その7
女性検事は私に四つん這いになってお尻を上げるように命じた。私は言われるままに従わざるを得なかった。
「頭は下よ、まぬけ!ほら、もっと上げなさいよ、その汚い尻を!」
頭をパンプスで小突かれながら恥ずかしい姿勢を強要される。
そしてようやく姿勢にOKがでると、彼女は私の前で鞭を振った。その鞭の音は細いだけあって「ヒュン・ヒュン」と風を鋭く切る音がした。
「ふふ、これ新しく買ったのよ、うちの牡奴隷に打つ前にこいつで試しておこうと思って」
「あら、検事さんの家にもいるんですか?」
「ええ、1匹。こいつと同じ終身が、それについこの間、例の適応剤を打ったおかげで毎日楽しくてね。みじめに泣いている姿をみるともっと虐めたくなるのよね。女の嵯峨なのよね・・きっと」
「いいですねぇ・・・私も1匹欲しいんですよ。でもなかなか手に入らなくて」
その、まるで物の様な言い方をする彼女達の会話を私は何も言えずだまって耐えるしかなかった。
 
「さ、いくわよ、ほらっ!」
「ピシッ」
最初の1発目はお尻だった。
「あうっ!」
鋭い痛みが走った。続けて2発・3発と連続してお尻に・・
「ああっ・・・」
痛みが徐々に増していく・・・今まで感じた事のない痛みだ。
「あぅ〜」
私はあまりの痛みにお尻をひねって逃れようとした。
「お前、何逃げてんの?」
彼女のヒールがその尻を蹴る。
「あいっ!痛い」
「何、痛い?牡奴隷のくせに痛いですって?」
「ご、ごめんなさい」
「ごめんなさい?申し訳ございませんだろっ!このまぬけ奴隷が!」
私の膝裏の下辺りをパンプスのヒールでグイと踏みつける。
「ぎゃぁ〜・・・・も、申し訳ご、ござい・・ませ・・ん。うう・・」
「ほらっ」
「ああ・・・申し訳ございません・申し訳ございません〜」
「ふふ、少しはわかったようね、お前は牡奴隷で罰を与えてもらってるんだからね。ありがたく受けないとね、いい私の命令がない限り動く事はゆるされないんんだからね」
「は、はい・・・留美様・・・申し訳ございませんでした・・」
「それで?」
「あ、はい・・・お願いです・・どうぞ罰をお与え下さい」
「仕方ないわね、じゃ続けてあげるわ」
「ピシッ、ピシッ、ピシッ」

続けさまに容赦ない鞭が私の体を襲いみるみるうちに私の肌は変色していった。彼女はどこを打てば辛いかを知っているようで、特にわきの下の周辺や横っ腹を連打された時はあまりの痛さに体がブルブルと震えていた。
彼女はさも楽しそうに私を打つ。
「あはは、ほらっ痛い?、痛いなんて言えないのよねぇ牡奴隷は、あはは・・」
「ひ、ひぃ〜、ああ・・許して・・下さい」
「ふふ、あらっ、許しを請うの?誰もそんな事許してないわよ」
「ああああ・・・ひぃ〜・・」
私はその場で涙をこぼしながらひたすら耐えた、全身が痛みで燃えるように熱くなり高熱が出ているような錯覚さえした。
「ああ、楽しかった・・いい暇つぶしになったわ、ほら、終りよ開放してあげるわ。さあ何て言うのかしら」
私はうつろになった意識の中で条件的に言った。
「罰を・・・お与え戴き・・ありがとうございました・・・」
「ふふ・・よく言えたじゃない。これからきっと役に立つわよ、その言葉!」
「そろそろ、引渡しの時間でしょう」
「そうですね、もうすぐ来ると思いますが・・」
と話していたその時にドアがノックされて、一人の女性が入ってきた。まだ姿勢を崩す事を許されていない私は彼女の顔を見る事はできなかった。

「強制所からWH207を受け取りにきました新見です」
「ごくろうさま、検事の佐伯です」
「これがそうですか?」
「ええ、少し使ってやったの」
「あっ、もう少しゆっくり来た方がよかったですか?」
「いえ、もういいのよ。ちょっと試しただけだから」
女性検事はそう言って鞭を持ち上げた。
「こちらに、受け取りのサインを下さい、それとこれはこいつの書類」
「わかりました。確かに受け取りました。それでは首輪を付けます」
そう言って床にうずくまっている私の前に来て持っていた首輪を私の前に放った。彼女はブーツを履いていた。
そしてそのブーツで私の顔を蹴り起こした。
「さっさとこの首輪を付けなさい、牡奴隷!」

その勢いでブーツが少し脱げかかったらしく私の頭を踏みつけて台にしてそれを直した。
黒いミニスカートに長く細い足に黒のブーツといった20歳くらいの女性にいきなり遭わされた屈辱的な出来事だった。

(続く)

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