨日からの酷い懲罰に怯えて切っている彼は、唯々諾々と従うしかなかった。 上背があり些かふくよかな聡美夫人は、結構体重があり、痩せ型で体力に自信が無い浩明には、かなりの負担だった。それでも乗馬鞭で打たれるのを恐れた浩明は、長い廊下を懸命に這い進んだ。早紀は口元に笑みを浮かべ、辛そうに這い進む浩明を見下しながら、彼の傍を一緒に歩いた。浩明は、廊下の半分も行かない内に、両腕が震え出し、歩みが遅くなった。その途端、早紀の乗馬鞭が横殴りに浩明の尻を打った。 「ムグゥッ」 ハミを咬まされているので、くぐもった悲鳴を上げた浩明を、早紀は怒鳴りつけた。 「Ⅿ1号、手を抜いて、わざと遅くするんじゃないわよ!もっと速くお進み!」 尻に真っ赤に焼けた鉄棒を押し付けられたような強い痛みと、恋人の早紀から鞭打たれる屈辱で、浩明の目に涙が浮かんできた。しかし、これ以上早紀から鞭打たれないためには、とにかく這い進むしかなかった。 浩明は懸命に這い進んだが、それでも長い廊下の三分の二くらい進むと、手足が疲れて歩みが極端に遅くなってしまった。すると今度は、背中に跨っている聡美夫人が、浩明の尻を乗馬鞭で強く叩き、拍車を彼の下腹に蹴り込んだ。 「モガァッ」 尻の鋭い痛みと、下腹を切り裂かれるような激痛に、ハミを咬まされた浩明の口から、くぐもった悲鳴が漏れた。 「Ⅿ1号、サボったら承知しないわよ!とっととお進み!」 聡美夫人に叱られた浩明は、もうこれ以上痛い目に遭わないよう、体力の限界まで這い進もうと、気力を振り絞って手足を動かした。聡美夫人からの乗馬鞭と拍車の激励もあり、浩明が気力で這い進んだ結果、何とか長い廊下の端に辿り着いた。すると、鐙から乗馬用ブーツを外した聡美夫人は、浩明の背中から立ち上がり、意外にも、 「Ⅿ1号は、あまり体力が無さそうね…少し休憩しましょう。座って休みなさい」 と声を掛けた。聡美夫人から優しいことを言われるのは、浩明にとっては想定外で少し面食らったが、これ幸いと廊下に正坐して休憩した。馬に使われた重労働で、息を荒くしている浩明は、全身に大汗をかいており、正坐している脚下に汗が溜まっていった。気のせいか、昨日より空調の温度設定が高いようだった。 腕時計を睨んでいた早紀が、 「Ⅿ1号、2分経ったから、小休止は終わりよ。四つん這いになりなさい!」 と浩明に命令した。浩明は仕方なく、よろよろと四つん這いになった。今度は、早紀が浩明の背中に跨り、鐙にニーハイブーツを入れた。早紀は、気を引き締めるためか、ナチスの制帽を深く被り直して手綱を握ると、乗馬鞭で浩明の尻を強く打ち、拍車を彼の下腹に蹴り込んで、 「さあ、速く進むのよ!途中で遅くなったりしたら、許さないからね!」 と言い放った。尻を切り裂かれるような強い痛みと、下腹を刃物で抉られるような激痛を受けた浩明は、ハミを咥えた口からくぐもった悲鳴を上げ、慌てて手足を動かして這い進み始めた。ナイスバディでそこそこ上背がある早紀も、結構体重があるので、浩明にはかなりの負担だった。浩明は必死に這い進んだが、それでも長い廊下の途中でどうしても歩みが遅くなってしまい、早紀から乗馬鞭と拍車の督促を何度も受け、尻は多くの赤い条痕、下腹には多くの切り傷が出来て苦しんだ。 何とか、出発地点である長い廊下の端に辿り着くと、早紀は鐙からニーハイブーツを外し、浩明の背中から降りて、 「Ⅿ1号、2分間の小休止よ…座って休みなさい」 と指示した。荒い息をしている浩明は、先程と同じ様に正坐して休んだ。彼の全身から、汗がダラダラと流れ出ていた。その間、聡美夫人は乗馬鞭をロッカーに納め、代わりに長細い棒のようなケインを取り出した。 「Ⅿ1号、2分経ったわ。四つん這いにおなり!」 早紀から非情な命令を受け、浩明はよろよろと四つん這いの姿勢になった。浩明は、交代で聡美夫人が跨るのかと思ったが、早紀が続けて彼の背中に跨った。 「さあ、とっととお進み!」 早紀は、浩明の尻にピシリと乗馬鞭の一撃を加え、拍車を彼の下腹に蹴り込んで、命令した。尻と下腹に強い痛みを受けた浩明は、慌てて手足を動かし、廊下を這い進み始めた。しかし、2分間の短い小休止では手足の疲労が十分に取れず、長い廊下の三分の一程這い進むと、手足が震えて歩みが遅くなってしまった。すると、ヒュンッと風を切る音がして、聡美夫人のケインが浩明の尻に打ち込まれた。 「ムグゥワッ」 乗馬鞭とはまた違った、尻肉を切り裂くような鋭い痛みで、浩明はハミを咬まされた口から、くぐもった悲鳴を上げた。 「Ⅿ1号、いくら恋人の早紀さんが乗っているからと、甘えて手を抜くんじゃないわよ!もっと、速くお進み!」 ケインの痛みに加え、聡美夫人からそう叱られたことで、浩明は恋人の早紀から家畜の馬にされているんだと改めて思い知らされ、その屈辱で鼻の奥が熱くなり、目に涙が込み上げてきた。しかし、今の浩明には、鞭打たれないため、拍車の蹴りを喰らわないために、必死に手足を動かして這い進むしかなかった。それでも、歩みが少しでも遅くなると、容赦無く早紀の乗馬鞭と拍車、それに聡美夫人のケインが浩明の体を痛めつけた。 浩明が長い廊下の端に辿り着いた時、彼はヨタヨタになっていた。背中から降りた早紀に、 「Ⅿ1号、小休止よ」 と言われた浩明は、荒い息で廊下に座り込んだ。このまま時間が止まって欲しいと、疲れ果てた浩明は儚い願いをしたが、腕時計を見ていた早紀から、 「Ⅿ1号、2分経ったわよ、小休止終了」 と無情に言われ、よろよろと四つん這いになった。浩明の背中に早紀が続けて跨り、彼女の乗馬鞭と拍車、それに聡美夫人のケインが彼を容赦無く駆り立てた。その繰り返しで廊下を這い進み、息を切らせて大汗をかいている浩明には、自分がこの廊下を何往復したのかも、全く分からなくなっていた。 そして、スタート地点である鉄格子の部屋前付近で、遂に浩明の限界が来た。目の前が真っ白になり、体を支えていた右手が痙攣して、汗で滑り横倒しに倒れ、背中に乗っていた早紀を転げ落としてしまったのだ。 立ち上がった早紀は、廊下に飛んだナチスの制帽を拾って被り直し、廊下に横倒しになって喘いでいる浩明を見下ろした。だが意外にも、転げ落とされた早紀に怒った様子はなく、ようやく浩明を乗り潰してやったという充足感に満ちた表情をしていた。傍らの聡美夫人も、満足そうに微笑んでいた。 早紀と聡美夫人はしゃがんで、浩明から手綱付きハミ・革製の鞍・膝当てパット付きサポーターを、手分けして取り外した。それから早紀は、廊下で横たわっている浩明の頭をニーハイブーツでグリグリと踏みにじり、わざと怒った声を作り、 「Ⅿ1号、お前は勝手に横になって、看守の私を転げ落としたのよ!もう少しで、頭を打つところだったわ!この懲罰がどんなものになるか、覚悟しなさい!」 と怒鳴りつけた。早紀がニーハイブーツを浩明の頭から外すと、疲労困憊で脱水症状寸前になっている彼は、まともに体が動かせない筈なのに、その場でよろよろと土下座して、 「ハァハァ…も、申し…ハァハァ…申し訳ご…ハァハァ…ございません…」 と荒い息の中で、必死に謝ろうとした。浩明はそれ程、早紀からの懲罰が恐ろしかったのだ。そんな浩明を見下ろしている早紀は、満足そうな笑みを浮かべ、 「お前の懲罰は、後で行うわ…先に、お前の唾や汗で汚した装備品をきれいに掃除しなさい!」 と命令した。聡美夫人は、浩明の汗で濡れた革の鞍を見て、 「手間を省かずに、ちゃんと鞍を装着しておいて、本当によかったわ。もし、鞍を着けてなかったら、私達のキュロットがⅯ1号の汗で、ビショビショになっていたところよ」 と言って、笑った。聡美夫人は、ロッカーから古タオルとアルコールスプレーを取り出して、土下座を続けている浩明の顔の前に放り、 「Ⅿ1号、いつまでもそうしてないで、ハミと鞍に付いたお前の唾と汗を拭き取りなさい」 と命じた。それから聡美夫人は、浩明の汗で湿った膝当てパット付きサポーターを拾い上げ、 「早紀さん、これを洗濯機に入れてくるわね」 と言って、その場を離れた。 ノロノロと上体を起こした浩明は、早紀の指導監督の下で、傍に置いてあったハミを手にして、アルコールを掛け、古タオルで拭いてきれいにした。早紀は、 「Ⅿ1号、ハミに付いている革紐と革の手綱も、アルコールで丁寧に拭くのよ。お前の汚らわしい汗が付いたままだと、直ぐにカビが生えて駄目になるからね」 と浩明に指示した。