その4
ようやく息を整えられた私はあわてて看護婦の前に跪いて頭を下げた。
「牡奴隷WH207号です。どうぞよろしくお願いします」
「なぁに?それが挨拶?バカじゃないの」
私の頭をナースシューズでぐりぐり踏みしめながら罵った。
「もうすぐ、自分の立場がどういうものか、分からしてあげるからね」
「・・・・は・・い・・」
「さっき、聞いてなかったの?私の名前は芳恵っていうんだけど」
「あ・・はい・・芳恵・・様」
「さぁ、そのまま四つん這いでついておいで!」
何も言わず四つん這いになろうとしたところ、ドスッと言う音とともに私は腹を蹴られた。
「ううっ・・・」
「返事はどうしたのよ?」
「は、はい・・・芳恵様」
先程の女性警察官といいこの看護婦といい今まで接した事のないひどい扱いに私の心は乱れていた。
そして最初に通された部屋に戻り瑠璃子と呼ばれていた女医の前に正座させられた。
彼女は私の体に描かれた文字を確認すると・・
「ふふ・・いいわね。こうやってナンバーを打たれるとだんだんと本来の牡奴隷の姿に見えてくるから不思議よね」
「先生、外見はそう見えるかもしれませんが、こいつまだ内面はぜんぜんですよ。ホントむかつきますよ」
「芳恵ちゃん、もう少しの辛抱でしょう?ふふふ・・」
この時、私は何を言っているのかよく分かりませんでしたが、この後私の身におこる事は全く予想していないものでした。
「WH207号、今からお前の体内にこの薬を入れるからね」
彼女はそう言って黒い液体の入ったビンを私に見せた。
「この薬は3ヶ月前に開発されたもので、お前でちょうど10人目の使用になるのよ。ふふ嬉しいでしょう?」
「は、はい・・」
MAMと記載されているビン・・私は全くこの薬の事は知らなかったので、こう答えるしかなかった。MAMがMale slave adaptation medicine(牡奴隷順応薬)だと言う事を・・・
「芳恵ちゃん、柱に固定してくれる」
「はい、先生」
看護婦はさも楽しそうに答えた。
「立って、そしてここに足を載せなさい」
1mくらいの円柱の前に足型の絵が描かれておりそこに足を載せると足首が円柱から出ている固定枷でぎっちりと締め付けられた。ちょうど30cm足を開く感じだった。さらにそのまま手を後ろに回され柱に固定された。後ろ向きに柱を抱く格好だ。
「できました」
全く無防備な体を晒す格好となった私はこれからされる事にかなりの恐怖を感じていた。
女医はその黒いビンに注射器を刺し中の液体を吸い上げると私の前でそれを見せて残酷そうな笑みを浮かべ言った。
「これでお前もりっぱな牡奴隷の体になれるわよ。」
言い終わると同時に私の首にその注射針を突き刺した。
鋭い痛みが一瞬私を襲ったが液体は見る見るうちに注入され止血止めのガーゼを押し当てられた瞬間から意識が朦朧とした。それから数十秒後私の体は火の様に熱くなり私は声を上げて叫んだ。
「熱い・・熱いよ〜・・・・・助けて・・」
私は取れるはずもない拘束された腕を力一杯外そうともがいた。
1分近くその熱さに耐えた後、ぴったりとそれは治まった。その後全身の皮膚が自分の意思とは別に勝手に動いているような感じがし、それが終ると全身が小刻みに震えだした。しばらくするとそれも治まり普通の状態に戻ったような気がした。
しかしなぜか寒さを感じ、柱の冷たさがかなり体に伝わっていた。さらに拘束された腕や足首がものすごく痛い。さっきもがいた時の痛みだろうと思っていたのだが・・・なんとなく全身が敏感になったような感じだ。
私がもがく様子を笑みを浮かべながら見ていた3人ともその変化を見て投薬の成功を確認したようだ。
「終ったみたいね」
と女医が言うと。
「私、初めて見ましたけど、すごいですねなんか脱皮みたいで」
「そうね、ある意味そんな感じだけど・・」
「先生試してみていいですか?」
看護婦の芳恵がニコニコしながら言った。
「芳恵ちゃん、これが楽しみでこの仕事してるでしょう?」
「もちろんですよ、先生・・あはは」
そして芳恵は私の横に立ち私の顔を見て
「これは薬がきいてるかどうかのテストだからね」
そう言って私の乳首をつまんで抓った。すると私の体に激痛が襲った。
「ぎゃあ〜・・・痛い・・・痛い〜」
彼女はあまり力を入れていない、しかし私の痛みは尋常なものではなかった。
「あら、ちょっとつまんだだけよ。こんなのが痛いの?ふふ・・じゃあもう少し力入れてあげるわ、ほら」
「ひぃ〜いた・・・痛い・・や、やめて・・やめて・・・くださ・・・ぎゃ〜」
まるでペンチで乳首を潰されているような痛みで私は涙目になって体をよじった。
「やめて?誰にそんな口聞いてるのかしら、ほらっ」
「ああ・・・・ひぃ〜・・・許して・・・芳恵様・・・・どうか・・・許して下さい。お願い・・ですから〜・・」
「ふん、全く口の聞き方も知らない牡奴隷ね。これからたっぷりと調教されるといいわ!」
そう言って手を止めた。
「先生、成功みたいですね」
「ふふ、そうね。207号、お前にも教えといてあげるわ。このMAMは牡奴隷順応薬って言って人間の体を根本的に変化させるものなの。遺伝子操作をしてDNAの配列を変えて不死身な体を作ったのよ。」

「分かりやすく言うとお前の体にどんなキズや怪我を負っても1日で回復するわ。どんな物を食べても骨折してもひどい火傷をおっても次の日には全く普通の状態に回復するのよ、まさに不死身な体ね」
「何でそんな事をしたかはわかるわよね?お前のような牡奴隷を何も気にせず嬲る事ができるようにね・・ほほほ・・この薬はさらに通常の人間の感覚より5倍から10倍敏感になるようになっいるのよ、わかる?」
「そうよ、だから私が試してあげたでしょう。とっても痛かったでしょう。だから成功ってわけ。あはは・・」
そ、そんな・・・私は思わず恐怖で震えた。
牡奴隷を遠慮なく嬲れるように作られた薬・・そんなものがあるなんて・・・さらに感覚まで変化させて痛めつけるなんて・・・
「ねぇとっても素晴らしい薬でしょう。これは私の先輩の上松麻子教授が発明したものなの、その先輩は若い頃から牡奴隷をもっと苛め抜いて苦しめるためにはどうしたらいいかを考えていろいろ研究してるの。今もきっと研究室ではたくさんの牡奴隷たちが研究材料として嬲られてるんじゃないかしら・・とにかく最高の薬だわこれは」
確かに牡奴隷を使う側にとっては最高の薬でも牡奴隷側からとったら最悪の薬だ・・。
「そうそう、言い忘れたけどこの薬を使用すると10年は寿命が短くなるそうよ。もっとも牡奴隷以外に使用する事は認められてないから関係ないけどね。ほほほ・・」
私は絶望と恐怖と寒さでブルブル震えていた。
(続く)