自分を苦しめた道具を自分で手入れさせられる屈辱は、浩明の心を酷く蝕んだが、彼が早紀に逆らえる筈も無く、黙々と指示通りに手入れの作業を行った。脱水症状になりかけて、喉がカラカラに渇いている浩明は、目がチラチラしながら作業していた。 ハミの手入れを終えた浩明が、自分の汗で濡れた革の鞍をアルコールで拭いていると、聡美夫人がミネラルウォーターのペットボトル2本を手にして、戻って来た。聡美夫人は、 「今日は何か蒸し暑いと思ったら、職員のミスで、空調の温度設定がいつもより高くなっていたわ…早紀さんも、喉が渇いたでしょう」 と言って、早紀にペットボトルを1本差し出した。早紀は礼を言ってペットボトルを受け取り、二人は浩明の前でこれ見よがしに、ミネラルウォーターを美味しそうに飲んだ。革の鞍をきれいにしている浩明は、早紀と聡美夫人がミネラルウォーター飲むのを見て、先程から感じている強烈な喉の渇きに耐えられなくなった。浩明は、手入れの済んだ革の鞍を廊下の壁に立て掛けると、二人の足元にひれ伏し、 「お願いです、私めにも水を飲ませて下さい。喉がカラカラなんです…」 と願い出た。しかし早紀は、ひれ伏した浩明の頭をニーハイブーツで踏みにじり、 「何を言ってるの?お前はさっき、看守の私を転げ落としたのよ!下手したら、私は頭を打って、大怪我していたわ!そんな不祥事を起こした囚人に、飲ませる水なんてある訳無いでしょう!」 と怒鳴りつけた。それでも浩明は、早紀のニーハイブーツ靴裏から、 「喉が渇いて、死にそうなんです…お願いします。どんな懲罰でも、甘んじてお受けします…ですから、一口だけでも水を飲ませて下さい…」 とかすれた声で、必死に懇願した。早紀は、ニーハイブーツを浩明の頭から外すと、 「Ⅿ1号、顔をお上げ!」 と命じた。浩明が上体を起こして正坐の姿勢になると、早紀は彼に目が眩む程の強烈な往復ビンタを張った。 「ヒイィッ」 悲鳴を上げた浩明に、 「どんな懲罰でも受けると言ったわね…それなら、お前に懲罰を言い渡すわ。お前の昼食は、塩の塊に胡椒をまぶしたものにするわよ。それを水無しで、残さず食べるの。水分補給は、夕食時間になったら許してあげる。それまで、水は一滴も飲まさないわ。それが、お前への懲罰よ!」 と早紀は非情に言い放った。 「ヒィッ」 思わず悲鳴を漏らした浩明は、再び早紀の足元にひれ伏し、 「お願いです…それだけは、許して下さい。死んでしまいます…」 とかすれた声で、必死に許しを請うた。土下座している浩明を見下ろした早紀は、笑いを押し殺した声で、 「Ⅿ1号、そんなに水分補給したいの?」 と問い掛けた。浩明はひれ伏したまま、 「は、はい、したいです…是非とも、水分補給させて下さい…」 とかすれた声で、懇願した。 「Ⅿ1号、顔をお上げ!」 また、早紀から往復ビンタを喰らうのかと怯えた浩明は、恐る恐る上体を起こした。だが、早紀は笑顔を浮かべ、 「仕方ないわね…そこまで言うのなら、特別に水分補給を許してあげるわ」 と返事をした。ホッとした表情を浮かべた浩明は、礼を言おうとしたが、その前に早紀は、 「言っておくけど、普通の水は飲ませないわよ」 と彼に告げた。浩明は昨日のことを思い出し、また人間痰壺扱いされて、早紀と聡美夫人の口をゆすいだ水を飲まされるのかと、うんざりした。しかし、喉の渇きに極限まで苦しんでいる今の浩明は、それでもいいから早く飲ませて欲しいと願った。だが、早紀の次の台詞は、浩明に強いショックを与えた。 「私も丁度催してきたから、私のおしっこを飲ませてあげるわ。私のだけじゃ足りないでしょうから、聡美夫人のおしっこも飲ませてもらいなさい」 浩明は顔色を変え、さすがに、 「そんな…おしっこなんて、とても飲めません…」 と言って、断った。すると、早紀の笑顔が消え、彼女はロッカーから一本鞭を取り出した。早紀は、一本鞭を頭上まで振り上げると、正坐している浩明の傍の廊下を叩いて、鞭音を響かせた。 「ヒィエェッ」 鞭音に怯えて悲鳴を上げた浩明に、早紀は一本鞭を再度振り上げ、 「お前は囚人のくせに、看守である私の厚意を足蹴にするつもりなの!?それなら、今からこの一本鞭で全身を鞭打った後、お前の口に胡椒をまぶした塩の塊を無理やり押し込んで、夜まで身動き出来ないように拘束してやるわよ!」 と怒鳴りつけた。震え上がった浩明は、またも早紀の足元にひれ伏して、 「お、お願いです、それだけは許して下さい…飲みます…早紀様のおしっこを飲みますから…いえ、飲ませて戴きますから、どうかお許し下さい…」 と懸命に許しを請うた。早紀は、振り上げた一本鞭を下ろし、鉄格子の扉を開くと、 「それなら、さっさと部屋にお入り!」 と浩明に命じた。体をまだうまく動かせない浩明が、何とか這って鉄格子の部屋に入ると、早紀はコンクリートの床に嵌められたステンレス製の和式便器を指差し、 「Ⅿ1号、仰向けになって、そこの便器に頭を嵌め込むのよ!」 と酷い命令を下した。浩明は、あまりの情けなさに鼻の奥が熱くなり、目に涙が込み上げたが、早紀の命令通りに仰向けになって、後頭部を和式便器に嵌めた。 早紀は浩明の顔を跨って立ち、カチャカチャと音を立てて、ナチスの鉤十字が刻印されている銀色バックルを外し、黒色革ベルトを緩めた。浩明の耳に、バックルのカチャカチャという音が虚ろに響き、これから人間便器にされ、早紀の尿を飲まされるんだと実感して、絶望的な気分になった。 黒色革ベルトを緩めた早紀は、白色キュロットとパンティを膝上まで下し、浩明の顔にしゃがみ込んだ。早紀の陰部が浩明の顔面に接近して、彼は恐怖を感じた。恋人の早紀とは今まで何度もセックスして、彼女の陰部は見慣れている筈だったが、今の浩明には、濃い陰毛に縁取られ、興奮で赤く充血してぬめっている陰唇が、自分を地獄に引きずり込む不気味な妖怪に見えた。 傍で浩明の怯えた顔を見下ろしている聡美夫人は嘲笑って、 「うふふ、普通の男なら、喉の渇きも鞭の痛みも我慢して、女のおしっこなんて絶対飲まないのに、お前は平気で飲むのね。それも、恋人である早紀さんのおしっこをね…お前は男のプライドも、人間としての最低限の矜持もかなぐり捨てて、最低の人間便器に落ちたんだわ。お前はもう、人間を辞めたんだから、今後はそれなりに扱わないといけないわね」 と酷く蔑み、彼の目から涙をこぼさせた。 「Ⅿ1号、出るわよ、口を大きくお開け!一滴もこぼすんじゃないわよ!」 早紀の声が響き、浩明は口を大きく開けた。その途端、早紀の陰唇から黄色い奔流が噴出し、浩明の口に注ぎ込まれた。浩明は、目を白黒させ、喉を上下させながら、必死に早紀の尿を飲み下した。浩明の鼻孔に、公園の汚い公衆トイレと同じような強いアンモニア臭が充満して、彼の口内と舌にはピリピリする刺激的な尿の味が拡がり、それが喉を焼いて、胃に重く溜まっていった。普通の状態なら、強烈なアンモニア臭と舌を刺すような刺激的な味で咽せてしまい、とても飲める筈が無い尿であるが、脱水症状寸前で体が水分を切実に欲している浩明は、ゴクゴクと飲むことが出来た。 排尿を終えた早紀は、 「Ⅿ1号、私のおしっこを飲み終わったのなら、トイレットペーパーにおなり…つまり、お前の舌で舐めて、後始末するのよ!」 と浩明に命令した。早紀の尿を飲んでしまった浩明は、逆らう気力を全て喪失し、言いなりに首をもたげて舌を伸ばし、彼女の尿で濡れている陰部を舐め始めた。 「舐めるだけじゃなくて、唇も使って、内側に残っているおしっこも吸い取るのよ!」 早紀に命じられた浩明は、感情の無いロボットみたいに、素直に彼女の陰唇に唇を密着させ、残留している尿を吸い取った。改めて口内に尿のアンモニア臭が充満し、舌にピリピリする刺激的な味が拡がったが、腑抜けの様になっている浩明は、口惜しがることすら出来なくなっていた。 満足した早紀が立ち上がり、パンティと白色キュロットを引き上げて、浩明から離れると、今度は聡美夫人が彼の顔に跨った。聡美夫人は、 「Ⅿ1号、あれだけ大汗をかいたんだから、早紀さんのおしっこだけじゃ、とても足りないでしょう?私のおしっこも、飲ませてあげるわ。これは、特別サービスよ」 と言ってベルトを緩め、白色キュロットとパンティを下ろし、浩明の顔にしゃがんだ。浩明はあまりの情けなさに顔を歪めたが、体がまだ水分を欲しているのは事実だった。聡美夫人から言われる前に、浩明は自分から口を大きく開いた。聡美夫人の陰部から直ぐに尿が噴き出し、浩明の口に注ぎ込まれた。浩明は、早紀に劣らぬ強いアンモニア臭がする尿を飲みながら、今までの酷い虐待のために半ば呆けた頭で、 (人によって、おしっこの味って、微妙に違うんだな…) とずれた事をぼんやり考えていた。聡美夫人も早紀と同じ様に、浩明の舌と唇で後始末をさせて立ち上がり、パンティと白色キュロットを引き上げた。早紀は、仰向けでまだ後頭部を和式便器に嵌めている浩明に、 「Ⅿ1号、午前中の運動は、これで終了よ…昼食まで、ゆっくり休んでいなさい」 と言い残して、聡美夫人と一緒に鉄格子の部屋を出て、立ち去った。 一人取り残された浩明は、最低の人間便器となって、早紀と聡美夫人の尿を飲んでしまった屈辱と後悔が、胸中に渦巻いていた。いくら喉が渇いていたにしても、女の尿を飲んでしまったことで、浩明は自分を責めた。そして、女の便器に落ちてしまった自分が、早紀と聡美夫人から今後一切人間扱いされないのを、浩明は漠然と予感していた。 実は、浩明に朝食を摂らせた後に1時間の食休みを取らせたのも、人間馬にして廊下を這わせた際に2分間ずつの小休止を取らせたのも、空調の温度設定を高くしておいたのも、全て浩明の体から水分を出来るだけ絞り取り、彼を脱水症状寸前の渇水状態にさせて、尿を飲ませるために、聡美夫人が計画した事だった。 食事を摂らせて直ぐにハードな運動をさせると、腹が痛くなって、体が十分に動かせない。人間馬にして全く休み無しに這わせ続けると、大汗をかく前に筋肉疲労で動けなくなってしまう。空調の温度設定を高くした理由は、言うまでもない。 聡美夫人はそこまで綿密に計算して、浩明を人間便器に陥れたのだった。女性に尿を飲まされた男は、その女性に負い目を感じて、二度と頭が上がらなくなり、全く反抗出来ずに従順になるのを、聡美夫人は経験上知っていた。これは、浩明を早紀のマゾ奴隷に落とすための、重要なステップだったのだ。 そんなことは露ほども知らずに、浩明はアンモニア臭いゲップを吐きながら、まだ頭を和式便器に嵌めたまま力無く仰向けになって、ぼんやりと天井を見ていた。 ようやく体を動かせるようになった浩明が、ベッドに上がって横たわり、しばらくの間ウトウトしていると、廊下からカツンカツンとブーツの靴音が聞こえてきた。ブーツの靴音にトラウマがある浩明は、恐怖で直ぐに目が覚め、ガバッと身を起こしてベッドから飛び降りると、コンクリートの床でひれ伏した。鉄格子の扉が開く音がして、ブーツの靴音が土下座している浩明の前で止まり、伏している彼の顔にニーハイブーツのつま先が突き出された。浩明が直ぐにキスすると、次に乗馬用ブーツのつま先が突き出され、同じ様にキスをした。 「Ⅿ1号、顔をお上げ!お前の昼食を持って来てあげたわよ」 ひれ伏している浩明の頭上から早紀の声が降ってきて、彼はゆっくりと上体を起こした。早紀は、正坐している浩明の前に、洗面器を置いた。洗面器には、かじりかけのパン、歯型の付いた温野菜、咀嚼してグチャグチャになっている肉片等に、コンソメスープとコーヒーが掛けられているものが入っていた。明らかに、早紀と聡美夫人の昼食の残飯だった。 「あの、早紀様、これは一体…」 コンクリートの床に正坐している浩明は、早紀を仰ぎ見て恐る恐る尋ねた。早紀は、フンッと鼻を鳴らし、 「今言ったばかりでしょう、お前の昼食だって…私と聡美夫人のおしっこをゴクゴク飲んで、最低の人間便器になったお前の食事は、私達の残飯でも贅沢過ぎる位だわ。せっかく、持って来てあげたんだから、さっさとおあがり!」 と浩明に言い放った。浩明の顔が青ざめたが、早紀は更に、 「それと、真っ裸で首輪だけのお前は、その格好に相応しく、犬みたいに直接口を着けて食べなさい。手を使うのは、許さないわよ!」 と命じて、追い打ちを掛けた。あまりの屈辱に、青ざめた浩明の顔が赤くなり、体が震えた。しかし、早紀と聡美夫人から尿を飲まされた浩明は、二人の前では委縮してしまい、逆らうことは不可能になっていた。 浩明が、洗面器に顔を近づけると、
と酷く侮蔑した。度を越えた屈辱に浩明の胸は深く傷つき、目に涙が込み上げてきたが、これ以上早紀から酷い懲罰を受けないために、今の彼には吐き気を堪えて、残飯を貪り食うことに集中するしかなかった。 浩明は、ようやく洗面器の残飯を大体食べ終わり、顔を上げた。早紀は、残飯が付着して汚れた浩明の顔を見て、 「Ⅿ1号、顔が凄く汚れているわよ…そこで、顔を洗いなさい!」 と指示して、コンクリートの床に嵌め込まれている、ステンレス製の和式便器を指差した。浩明はよろよろと這って、和式便器に近づいた。浩明は、和式便器に溜まっている水で顔を洗えという意味かと思い、両手を便器に伸ばした。すると、浩明に近づいた早紀が、 「何勝手なことをしているの!」 と叱責し、彼の手がピタリと止まった。意味の分からない浩明が早紀を見上げると、彼女は、 「まず、どれぐらい汚れているか、便器に溜まっている水に自分の顔を映して、確認おし!」 と命令した。浩明が命令通りに、和式便器に顔を近づけて顔の汚れを確認しようとすると、早紀はすかさず彼の頭をニーハイブーツで踏みつけた。和式便器に溜まっている水へ急に顔を押し付けられた浩明は、慌てて顔を上げようとしたが、早紀が体重を掛けて踏みつけているため、動けなかった。聡美夫人は直ぐ廊下に出て、水洗のボタンを押し、和式便器に水を流した。水洗の急流が浩明の鼻と口に入り、彼は呼吸困難に陥って苦しんだ。水洗が止まると、早紀は浩明の頭からニーハイブーツを外した。顔を上げた浩明は、体を震わせて、ゴホゴホと苦しそうに咽せた。早紀は、 「これで、顔がきれいになったわね。便器の水で洗顔するのは、最低の人間便器にピッタリだわ…午後の運動は1時間後だから、それまで休んでいなさい」 と浩明に言い残し、残飯が入っていた洗面器を手にして、聡美夫人と部屋を出て行った。一人残されてコンクリートの床にへたり込んだ浩明は、あまりにも自分が惨めで、遂に泣き出してしまった。鉄格子の部屋に、浩明のすすり泣きの声が陰鬱に響いた。 心身共にダメージを受けた浩明が、ベッドでぐったりと横たわっていると、廊下からカツンカツンとブーツの靴音が近づいて来た。ブーツの靴音を耳にした浩明は、直ぐにベッドから飛び降りて、コンクリートの床で土下座した。鉄格子の扉が開く音がして、伏している浩明の顔にニーハイブーツのつま先が突き出され、彼は直ぐにキスした。乗馬用ブーツのつま先にもキスした浩明は、早紀から、 「Ⅿ1号、午後の運動時間よ。さっさと、立ちなさい!」 と命じられ、オドオドと立ち上がった。その時に浩明は、早紀と聡美夫人がそれぞれ黒光りする一本鞭を持っており、二人とも白色キュロットの上からペニスバンドを装着しているのを目にした。ペニスバンドの使用法は、浩明の肛門を犯すとしか考えられなかった。ペニスバンドのディルドゥ部分には、既にコンドームが被せられており、ローションが塗られているのか、鈍く光っていた。ディルドゥ部分の大きさは、日本人男性の平均サイズ位だが、それが自分の肛門に挿入されると思うと、浩明は泣きたくなった。 「Ⅿ1号、廊下に出なさい!」 早紀に命令された浩明は、ビクビクしながら鉄格子の部屋から廊下に出た。早紀は、午後の運動について説明し始めた。 「Ⅿ1号、今から鬼ごっこをするわよ」 早紀にそう言われた浩明は、昨日の“目隠し鬼”を思い出し、恐怖で全身に鳥肌が立った。しかし、早紀は、 「…と言っても、昨日みたいな“目隠し鬼”じゃないわ」 と言って、浩明を一瞬ホッとさせた。早紀の説明が続いた。 「お前は廊下の真ん中に立って、私達は二手に分かれ、距離を取ってお前を挟むように立つわ。それから、私達はお前に接近するから、お前は私達どちらかの横をすり抜けて、逃げなさい。この廊下は結構幅があるから、十分すり抜けられるでしょう。逃げられたら、お前の勝ちだけど、逃げられなかったら、罰ゲームでお前は私達からレイプされるわ…それじゃ、廊下の真ん中に立ちなさい」 早紀の説明を聞いた浩明は、心底うんざりしたが、それでも昨日の“目隠し鬼”よりはマシだと考え、指示通りに長い廊下の中央に立った。早紀と聡美夫人は分かれて、それぞれ廊下の端に立った。 「それじゃ、始めるわよ」 早紀がスタートの声を掛け、彼女と聡美夫人はそれぞれ一本鞭を手にし、カツンカツンとブーツの靴音を響かせて、廊下中央の浩明にゆっくり近づいて来た。全裸に首輪だけを着けている浩明は、キョロキョロと首を動かし、早紀と聡美夫人のどちらがすり抜けられそうか、見極めようとした。 浩明は聡美夫人の方を選び、彼女の横をすり抜けるつもりで、ダッシュしようとした。しかし、その瞬間に聡美夫人の右手が一閃して、一本鞭が風を切って浩明の体に打ち込まれた。 「ギャアァーッ」 体を真っ赤に焼いた刃物で切り裂かれる様な激痛と、内臓まで響く不快な衝撃に、浩明は絶叫を上げて、その場にうずくまった。すると、早紀も右手を振るい、一本鞭が不気味な唸りを上げて、浩明の体に絡み付いた。 「グワァアーッ」 生きながら体が引き裂かれる様な激痛に、浩明は獣じみた絶叫を上げ、うずくまっている体を硬直させて苦しんだ。早紀は、 「Ⅿ1号、何をしているの?機敏に動いて逃げないと、もっと鞭打たれるだけよ。私達は少し離れるから、立って逃げる準備をしなさい」 と浩明に言って、彼女と聡美夫人はブーツの靴音を立てながら、一旦彼から離れて行った。浩明は、激痛で硬直して鞭痕で引きつる体を何とか動かし、立ち上がった。浩明が立ち上がると、早紀と聡美夫人はブーツの靴音を立てながら、再び近づいて来た。一本鞭とブーツの靴音に怯えた浩明は、一か八かの気持ちで、早紀の方に走り出そうとした。その途端、後ろから聡美夫人に太腿を鞭打たれた。 「アイィーッ」 足を切断された様な激痛に、浩明は悲鳴を上げて、うずくまった。そこに、早紀の一本鞭が袈裟懸けに振り下ろされ、浩明の背中を強かに打った。 「ギャアァーッ」 体を切り裂かれた様な激痛で、浩明は絶叫を上げ、またも体を硬直させた。 「ちょっと、何やってんのよ?本気で逃げないと、どんどん鞭打たれるわよ。もっと、真面目にしなさい!」 早紀は浩明に注意すると、聡美夫人とブーツの靴音を響かせて、再び彼から離れて行った。浩明が、鞭打ちの激痛で硬直した体を無理やり動かし、何とか立ち上がると、早紀と聡美夫人がブーツの靴音を立てて、彼に近づいて来た。ブーツの靴音が耳に響いた浩明は、パニックに陥りそうになったが、それでも脱出方法を必死に考えた。 (くうっ、これでは逃げようがない…これ以上鞭打たれたら、本当に体が動かなくなって、一本鞭で好きなだけ打たれてしまう…これじゃ、昨日の“目隠し鬼”と大して変わらないじゃないか…しかし、どうすれば…) 早紀と聡美夫人がゆっくり近づいて来て、そろそろ一本鞭が届く距離になりそうなので、浩明は思い切って、聡美夫人の方に走り出した。しかし、2、3歩走り掛けたところで、聡美夫人の一本鞭が横殴りに襲い掛かり、浩明の胴体に絡み付いた。 「グエェーッ」 体を真っ二つに切断されたような激痛と、内臓に響く衝撃で絶叫を上げた浩明は、とても立っておれず、その場に膝を着いた。そこに早紀の一本鞭が背後から振るわれ、浩明の首に巻き付いた。早紀が一本鞭を引くと、浩明は喉が圧迫されて息が出来ない、地獄の苦しみを与えられた。浩明が悶え苦しむと、早紀は右手をひと振りして、彼の首から一本鞭を外した。 その場に倒れた浩明は、ゴホッゴホッと咳き込みながら、廊下をのたうち回った。その間、早紀と聡美夫人は、浩明を鞭打とうとしなかった。威力のある一本鞭で、立て続けに浩明を打っては、彼が直ぐに潰れてしまう。じっくりと間を開けて鞭打ち、浩明をじわじわと心理的に追い詰めるのが、聡美夫人の計画だった。 「Ⅿ1号、私達に鞭打たれたくなかったら、もっと真剣に逃げなさいよ」 早紀は、浩明にそう言うと、聡美夫人と別れて彼から離れて行った。少し落ち着いて、何とかよろよろと立ち上がった浩明は、早紀と聡美夫人がブーツの靴音を立てて近づいて来るのを見て、半ばパニック状態に陥った。浩明は自暴自棄となり、後の事は考えられずに、 (こうなったら、一発か二発鞭打たれても、早紀を突き飛ばして、強行突破するしかない) と決心した。浩明は両手で頭を抱えて、 「うわぁーっ」 と大きく掛け声を出して、早紀に突進しようとした。しかし、その瞬間、背後から聡美夫人の鞭が足首に絡み付き、浩明は廊下へ前のめりに倒れてしまった。早紀は倒れた浩明の背中に、すかさず一本鞭を振り下ろした。 「ギャアァーッ」 背中を一本鞭で強打された浩明は、体を切り裂かれた様な激痛で、絶叫を廊下に響かせた。聡美夫人が右手を一振りして、浩明の足首から一本鞭を外したが、もう彼は動けなかった。浩明は、鞭痕で引きつり激痛で硬直した体を無理やり動かし、何とかその場で土下座した。浩明は泣き声で、 「どうか、許して下さい…もう、とても動けないんです…お願いします…」 と早紀と聡美夫人に哀願した。早紀は、ニヤリと悪魔的な笑顔を浮かべ、 「仕方ないわね…お前が四つん這いになって、お尻を突き出し、『どうか、私をレイプして下さい。私を犯して下さい』とお願いすれば、この“鬼ごっこ”は止めてもいいわよ」 と浩明に告げた。土下座している浩明は顔色を変え、さすがに返答をためらった。すると、早紀は浩明の傍を一本鞭で打って、廊下に大きな鞭音を響かせ、彼に、 「ヒイィッ」 と悲鳴を上げさせた。早紀は、 「Ⅿ1号、どうするの!?このまま“鬼ごっこ”を続けるか、私達にレイプされるか、どっちを選ぶのよ?さっさと答えなさい!」 と言って、浩明を問い詰めた。鞭音に震え上がった浩明は、鞭打ちから逃れられるのなら、何でも出来そうな気になり、 「は、はい…私を…レイプして下さい…私を犯して…下さい」 と答えて土下座の姿勢から、よろよろと四つん這いになった。すると、聡美夫人は、 「オホホ、普通の男なら、お尻を女に犯されるより、鞭の痛みを我慢する方を選ぶわ。お前には、男のプライドってものが、全然無いのね…まあ、女のおしっこを飲む最低の人間便器に、プライドなんてある訳無いわよね」 と浩明を嘲笑って侮蔑した。浩明は、あまりの口惜しさに鼻の奥が熱くなり、目から涙がこぼれたが、何も言い返せなかった。 早紀は一本鞭を廊下に置くと、四つん這いになっている浩明の後ろに回ってしゃがみ、両手で彼の尻たぶを開いて肛門を露出させ、腰に装着しているペニスバンドのディルドゥ部分先端を、彼の肛門に宛がった。早紀は、両手でしっかりと浩明の腰を掴み、 「Ⅿ1号、お尻の力をお抜き…いくわよ!」 と言って、腰を力強く押し出した。昨日は浣腸や直腸検診等をされ、本日も直腸洗浄した後に直腸検診をされて弄られていたためか、浩明の肛門は割とほぐれており、ペニスバンドのディルドゥ部分に前もってローションが塗られていたこともあって、思ったよりスムーズに挿入された。 早紀は、腰を前後にゆっくりと動かし始めた。それ程の痛みは感じなかった浩明であるが、肛門に異物を挿入されて内臓を突き上げられるような違和感は、彼を不快にさせて、顔を苦し気に歪ませた。 聡美夫人も一本鞭を廊下に置いて、浩明の前に回ってしゃがみ、彼の口元にペニスバンドのディルドゥ部分先端を突き付けて、 「Ⅿ1号、フェラチオしてご覧。お前も男の端くれなら、どこをどう舐めれば感じるか、分かっているでしょう」 と命じた。浩明は止むを得ずに口を開き、ディルドゥ部分を咥えて、舐め始めた。疑似ペニスとは言え、男の自分が女から強制的にフェラチオさせられるのは、浩明にとって脾臓がよじれる程の屈辱だった。聡美夫人も、早紀の動きに合わせて腰を前後に動かし、ディルドゥ部分を浩明の喉付近まで突っ込んで、彼に空嘔吐をさせて苦しめた。 早紀は腰の角度を微妙に変えて、動きを徐々に速くし始めた。ディルドゥ部分先側の、カリになるところが丁度前立腺を刺激し、 浩明の股間のものが硬く屹立してしまった。直腸検診名目で前立腺を指で刺激されて、すっかりアナル開発されてしまった浩明は、直腸内から膀胱を圧迫されるような感覚に、思わず呻き声を上げた。浩明が勃起したのに気づいた早紀は、腰を振りながら右手を伸ばし、彼の硬く屹立したものを握ると、ゆっくりしごき始めた。浩明の口から、苦しそうな喘ぎ声が漏れる。早紀は、浩明の硬くなったものをしごきながら、 「お前は、女に肛門を犯され、こんなに感じて勃起しているのね…やっぱり、本当の変態だわ!」 と侮蔑した。浩明にフェラチオさせている聡美夫人も、腰を動かしながら、 「フンッ、恋人の早紀さんにお尻の穴をレイプされながら、興奮して喜んでいるなんて、お前はもう男じゃないわよ!最低のうじ虫!」 と酷く罵倒した。早紀と聡美夫人から蔑まれた浩明は、あまりの屈辱で身震いし、目から涙をこぼした。しかし、早紀の腰の振りと、しごく手の動きが速くなり、浩明のものは極限まで怒張した。 浩明が、もう少しで射精するというところで、早紀はしごいていた手をパッと放し、腰の振りを止めた。後一歩で射精出来なかった浩明は、切なそうな吐息を漏らした。聡美夫人は、浩明の口からペニスバンドのディルドゥ部分を引き抜き、立ち上がった。早紀は、ディルドゥ部分を浩明の肛門に挿入したまま、ペニスバンドを腰から外して、立ち上がった。 早紀と聡美夫人は、それぞれ廊下に置いた一本鞭を拾い上げ、まだ四つん這いの浩明の前側に立った。早紀は浩明に、 「Ⅿ1号、膝立ちにおなり!」 と命じた。浩明は、鞭痕で引きつる体を無理に動かし、膝立ちになった。浩明の尻には、早紀が装着していたペニスバンドがぶら下がっており、彼の股間のものは、下腹を叩く程に硬く屹立していた。早紀は、浩明の股間を指差し、 「ウフフ、お前のものは、まだ硬く勃起しているんだね。本当にいやらしいわ。そんなに興奮しているんなら、スッキリさせてあげるわよ。お尻に挿さっているペニスバンドを、お前の手で動かして肛門を刺激しながら、オナニーしなさい!」 と酷い命令を下した。浩明は思わず、 「えぇっ、いくら何でも…」 と言って断ろうとしたが、自分を見下している早紀と聡美夫人が手にしている一本鞭に目がいき、口をつぐんだ。膝立ちになっている浩明は、仕方なく左手で肛門に挿さっているペニスバンドを掴んで揺らし、右手で硬く屹立しているものを握ってしごき始めた。 「フフフ、自分で肛門を弄ってオナニーするなんて、最低の変態ね!」 「まあ、女のおしっこを飲む最低の人間便器に、相応しいオナニーとも言えるわ」 早紀と聡美夫人の蔑みが、浩明の胸を深く傷つけ、彼の目に涙を浮かばせた。それでも浩明は、ペニスバンドで自然に自分の前立腺を刺激し、しごいている右手の動きも段々と速くなった。左手でペニスバンドのディルドゥ部分を小刻みにピストン運動させ、早紀と聡美夫人の視線を痛い程意識しながら、右手で極限まで怒張したものをしごいている浩明は、頭の中で口惜しさと恥ずかしさ、それに普通のセックスでは得られない強烈な快感が渦巻き、すっかり混乱していた。そして浩明は、 「アアァーッ」 と大声を上げ、朝方に射精したにも関わらず、多量の白濁液を放出してしまった。射精した浩明は、体中の神経が抜き取られたように感じ、全身の力が抜けて両手を廊下に着け、ガックリとうなだれた。 勢いよく噴出した精液は、廊下に飛び散っただけではなく、前で離れて見ていた早紀のニーハイブーツつま先にも少し掛かってしまった。早紀は一本鞭を振り上げると、四つん這いになってうなだれている浩明の背中を打った。 「ギャアァーッ」 背中を切り裂かれた様な激痛で絶叫を上げ、体を硬直させて苦しむ浩明に、早紀は、 「Ⅿ1号、お前の汚らしい精液で、廊下だけじゃなく、私のブーツまで汚すとは何事よ!責任を取って、お前の舌できれいに舐め取りなさい!」 と叱りつけて、命令した。浩明は、 「は、はい…ただ今…」 と泣き声で返事をし、鞭痕で引きつり、激痛で硬直した体を無理に動かして、廊下に飛び散った精液を舐め取り始めた。浩明は、自分の精液を舐め取らされるのは、これが初めてではないが、口内に拡がる生臭い味と共に感じる屈辱には、到底慣れなかった。廊下の精液を舐め取り終わった浩明は、 「早紀様、失礼致します…」 と卑屈に言って、彼女のニーハイブーツつま先に掛かった精液を舐め取り始めた。決して慣れることの出来ない屈辱に耐えながら、早紀のニーハイブーツを舐めている浩明の尻には、まだ不様にペニスバンドがぶら下がっていた。 鉄格子の部屋に戻された浩明は、夕食時間までベッドで横になって休憩するのを、早紀から許可された。浩明の全身には、鞭痕の赤い条痕が縦横無尽に走っており、体が引きつってベッドに上がるのもひと苦労だった。何とかベッドに横たわった浩明は、疲れ果てて何も考えられなかった。浩明は鞭痕がひどく痛み、とても眠れないと思ったが、目をつぶってじっと横になっているとウトウトし始めて、いつの間にかぐっすり寝入ってしまった。 廊下からカツンカツンとブーツの靴音が響き、浩明は目を覚ました。浩明は直ぐに起きてベッドから降り、コンクリートの床でひれ伏して、土下座の姿勢を取った。鉄格子の扉が開く音がしてから、ひれ伏している浩明の顔に、ニーハイブーツと乗馬用ブーツのつま先が交互に突き出され、彼は躊躇わずにそれぞれキスした。早紀は、浩明の前に残飯入りの洗面器を置き、 「Ⅿ1号、夕食時間よ。顔をお上げ!」 と命じた。浩明が上体を起こし、正坐の姿勢になると、早紀はかがんで、昼食と同じ様に洗面器の残飯へカー、ペッと派手な音を立てて痰を吐いた。グチャグチャの残飯の上に、黄色い痰が付着したのを見た浩明は、うんざりして顔をしかめた。しかし早紀は、残飯に痰を吐き掛けるだけでは済ませなかった。カチャカチャと音を立ててベルトのバックルを外し、黒革ベルトを緩めた早紀は、白色キュロットとパンティを同時に膝上まで下げると、残飯入りの洗面器に跨った。浩明は驚いて目を丸くし、頭の中で (ま、まさか、いくら何でも、残飯におしっこは掛けないだろう…) と自分の悪い予想を否定しようとしたが、早紀は彼の僅かな楽観的希望を打ち砕くように放尿して、洗面器内の残飯を尿に浸した。放尿を終えた早紀は、青ざめた顔で正座している浩明に近づき、彼の髪を掴んで、自分の陰部に彼の顔を引き寄せ、 「Ⅿ1号、トイレットペーパーにおなり!」 と命令した。浩明はおずおずと舌を伸ばし、尿で濡れた早紀の陰部を舐め始めた。浩明の口内と舌に、尿のアンモニア臭とピりつくような刺激的な味が拡がったが、尿に浸された残飯が気になり気もそぞろで、口惜しさや屈辱を感じる余裕すら失っていた。 後始末の仕上げに浩明が唇を使って、早紀の陰唇に残留した尿を吸い取ると、彼女は浩明の髪を放して、パンティと白色キュロットを上げ、黒革ベルトを締め直した。早紀は、青い顔で正座している浩明を見下し、 「Ⅿ1号、お前のために、念入りに味付けしてあげたわよ。さっさと、おあがり!」 と言い放った。浩明は四つん這いになり、恐々と残飯入りの洗面器に顔を近づけると、アンモニア臭のきつい尿の湯気が目に沁みて鼻を突き、体が震えた。それに、尿に浸された残飯に黄色い痰が浮かんでおり、見るだけで強い吐き気を催した。浩明が、残飯入り洗面器の上に顔をやったまま固まっていると、昼食時と同じ様に、早紀のニーハイブーツ靴裏が、彼の後頭部に載せられた。早紀は浩明に、 「時間が勿体無いから、とっととお食べ!」 と言って踏みつけ、彼の顔を尿が掛けられた残飯に埋めた。半ば自暴自棄になった浩明は、仕方なく尿まみれの残飯を食べ始めた。浩明は、午前中に早紀と聡美夫人の尿を飲まされ、昼食で痰を吐き掛けられた残飯を食べさせられて、それぞれに耐え難くひどい味だったが、まだ別々だったので、今回の夕食よりは遥かにマシだった。総菜もライスもスープもグチャグチャに混ぜられ、ただでさえひどい味なのに、アンモニア臭の強い尿を掛けられては、既に味と呼べるものではなかった。浩明が咀嚼する度に、彼の口内に臭い汚物としか表現出来ないひどい味が拡がり、鼻孔にはアンモニア臭が充満し、込み上げてくる強い吐き気を堪えて飲み込むのは、正に地獄の苦しみだった。 浩明が残飯を食べ始めたのを見た早紀は、彼の頭からニーハイブーツを外した。必死に残飯を食べている浩明を、笑顔で見下した聡美夫人は、 「よく、おしっこを掛けられた残飯が食べられるわね…こんなもの、豚だって食べないわよ。お前はもう、豚以下だわ。お前は、肥溜めで蠢いているうじ虫と同じよ」 と彼を酷く蔑んだ。残飯を貪っている浩明の頭に、聡美夫人の侮蔑が空ろに反響して、彼の目から口惜し涙がこぼれた。 何とか洗面器の残飯を食べ終えた浩明は、昼食時と同じ様に、汚れた顔を和式便器に押し付けられ、水洗を流された。それから、浩明は後ろ手錠を掛けられ、股間のものに革紐を結び付けられて鉄格子の部屋を出され、洗面所まで引っ立てられた。洗面所で後ろ手錠を解かれた浩明は、歯磨きと洗顔をさせられた後、再度後ろ手錠を掛けられ、鉄格子の部屋まで引っ張られた。 鉄格子の部屋に入れられた浩明は、昨日と違って、後ろ手錠と股間の革紐を解いてもらえなかった。左手で革紐を持っている早紀は、乗馬鞭を右手に持つとベッドに腰掛けて、浩明に自分の前で正坐するよう命じた。早紀は、乗馬鞭の先をコンクリートの床に正坐している浩明の顎下にやり、クイッと上げて、彼の顔を上向かせた。早紀はやや前のめりになり、浩明の目をじっと見つめ、 「Ⅿ1号、お前は今日、私達の前で2回も射精したのよ…囚人のくせに、自分だけ気持ちよくなるなんて、身の程知らずもいいところだわ。看守の私も、気持ちよくさせなさい!」 と言うと、立ち上がって右手の乗馬鞭をベッドに置いた。それから、ニーハイブーツを一旦脱ぎ、カチャカチャとバックルを外して黒革ベルトを緩めると、白色キュロットとパンティを一度に下げて脱ぎ、再度ニーハイブーツを履いた。早紀は、ベッドに再び腰掛けて両脚を開き、目を丸くしている浩明の髪を掴み、自分の陰部に彼の顔を引き寄せた。ベッドに置いていた乗馬鞭を手にした早紀は、 「Ⅿ1号、ぼやぼやしてないで、お前の舌と唇で私を楽しませるのよ!」 と浩明に命令した。濃い陰毛に縁取られ、既に興奮して赤く充血してぬめっている早紀の陰唇に、浩明はおずおずと舌を伸ばし、舐め始めた。恋人の早紀とは何度もセックスしているので、彼女にクンニリングスするのは別に初めてではなかったが、こんな屈辱的な形でするのは、浩明の心を深く傷つけた。 浩明が、気の進まない感じで早紀の陰唇を舐めていると、彼女の左手が股間のものに結び付けられている革紐を強く引き、右手の乗馬鞭が彼の背中に鋭く振り下ろされた。 「グウゥーッ」 早紀の両脚で顔を挟まれている浩明の口から、くぐもった悲鳴が上がった。浩明の背中に、赤い筋が見る見る浮かび上がって来た。 「Ⅿ1号、嫌々しているのは、舌の動きで分かるわよ!これ以上鞭打たれたくなかったら、もっと集中して真剣にお舐め!」 早紀に叱咤された浩明は、慌てて舌を懸命に動かして、彼女の陰唇を舐め回した。しかし早紀は、再度浩明の背中をひどく鞭打って、赤い筋をもう一条増やした。 「グモゥッ」 早紀は、悲鳴を漏らした浩明に、 「舌で舐めるだけじゃ、能が無いでしょう!ちゃんと、唇も使うのよ!手を抜いたら、承知しないからね!」 と叱りつけた。浩明は泣きたくなる思いで、早紀のクリトリスを唇で挟み、吸いながら舌先で舐め、彼女を喜ばそうと努力した。浩明がしばらく必死で舌奉仕に励んでいると、早紀は不意に右手の乗馬鞭と左手の革紐を放し、両手で彼の髪を掴んで引き寄せ、彼の顔を自分の陰部に強く押し付けて、両脚で強く挟み込み、背を仰け反らせた。若い早紀は反応がよく、浩明の懸命な舌奉仕の甲斐が合って、絶頂に達したようだった。早紀は、その体勢で余韻を楽しんでいたが、しばらくして両手と両脚の力を抜いて、浩明の顔を解放した。ようやく、まともに呼吸が出来るようになった浩明は、ゲホッゲホッとひどく咳き込んだ。 聡美夫人は、コンクリートの床に放られた革紐を手にして引っ張り、正坐している浩明を自分の方に向かせた。 「あらあら、口元がベタベタに汚れているわよ」 聡美夫人はからかうような口調で言うと、浩明の口元をウェットティッシュで大雑把に拭った。それから、聡美夫人は黒革ベルトを緩めて、白色キュロットとパンティを膝まで下し、立ったまま浩明の髪を掴んで、自分の陰部に引き寄せた。聡美夫人は浩明に、 「Ⅿ1号、早紀さんだけじゃなくて、私も喜ばせて頂戴」 と言って、舌奉仕を要求した。仕方なく浩明は舌を伸ばし、聡美夫人の陰部を舐め始めた。先程早紀に叱られたこともあって、浩明は舌だけではなく、唇もフルに使って舌奉仕に努めた。聡美夫人の陰唇からは、熟女特有の強い臭いがする淫液が尽きることなく湧いてきて、浩明は咽せそうになるのを必死に堪えた。浩明が聡美夫人に舌奉仕している間、早紀は気だるそうにパンティと白色キュロットを穿き、ニーハイブーツを履き直していた。 浩明がしばらく舌奉仕に励んでいると、聡美夫人は彼の頭を急に引き離し、くるりと後ろ向きになった。それから、聡美夫人は両手で自分の尻を拡げ、肛門を露出し、 「前の方はもういいから、後ろの方をお舐め!」 と浩明に命令した。 (男の自分が、女の肛門を舐めさせられるなんて…) 浩明は強い屈辱に身震いしたが、拒否すれば酷い懲罰を受けるのは分かり切っているので、止むを得ずに舌を伸ばして、聡美夫人の肛門を舐め始めた。舐める度に強烈な臭いが口内と鼻孔に拡がり、浩明の目に涙が浮かんできた。聡美夫人は浩明に、 「ただ表面を舐めるだけじゃなく、舌先を硬くして肛門に入れて、内側も舐めるのよ!」 と命じた。浩明は命じられた通りにしようと努力したが、少しの舌先しか聡美夫人の肛門に入らなかった。それでも舌先に臭うようなえぐみを感じ、浩明は心底情けなくなった。いつの間にか傍に立った早紀から、 「ふんっ、男のくせに、よく女の肛門が舐められるわよね!やっぱりお前は、最低の変態よ!」 と蔑まれ、浩明の目から涙がこぼれた。しばらく浩明に肛門を舐めさせていた聡美夫人は、 「Ⅿ1号、もういいわ」 と言って、彼の顔を自分の尻から離し、パンティと白色キュロットを引き上げて、ベルトを締め直した。どうやら聡美夫人は、自分の快感を追求するよりも、浩明に屈辱を与えるのが目的のようだった。 早紀と聡美夫人は、浩明の後ろ手錠と股間の革紐を解き、鉄格子の部屋を出て行った。その際、早紀は振り返りざまに、 「Ⅿ1号、明日からお前の水分補給は、全て私と聡美夫人のおしっこにするわ。変態のお前には、最低の人間便器が相応しいからね…私達のおしっこだけじゃ足りない場合は、その便器に溜まった水でも飲んでなさい。それ以外の水を勝手に飲んだら、鞭で打つわよ」 とコンクリートの床に嵌め込まれている和式便器を指差して、言い放った。聡美夫人が鉄格子の扉を閉めて施錠し、二人はブーツの靴音を響かせながら、遠ざかった。鉄格子の部屋に一人取り残された浩明は、顔が青ざめていた。 消灯時間になったのか、不意に廊下と部屋の灯りが消え、真っ暗になった。浩明はベッドに上がり、横になって毛布にくるまったが、明日からのことを考えると、寝つけそうもなかった。 (まだ、二日しか経っていないのに、酷い懲罰…と言うか、拷問同然の虐待で、身体も心もボロボロだ…これで、残り八日間を乗り切れるのだろうか…) ベッドに横たわった浩明が、くよくよとあれこれ悩んで心配している内に、体の疲れで目蓋が重くなり、いつの間にか寝入っていた。 次の日からの浩明の境遇は、悲惨の一言に尽きた。朝起きて床にひれ伏した浩明は、早紀と聡美夫人のブーツにキスして挨拶した後、昨日早紀が言い放った通りに、二人の排尿を飲まされた。朝一番の尿は濃度と臭いがきつく、浩明の喉につかえて吐きそうになったが、二人が手にしている乗馬鞭を恐れ、死ぬ気で飲み込んだ。三度の食事は全て早紀と聡美夫人の残飯で、いつも唾や痰が吐き掛けられていた。 朝の洗顔では、早紀と聡美夫人の監視下で、自分で腋毛と陰毛を剃らなければならなかった。朝のシャワーの際には、必ず自分で直腸洗浄しなければならず、その後は直腸検診の名目で肛門と前立腺を早紀の指で刺激され、無理やり勃起させられた。それから、早紀と聡美夫人の汚れたパンティをしゃぶりながらのオナニーをさせられ、屈辱の射精を強要された。 全裸に首輪だけの浩明は、犬扱いが相応しいという理由で、運動として廊下で早紀が投げたボールを、彼が四つん這いで取りに行き、口に咥えて四つん這いで戻って来るといった動作を延々と繰り返された。大汗をかいて疲れ果てた浩明の水分補給は、勿論早紀と聡美夫人の尿だった。反射神経と動体視力を養うという名目で、早紀と聡美夫人の一本鞭を避ける運動もさせられたが、浩明の全身が鞭痕で覆われて動けなくなるのが常だった。 早紀と聡美夫人は、気が向くとペニスバンドで浩明の肛門を犯しながら、不覚にも硬く勃起してしまった彼のものをしごき上げて、精を絞り取り、恥辱の涙を流させた。 紀と聡美夫人に対する舌奉仕は、消灯前に毎晩念入りにやらされて、終わった頃には浩明の舌の付け根が痛み、彼の口は二人の陰部と淫液の臭いが染み付いていた。舌奉仕の最中に、早紀の生理が突然始まったことがあったが、彼女は構わずにそのまま続行させた。浩明の口内に、腐った魚の血と鉄の赤錆を混ぜた様な生臭い味が拡がり、彼は身震いして吐き気を堪えた。早紀は、 「ウフフ、お前は生理の経血を舐めて、飲んでいるのよ…こんなものが口に出来るなんて、お前はもう人間じゃないわね。お前の口は、女の便器・ビデ・生理用ナプキンに使われるのよ。お前の口は女の下半身に密着して、女の排泄物を受け入れるように出来ているんだわ。ついでに、痰壺にも使われるけどね…お前は人間を辞めて、うじ虫になったのよ!」 と浩明をひどく蔑んで、彼から人間としての尊厳を奪い、屈辱で彼の心をズタズタに切り裂き、目から涙をこぼさせた。 既に浩明の頭からは、単位の修得・卒業と就職・早紀との結婚等の考えは吹っ飛んでおり、ただ早紀と聡美夫人からの酷い懲罰を受けないよう、如何に日々を過ごすか…今の彼には、もうそれだけしか考えられなかった。
と強めの口調で言われたので、浩明はベッドに腰掛けて、仕方なく早紀の方を向いた。しかし浩明は、早紀とまともに目が合わせられなかった。早紀は、 「ラインを何回も送ったのに、返事どころか既読にもなってないわ。何か、大学でも私を避けているみたいだし、私が嫌いになったの?心理実験の時、私が浩明さんに酷い事をしたから?でも、あれは心理実験を成功させるために、私は仕方なく看守役に徹したのよ。それは、浩明さんも分かっているでしょう?全ては浩明さんが単位を修得して、卒業出来るためよ。私達の将来が掛かっていたんだから…」 と言って、浩明に詰め寄った。 「ああ、僕の単位習得のためなのは、分かっているよ…ただ、何て言うか…つまり、その…」 浩明は、早紀の目を直視出来ずに、歯切れの悪い言い方をした。心理実験以後、愛しい恋人だった早紀が、畏怖の対象になってしまったと、当人にはとても言えなかった。すると早紀は立ち上がり、浩明の隣に座って抱きつき、 「ねえ、浩明さん…私達、恋人同士よね。久しぶりに、エッチしましょうよ」 と大胆なことを言った。浩明は面食らったが、 (まあ、セックスすれば、以前みたいに早紀を愛しい恋人だと思えるかもしれない…) と考え、 「そうだね…久しぶりにしようか」 と返事をして、服を脱ぎ始めた。早紀も首からスカーフを取り、さっさと服を脱いだ。二人は全裸になり、毛布を被ってベッドで抱き合った。早紀のグラマーなナイスバディで、白く滑らかな柔肌に抱き合って触れた浩明だったが、肝心の股間のものが全く硬くならなかった。浩明は焦り、早紀の白い肌にキスを繰り返し、ピンク色の乳首に吸い付きながら、自分の手で股間のものを弄って硬くしようとしたが、全く反応しなかった。それでも浩明は、早紀の柔らかい身体に絡み付いて、何とか勃起しようと努力した。しかし、股間のものはグニャリと柔らかいままで、遂に浩明は諦めて早紀から離れ、ベッドの端に腰掛けて頭を抱えた。 早紀は、浩明の背中から抱きつき、 「浩明さん、どうしたの?調子悪いの?」 と尋ねた。浩明は振り返らずに、 「ああ…僕はもう、ダメかもしれない…」 と力無く答えた。浩明は、 (この若さで、インポになってしまったのか…) と苦悩した。早紀はクスリと笑うと、ベッドから抜け出して床に立ち、 「浩明さん、床に正坐して!」 と強めの口調で、浩明に言った。全裸の浩明は、何か圧倒されたように感じて、素直に床で正座した。同じく全裸の早紀は、持って来たスポーツバッグから黒革ニーハイブーツと乗馬鞭を取り出した。驚いた顔をした浩明の前で、早紀は黒革ニーハイブーツを履き、自分が首から外したシースルーの白色スカーフを手にして、自分のくびれた腰に巻いた。それから早紀は乗馬鞭を手にして、正坐している浩明の前で仁王立ちになった。 「浩明さん、私の姿を見て、どう思う?」 「そ、それは…格好いい…と言うか…美しいと思うけど…」 早紀に尋ねられた浩明は、驚きで目を丸くして、しどろもどろに答えた。結構上背があり、スタイルのいい早紀が裸で黒革ニーハイブーツを履いていると、何とも表現出来ない妖艶さを感じさせた。また、腰に巻いているシースルーの白色スカーフが、早紀の裸体にアクセントを付けた感じになって、真っ裸よりセクシーだった。 早紀の美しい顔の下で揺れる、形のいい豊満なバスト、くびれた腰に巻かれたシースルーの白色スカーフ越しに透けて見える濃い陰毛、その白色スカーフからはみ出ている豊かで盛り上がったヒップ、その下の黒革ニーハイブーツに覆われた長く美しい脚と、浩明は見ているだけで昂ってきた。正坐して、早紀の姿を仰ぎ見ている浩明の股間のものは、いつの間にか硬く屹立していた。 早紀は、乗馬鞭で浩明の股間で硬く屹立しているものを示し、 「さっきは全然勃たなかったのに、今は凄く勃起しているじゃないの…浩明さんは、ブーツを履いた女性が好きなのね。ブーツフェチって言うの?」 とからかうような口調で言った。正坐している浩明は答えられずに、恥ずかしさで顔を赤らめて、うつむいた。 「浩明さん、ちゃんと私を見て、膝立ちになって!」 早紀に強い口調で言われた浩明は、意味が分からないままに、早紀の顔を見上げて膝立ちになった。すると早紀は浩明に密着して、彼の股間で硬く屹立しているものを、ニーハイブーツを履いている両脚で挟んだ。そして早紀は浩明に、 「さあ、私の脚に抱きついて腰を動かし、勃起しているものを私のブーツに擦り付けてご覧!心理実験で囚人の時にした事を思い出し、腰を振って擦り付けるのよ!」 ときつい口調で命じた。浩明は催眠術に掛かったように、両手で早紀の太腿を抱き、腰をゆっくり振り始めた。腰を振る浩明を見下している早紀は、乗馬鞭で彼の背中をピタピタ叩きながら、彼に暗示を掛けるように話し始めた。 「浩明さん、もう自分でも分かっているでしょう…浩明さんは、女から侮辱され、恥ずかしい目に遭わされて虐められないと、興奮せずに勃起出来なくなってしまったことを…つまり、浩明さんは変態のマゾヒストになってしまったのね。私達が被験者となった心理実験の体験が強烈過ぎて、浩明さんは普通のセックスでは興奮出来なくなってしまったのよ…だから、看守役と同じニーハイブーツを履いている私の姿を見て、興奮して勃起したんだわ。大体、腰を振って、女のブーツに勃起したものを擦り付けて快感を得る男なんて、変態のマゾヒストしかいないわよ。変態マゾになった浩明さんは、もう結婚出来ずに一生独身で過ごさないといけないわね」 早紀から衝撃的な事を言われても、腰の振りを止められない浩明は、 「ああっ、そんな…これから僕は、一体どうしたら…」 と悲痛な声を出した。早紀は、情けなく腰を振り続けている浩明を見下ろし、 「浩明さんが変態のマゾヒストになってしまったのは、私にも責任があるわ…だから責任を取って、私が浩明さんと結婚して、一緒に暮らしてあげる…でも浩明さんは、私に忠誠を誓い、私に絶対服従するマゾ奴隷になるのよ。つまり、私達の場合は一般的な結婚生活じゃなくて、女主人の私がマゾ奴隷の浩明さんを辱めて虐める生活を送ることになるわ…分かった?」 と非情な宣言をした。腰の振りが段々と速くなっている浩明は、硬く屹立しているものがニーハイブーツの本革で擦れる刺激で果てそうになりながらも、 「分かりました、早紀さんの…いえ、早紀様のマゾ奴隷になります。早紀様に生涯の忠誠を誓います。早紀様に絶対服従致します…」 と熱病でうなされたように答えた。満足そうな笑みを浮かべた早紀は、急に自分の太腿に抱きついている浩明の両腕を振り解き、ニーハイブーツを履いている両脚を開くと、彼の頬に押し出す様な膝蹴りを入れ、床へ仰向けに倒した。それから、手加減してであるが、乗馬鞭を鋭く振り、まだ極限まで怒張している浩明のものを打ち据えた。 「ギャアッ」 早紀が手加減しているとは言え、射精寸前で敏感になっているものを乗馬鞭で打たれた浩明は、股間からちぎり取られたような激痛を感じて悲鳴を上げ、両手で股間部分を押さえて、体を芋虫みたいに丸めて苦しんだ。早紀は、苦しんでいる浩明の頭をニーハイブーツで踏みにじり、 「ちょっと、大声出さないでよ!ここはアパートなんだから、隣の部屋に聞こえるじゃないの!」 と叱りつけた。早紀のニーハイブーツ靴裏から、 「も、申し訳ございません、早紀様…」 と浩明の情けない声が聞こえた。早紀は、浩明の頭からニーハイブーツを外し、 「もう一度、膝立ちになってご覧!」 と彼に命じた。股間部分の強い痛みを堪えて、何とか膝立ちになった浩明であったが、股間のものは鞭打たれたにも関わらずに、硬い屹立を保っていた。早紀は浩明の前でしゃがみ、屹立しているものを握ると、ゆっくりしごきながら、 「何よ、これ?鞭で打たれたのに萎えもせず、まだ硬く勃起したままじゃないの!やっぱり、お前は変態のマゾヒストなのよ!」 と彼をお前呼ばわりして、蔑んだ。浩明は、屈辱で顔を赤らめて身震いしたが、股間のものは更に硬度を増していた。早紀は浩明のものをしごき続けながら、 「お前はもう、私と対等な立場の恋人じゃないわ。お前は私の足裏より下の、最下層のマゾ奴隷に落ちたのよ。だから、これからお前のことは“男奴隷”と呼ぶからね!私のことは“女御主人様”か“早紀様”とお呼び!分かったわね!?」 と言い放った。浩明は恥ずかしそうに、 「はい…分かりました、早紀様…」 と小さい声でボソボソと答えた。すると早紀は、浩明のものをしごいていた手を放し、目が眩む程の力強い往復ビンタを彼に張った。 「ヒイィッ」 思わず悲鳴を漏らした浩明に、 「声が小さいわよ!お前は本当に、私のマゾ奴隷になる気があるの!?」 と早紀は叱りつけた。浩明は早紀に土下座し、 「申し訳ございません。どうか、お許し下さいませ、早紀様…私は、早紀様のマゾ奴隷でございます…」 と卑屈に詫びた。土下座している浩明の頭を、早紀はニーハイブーツで軽く蹴り、 「いちいち型通りの謝罪をしなくていいから、さっさとベッドに上がって、仰向けにおなり!」 と命令した。浩明が慌てて命令通りにベッドで仰向けになると、早紀は腰に巻いたスカーフを取り除き、ニーハイブーツを履いたままベッドに上がって、彼の顔に跨った。 「男奴隷、女主人に舌奉仕おし!」 早紀に命じられた浩明は、舌を伸ばして彼女の陰部を舐め始めた。浩明を責めて興奮し、赤く充血してめくれている早紀の陰唇から、強く臭う淫液が絶え間なく湧き出て、彼は咽せそうになるのを必死で堪えた。浩明は舌だけではなく、唇も使って、懸命に早紀を喜ばせようと努めた。しばらく浩明の舌奉仕を楽しんでいた早紀は、不意に立ち上がって彼の顔を見下すと、 「あらあら、口元がベトベトになっているわよ…みっともないわねぇ」 と言って、ベッドから降りた。早紀は、部屋にあったウェットティッシュで浩明の口元をざっと拭ってから、彼の股間で硬く屹立しているものを握り、ゆっくりとしごき始めた。 「ああっ…」 不意に訪れた快感に、浩明の口から声が上がった。次に早紀は、浩明の怒張しているもの唇で挟み、舌を動かしてねっとりと舐め回しながら、首を上下に動かした。急激に高まる快感に果てそうになった浩明は、全身を硬直して耐えた。浩明のものから口を離した早紀は、再びそれを握ってゆっくりしごきながら、 「男奴隷、お前の体はもう、お前のものじゃないわよ。お前の体は、全て女主人である私の所有物なんだからね…女主人は男奴隷のこれを、好きな時に好きなように弄って楽しめるのよ」 と彼に暗示を掛けるように言った。浩明のものから一旦手を放した早紀は、ニーハイブーツを脱がずに再びベッドに上がり、彼の体に跨ってしゃがみ込むと、極限まで怒張しているものを自分のトロトロに濡れている陰唇に宛がい、一気に腰を落とした。早紀の口から、 「ハウッ」 と声が漏れ、彼女は浩明の体の上で奔馬のように腰を激しく上下させた。早紀は腰を動かしながら、 「男奴隷、お前はもう、女主人の私から離れられないわ!お前は、一生私に忠誠を誓って、一生私に絶対服従して、一生私に虐められるマゾ奴隷なのよ!それが、お前の逃れられない運命なのよ!」 と激しい口調で浩明に言い聞かせた。早紀の下で快感に喘いでいる浩明も、 「ああっ、僕は早紀様所有のマゾ奴隷です!早紀様に一生忠誠を誓って、一生絶対服従して、一生虐められます!それが僕の運命で、僕の喜びです!」 と熱でうなされて正気を失ったような声で答えた。若い二人が同時に果てて、早紀が浩明の体にぐったりと倒れ込んだのは、間も無くのことだった。 夜更けに自宅リビングのソファに座って、スマホを見ていた聡美夫人は、 「裕司さん、早紀さんからラインが来ていたわ。恋人の浩明さんを、完全なマゾ奴隷に仕上げたって…心理実験の10日間で、屈辱にまみれた刺激的な射精を繰り返し強制させられた浩明さんは、もう普通のセックスでは興奮出来ないマゾヒストに変貌してしまったようね」 と、テーブルに着いてハイボールをゆっくり飲んでいる吉田教授に話し掛けた。グラスをテーブルに置いた吉田教授は、嬉しそうに微笑み、 「やっぱり、心理実験の効果は絶大だったな。潜在的サディスティンだった早紀さんが、見事な女王様になってくれたし…早紀さんには、中原理事長運営の高級保養所で勤務する前の、丁度いい研修になったよ。私には、早紀さんを中原理事長に推薦した責任があるからね」 と答えた。聡美夫人も満足そうな笑みを浮かべ、 「心理実験が終了して、早紀さんを自宅まで送り届ける間に、高級保養所での仕事内容をかいつまんで説明したの…そしたら、早紀さんは『それこそ、私の天職です!』と大喜びで言ってくれたわ。何しろ、普段の激務でストレスが溜まった、政財界の大物マゾ男達を相手にする仕事だから、知性的な真正サディスティンじゃなければ、とても務まらないものね」 と言ってソファから立ってテーブルに着き、ワイングラスを手にした。吉田教授は、ナッツとチーズとクラッカーが載っている皿を、聡美夫人の方へ押しやり、 「まあ、今回の心理実験の結果は、1971年に行われた“スタンフォード監獄実験”で予測はついていたよ。ごく普通の大学生を9人ずつ看守役と囚人役に分けて、“監獄ごっこ”を2週間する予定だったが、看守役は囚人役への虐待が酷くなっていき、囚人役は看守役へ卑屈に媚びへつらうようになって、これ以上エスカレートさせられないと、結局6日間で中止になったいわくつきの実験で、人間はある体制・システムに組み込まれると、いくらでも残酷になれると言うのが結論だった…だから、早紀さんも残酷な看守になれて、潜在していたサディスティンの才能が開花した訳だ」 と心理実験の結果について、聡美夫人に説明した。聡美夫人はチーズをつまみにワインを飲み、 「でも私には、今回の心理実験はちょっとしんどかったわよ。何しろ、日中は精神病院の隔離病棟で、早紀さんの指導をしながら浩明さんを虐めて、夜は自宅に戻り、地下室でマゾの橋口教授と病院長のSⅯ接待をしなければいけなかったからね…厳格な橋口教授は、この私が責め疲れる程の重度のマゾヒストだし、病院長は浩明さんを羨ましがって、自分も囚人役を是非やりたいとか言っていたわ…まあ、若いイケメンの浩明さんを虐めるのは、結構楽しかったけどね」 と吉田教授に少し愚痴をこぼした。吉田教授は苦笑いし、話を続けた。 「今回の聡美さんの功績と労力は、本当に多大だね。この埋め合わせは何かするから、少し猶予をくれ…それと、聡美さんと早紀さんが10日間に渡って浩明君を虐めた動画をダイジェスト編集して、中原理事長に送信したら、大喜びしてくれたよ…ところで、中原理事長の紹介で僕達が結婚して25年、中原理事長が教授を退官し、僕を准教授から教授に引き上げてくれて、もう15年か…光陰矢の如しで、年月が過ぎ去るのは、本当に早いもんだな。中原理事長と雅子夫人が保養所施設に転居する際、この地下室付きの邸宅を格安で譲ってもらったし…それで、ちょっと前に中原理事長から『私も歳だから、そろそろ保養所の共同運営を考えて欲しい。いずれ、裕司君に保養所運営を全面委譲したい』と連絡があったんだよ。思えば、今年で中原理事長は83歳、雅子夫人は73歳になるんだな…」 聡美夫人は、ワイングラスに自分でワインを注ぎ、 「そう言えば、雅子夫人は73歳の今でも、保養所で現役の女王様をしているんでしょう?欧米では、60代、70代のミストレスは珍しくないと言われるけど、やっぱり雅子夫人は凄いわ。私なんか、雅子夫人の足元にも及ばないわね」 と感嘆した。吉田教授は再度苦笑いし、 「聡美さんも、雅子夫人と甲乙つけがたく大したものだよ…まあ、僕もそろそろ、後継者を育成しなければならない時期だな。若い非常勤講師の萩原君がマゾなのは既に分かっているから、心理テストで把握している潜在的サディスティンの女学生の中から、誰か見繕って紹介するか…」 と独り言のように言った。ワイングラスを空にして、また自分でワインを注いだ聡美夫人は、 「ところで裕司さん、明日は土曜日よ…明日は朝から地下室に行くから、今夜は早めに寝て、体調を整えておいてね」 と吉田教授に告げて、少し酔いが回った妖艶な目で彼を見つめた。平日は普通の夫婦生活を過ごすのだが、土日祝日は吉田教授が奴隷となり、拷問器具の揃った地下室で、聡美夫人の足元にひれ伏さなければならないのだ。 「ああ…それは、分かっているよ…」 ハイボールのグラスを傾けていた吉田教授は、やや怯えた感じの震え声で聡美夫人に返事をしたが、パジャマの股間部分は急激な盛り上がりを見せていた。
終わり |